野球観術

野球や組織論はいつだって愛情から始まる

体温を感じたい

昔、営業の仕事をしている時に、商社を介さないとお客さんに会えないと言う状況になったことがある。

勝手に会いに行けば、商社の担当の営業は激怒、逆に会うことを諦めれば、商社の思う壺になってしまう。(この時の仕事は、同じ商社が敵になったり味方になったりするような仕事だった)

若かった自分は、商社の担当の営業にすがって会えるようにお願いするも、頑なに拒まれる。

どうにもならなくなり、上司に頼んでその担当営業の上司に電話をしてもらって、

その中で

「温度感と言うか(お客さんの)体温を感じられるとありがたいのですが…」

と言う言葉が出てきた。

僕自身の引き出しの無さを痛感するのと同時に、言葉のチョイスがすごいなと感激したのを覚えている。

 

恋人でもやっぱり離れて、電話やLINEをするよりも実際に会って体温を感じられることが大事…

って言うのはいいとして、今日は恋愛の話では無く(笑)、交流戦が2カード終わって感じたことを記述しようと思う。

 

交流戦の初戦、ヤクルト6-7×日本ハムの試合終了後に栗山監督のコメントの中で

Q.交流戦初日を戦って
「相手の状況やデータを確認しながらの試合となるが、しっかりと覚悟を持って戦っていかないと、うまくいかないと感じた1日だった」

Q.引き分けを挟んで7連勝
「今日の試合もいろいろと課題があり、たまたま勝った。前に進むために、もっともっとやるべきことをやっていかないといけない」

 

この時、ヤクルトは16連敗を脱した次の試合、日本ハムは引き分けを挟んで6連勝中と対照的なチーム状況であった。

 

しかし蓋を開けてみると、上沢がヤクルト村上に先制本塁打を浴びて、日本ハムは4回には1イニングで3失策を犯し、序盤はチーム状況とは裏腹に劣勢に立たされる。

 

中田の2本の本塁打で劣勢を跳ね返し、サヨナラ勝ちを収めるも、監督にとっては「たまたま勝った。」と言うように映ったのだろう。

 

僕が注目したのは、「相手の状況やデータを確認しながらの試合となるが、しっかりと覚悟を持って戦っていかないと、うまくいかないと感じた1日だった」と言う部分だ。

 

リーグ戦とは異なるチームと対戦する中で、自分達と相手との温度感と言うのは実際に試合の中で対戦してみないと分からないことが多いと監督が痛感したのだと思う。

その上で勝ち切る覚悟が必要であると…

まさに“体温を感じる”と言うことなのだろう。

 

連敗をしないことを考えると、カードの初戦は大事と思うが、勝ち負け以前にお互いの体温を把握することの大切さみたいなものは大いにあると思う。

 

交流戦前のチーム状況、相手チームのデータをしっかり把握していても、自分たちの気持ち次第ではいくらでも状況が変わってくると言う、4日のヤクルトとの試合は象徴的な内容だったのかもしれない。

 

全体を見てみると2カード終わった時点で、広島が2勝4敗と交流戦前の状況から見れば、苦戦していると感じるし、オリックスは3勝2敗で4位とリーグ戦の状況を考えれば健闘していると感じる。

 

下記で紹介するが、オリックス交流戦に入って今までの守乱が嘘のように、失策数がゼロなのだ。

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そして日本ハムには気になる数字があって

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交流戦に入ってからの失策数が非常に多いことだ。

 

チーム内にも温度感と言うのはもちろんある。

味方のエラーは投手をシラケさせる。

投手がフォアボールを連発して、失点を重ねれば、もちろん野手はシラケてしまう。

 

今の日本ハムは勝ちが先行しているが、このエラーが重なる状況は早く食い止めたいところだ。

 

体温の話ではないが、12日(水)日本ハムはドラフト1位ルーキーの吉田輝星投手がプロ初先発の予定だ。

球場はもちろん熱を帯びてくるだろうし、吉田輝星本人も気持ちの高ぶりはあるだろう!

昨年、かなのーフィーバーを巻き起こしたスターは強力な広島打線に立ち向かうことになる。

前日の11日の試合で先発の上沢、マスクを被るキャッチャー、野手、ベンチ、が、お互いの温度感をしっかり感じ取り、満を持してルーキーの登板を迎えさせてあげたいものだ。

 

本題からは逸れるが、吉田輝星の注目点としては、しっかりベース板の上にストレートが投げられるかがポイントになる。

指先に引っ掛けてしまうよりも、まだ高めに抜けているくらいの方が彼らしい。

それでも打ち取れてしまうくらいの真っすぐを持っている。

プロの世界は変化球を含めた総合力が高くなければ打者を打ち取ることは難しいが、まずはストレートをベース板の上に投げる、そして独特のマウンド裁きとも言える投球テンポで打者に向かって行って欲しいと願うばかりだ。

ファームでは、去年の甲子園で披露した流れるような投球フォームは見れていないが、頑張って欲しい。

 

くれぐれもつまらないエラーでルーキーの“体温が”冷めることのないように祈って、今日の更新としようと思う。

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