2018年ドラフトとは
平成最後のドラフト会議が、10/25(木)に行われました。
今年のドラフトについて、各球団で感じたことを少しだけ…
(毎年恒例、関野アナお疲れ様でした!)
☆広島東洋☆
4球団競合の末、報徳学園小園内野手の交渉権を獲得(=以下獲得表記)。田中広、菊池の後のセンターラインを担う選手として、期待される。
今年の広島は高校生中心に選手を獲得、三連覇を成し遂げる充実した戦力を背景に、育成に特化した布陣になっているように感じる。
一推しは、智弁和歌山の林内野手。名将、高島監督に天才と言わしめた長距離砲。将来の中軸として期待がかかる。
☆東京ヤクルト☆
根尾、上茶谷の両選手を外すも、國學院大の清水投手を獲得。
外れ外れ1位としては申し分ない投手。(ちなみに筆者の推しメン=詳細はドラフト展望のブログで更新)
今年のヤクルトは先発投手の駒不足に苦しんだことを考えると、投手中心の布陣なのかなと。明豊濱田外野手を獲得し、高校生外野手を4位で指名と言うことで大器であることが伺え非常に楽しみな存在。
☆読売☆
根尾、辰巳を外し、大学生投手の高橋投手(=八戸学院大)を獲得。
今の巨人の方向性を考えると、少し違うかなと思ったが、高校生投手を3人獲得していることを考えると、原政権で育成を担わせ、不足の外野手と、明秀日立の増田を指名しているものの、坂本の後釜はFAで獲得する方向なのかのと推測できる。
一推しは大阪桐蔭の横川投手。190cmから投げ下ろす角度のあるストレートとキレのあるスライダーは素質十分。育成によっては左の大投手に成長する可能性を持っていると思う。
まずはフォーム固めから、じっくりと見ていきたいところ。
☆横浜DeNA☆
外れ1位で東洋大の上茶谷投手を獲得。DeNAは毎年即戦力投手が1年目から活躍しているだけに、例年通りのドラフトと言える。
ただし、濱口・今永が2年目のジンクス、今年の東も来年の結果次第では使い方を考えていかないといけない気がするが…
一推しは日大鶴ケ丘の勝又投手。実際には見ていないが、西東京大会で日大三に負けるまでは無双の投球だったそうです。高校生投手が少ないDeNAにとっては大事に育てて欲しい存在。
☆中日☆
もっとも注目を集めた、大阪桐蔭根尾内野手兼投手外野手?を獲得。
プレーだけでなく野球に取り組む姿勢や人間性は各球団、喉から手が出るほど欲しかった逸材。
落合政権終了後、低迷が続いているだけあって、スターの獲得は悲願であり、京田とのポジション争いでさらなるレベルアップを期待。
中日は25歳以下の捕手がいないため、関東一の石橋捕手を獲得したことは大きい。ある情報筋によると、かなり良い選手らいしい。
一推しは言うまでもなく根尾君です。
☆阪神☆
この球団がもっとも失敗したのではと感じるドラフトだった。
即戦力中心のドラフトで、かつ1位は外れ外れと後手に回った印象は否めない。
5位で指名した創成館の川原投手は実際に甲子園で見ているが、あまりオーラを感じない投手(創志学園にK.O.されたせいもある)だったが、実際に観た選手なので期待してみていきたい。
育成ドラフトで獲得した片山捕手が良いと情報筋から=これを一推しにしたいと思います。
☆埼玉西武☆
高校生野手に指名が重複する中、日体大の松本投手を1本釣り。投壊した西武の筋が通った素晴らしい戦略であったと思う。
例年の富士大枠、遊学館の牧野捕手を獲得するなどバランスの取れた豊作ドラフトだと感じる。
また浦和学院の渡邊投手を地元のスターとして将来性を期待し2位で獲得。実際に観て、全てにおいてレベルアップの必要性を感じたが、エースとしてのオーラと身体能力は申し分ないので、彼を一推しにしたいと思う。
