野球観術

野球や組織論はいつだって愛情から始まる

マイナスの功罪

 

最近、急に寒くなり筆者も風邪をひいてしまいました…

そのうえ、職場の試験に不合格で失意の最中ではありますが、そんな時だからこそ感じることを書きたいと思います。

 

プロ野球のシーズンには、チームに必ず殊勲者と戦犯扱いされる選手がいる。

○○が期待を裏切ったとか、年俸に見合う働きをしなかったとか、スポーツ紙やコラムに書かれる訳で、なんとも厳しい世界だ。

 

実は、

できなかった理由を探すことより、出来た理由を探すことの方がずっと難しい

と、僕は常々感じている。

今年、下位だったチームにはできなかった理由を探す傾向にある。

 

一つ例に挙げると、今年の5位だったロッテの盗塁数だ。

チーム盗塁数はリーグ2位の124個、企画数が176回で盗塁成功率は.705である。

パ・リーグの盗塁成功率は以下の通り

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今年、走塁改革を掲げ、積極的な走塁を推し進めた井口監督の成果ではなかろうかと思う。

野球評論家の里崎智也氏はこの盗塁成功率ではセイバーメトリクス的には厳しい数字と解説をしていたが、走塁死や盗塁死は流れを変えてしまうため、セイバー的には10回に3回の失敗では盗塁をしない方が良いと言う指標になる。

 

けれど、企画数もリーグ2位なので意識付けとしてはしっかりできていると言うことになるが、

今年のロッテは積極走塁の結果、とんでもない走塁死も何度かあった。

 

しかしこれがなければ、途中までCS争いをすることはできなかったのでは無いかと思うし、そもそも失敗をある程度容認する風土を作ること自体が非常に難しいことと思う。

 

盗塁はある程度成功して当たり前のような感覚にある。なので、本当に走力のある選手しか盗塁を企画しない。

もちろん、井上晴哉がバンバン走って、アウトになるのは無謀と言うものだが、盗塁企画を積極的に推し進めた結果、実は走れたなんて言う選手も出てくるかもしれない。

 

この流れは、チームの順位や盗塁成功率と言う数字に捉われず、素晴らしく評価できることだと思う。

 

反省すべき点は自然と炙り出されるが、負の数字の中に、ある好材料を見つけることが、最も難しいのではないか…

 

数字には直結しないかもしれないが、日本ハムとヤクルトが電撃トレードにて

髙梨・太田賢⇔秋吉・谷内が移籍となった。

投手のトレードの意図は分かるが、この内野手同士のトレードは若干疑問視されるところだ。

特徴としては、谷内が右打ちで太田賢が左打ち、太田の方が若い

と言うことを考えれば、日本ハム側としては既存の選手との兼ね合いを見ていると思う。

 

僕は過去のドラフトについてのブログでこのようなことを書いた。

               ↓

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刺激と言う意味では、ドラフトの選手よりも若手の内野手には刺激になると思う。

逆に、今シーズン渡邊と石井一を見ていると感じるのだが、彼ら二人は打撃では成長したと思う。特に渡邊は1試合2本塁打を放つなど長打力を発揮してCSにも出場した。

石井一は守備で致命的な失策を犯して打撃にまで影響した感が否めないが、打撃は昨年より数段良くなっていると感じた。

同じ左打ちの遊撃手で太田を放出したと言うことは、石井一に対する期待感の表れでもあると思う。

もちろん今年の成績では、何かを語ることはできないが、渡邊と石井一を今年使って彼らが失敗したこと(共に内野での失策は7つ)が、このトレードで一層生きる。

僕は、このマイナスを大きくプラスに捉えているし、加入する谷内選手を含め彼らを信じている!

 

タイトルをマイナスの功罪としたのは、ある事象に対して功罪を見ていくが、

人間はどうしてもマイナスの方に目が行ってしまいがちだ。

 

“功罪相半ばする”と言う言葉があるが、

良いとも悪いとも言えない部分をプラスに変えて行きたい!

マイナスもプラスに転ずる!

そんな自戒の念を込めて今回の更新としたいと思う。