☆福岡ソフトバンク☆
1位で東洋大の甲斐野投手、2位で三菱重工広島から杉山投手と即戦力投手を上位で獲得。
今年、サファテ、岩嵜の故障と、来年は今年酷使した投手が故障することを考えると、納得のドラフトと言える。
早実野村大内野手を獲得し、内川、松田の後継者もしっかり獲得している。この布陣を見るとFA獲得選手とミックスすると、毎年のソフトバンクの強さが垣間見えるドラフトと言えるかもしれない。
一推しは情報筋より、金沢星稜大の泉投手です。実際には見ていませんが、この情報筋の情報はほとんど当たるので、注目したいと思います。
☆北海道日本ハム☆
例年通り、話題性に富んだドラフトだった。
金農フィーバーを巻き起こした、金足農吉田投手を外れ1位の1本釣りで獲得。
身体能力の高い高校生を多く獲得し、選手育成の自信も伺わせる。
一方、生田目投手(日本通運)福田投手(星槎道都大)と即戦力投手も獲得し、話題性、布陣ともに日本ハムらしいドラフトであったと思う。
※詳細は別の記事で記載予定
☆オリックス☆
補強ポイントの明確だったドラフトだった。小園、根尾に比べると話題性やポテンシャルも落ちるが、天理の太田内野手を1位で獲得。
亜細亜大の頓宮捕手の2位の獲得は非常に良かったと思う。
左の中継ぎもJX-ENEOSの左澤を獲得し、即戦力中心の布陣となった。
将来性と言う面では、少し物足りない感はあるが、優勝から最も遠ざかっているチームとしては明確な指名となった。
一推しは2位指名の、頓宮捕手。捕手として使うかは別として、パワーと柔軟性を兼ね備えたスラッガー。東都秋季リーグで國學院清水から放った2本の本塁打は圧巻だった。
☆千葉ロッテ☆
4球団競合の末、大阪桐蔭藤原を獲得。高校生外野手を1位で獲得する意味を考えると、藤原獲得だけでも、ものすごく良いドラフトだったと言える。
日体大東妻投手、早稲田大小島投手も甲子園を沸かせた投手であり、ポテンシャルも十分。
一推しは亜細亜大の中村投手。変則モーションから繰り出されるキレのあるボールは、プロでも打者が手を焼きそうな存在。
☆東北楽天☆
外れ1位で4球団競合の末、大学No1外野手を獲得。全く知らない選手であったが、今年成長した田中和、島内、外国人との争いに加われるかが注目。
5位で横浜高校元監督の渡辺さんの孫にあたる、渡辺佳明内野手、育成で則本昴大の弟である、則本佳樹投手を獲得と、話題性も十分。
大卒選手を多く指名し、平石新体制のスタートには申し分ないドラフトだったのでは。
~総評~
各、スポーツ紙や評論家の記事にドラフトの点数をつけるものがあるが、ドラフトの点数は、5年後~10年後にならなければ分からないと言うのが正直なところ。
万年Bクラスのチームはドラフトとしては極めて0点に近いと言えるし、優勝争いを常にしているチームであれば、満点に近いと言うことになる。
大切なのはドラフト1位の選手もそうだが、2位以下の選手の方が圧倒的に多いわけで、そこで獲得した選手をいかに育てるかにかかっている。
奇をてらった指名や、チームとしての戦略の無いドラフトは一向に戦力の底上げにならない。
今年のドラフトでもそういう球団がいくつか見られた。
話題性や監督の意思によらず、球団の方針としてしっかりとした方向性や戦略を貫き、スカウティングと育成をマッチングさせるための、指名ができる球団こそが、ドラフト巧者と言えるのではないだろうか。
そう言う意味では、埼玉西武と千葉ロッテ、広島東洋がドラフトは成功を収めたと個人的には思う。