野球観術

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赤点か合格点か

「ファイターズの今年のドラフトはどうだった?」

 

10月17日

ドラフト会議を見ていたスポーツバーのマスターに投げかけられた質問。

 

それに僕は

 

「60点です」

 

と答えた。

 

パソコンの調子が悪かったり、自分の心の状態が思わしくなかったこともあり、更新が遅くなってしまったが、今日はファイターズの今年のドラフトを振り返ります!

 

ファイターズの今年の指名選手は以下の通り

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高卒が1人と言う、ファイターズの近年のドラフトの傾向からすると180度違ったドラフトとなった。

 

野球評論家の里崎智也氏が配信しているYouTubeの中で、ファイターズは育成が間に合っていないと言うことを指摘していた。

まさに大学・社会人を中心とした即戦力を獲得する傾向となった。

 

 

さてさて、僕が今年のドラフトを60点と厳しい点数をつけた理由について述べておくことにする。

 

僕の過去のファイターズを見てきた中で、社会人から獲得した選手で活躍をした選手が多くないと言うのが一番の大きな理由だ。

直近では、増井浩俊(~東芝 現オリックス)くらいしか頭に浮かんで来ない。

加藤は頑張っていると思うが、皆さんの評価はいかに・・・

 

それだけ、社会人から入団してそれなりの活躍をすることが難しいと言うのが、今のファイターズの現状だ。

 

僕の個人的な意見だが、

ファイターズには社会人の選手が活躍しにくい土壌があると感じている。

ひと昔前の話になるが、ファイターズはNTT関東(現NTT東日本)など、ある意味で下部組織を持っていた。

今年ヘッドコーチ兼打撃投手に就任した小笠原道大、・立石尚行など、一線で活躍した選手がいるが、内通している社会人チームからの獲得だ。

 

それは例外として

 

当時のファイターズは弱小で、社会人から獲得した選手に頼らざるを得ない環境だった。

しかし1軍の試合に出ても、チームが弱いため、選手として大成する土壌に無かった。

 

北海道に本拠地を移し、チームが強くなってくると、今度は社会人チームから補強しても、高卒選手の育成との関係で出場機会に制限があって、大成するに至らない傾向がある気がする。

 

1年間は出られても長期に渡って活躍することが難しいのだ。

 

その中で、武田勝や増井は特別な選手だったと言える。

 

そしてこの60点と言う数字には別の意味がある。

 

そもそも

ドラフトの成果は、ドラフト会議の時点から何年か経ってから分かるものだ。

 

直近の指名選手を高卒・大卒・社会人 別に仕訳けてみた。

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高卒選手でレギュラーと言える選手は強いて言えば、渡邉諒と石川直也くらいだ。

大卒選手でもレギュラーと言えるのは有原航平のみだ。

 

里崎氏が言うように育成が間に合っていないと言うのがこれだ!

 

標題の赤点か合格点と言うのは、この一覧を見て

解雇になったり2軍でも頭角を顕していない選手は赤点

1軍でレギュラーになったり、控えでもベンチには不可欠な選手(代打の切り札や守備固め)を合格点としたときに浮かんだもの(標題)だ。

清水優心や石井一成は1軍では活躍しているが合格点の領域には行っていない。

 

これが今年の大卒・社会人偏重型のドラフトになった要因と考えれば、過去のドラフトを含めての今年のドラフトを評価しないといけない。

 

合格点に達している選手が少ない!

 

そう考えると僕の中では、指名選手云々では無く、今年のドラフトは、合格点にはなり得ないのだ。実際には赤点スタートからどれだけ良い選手を指名できるか?

と言う点になってくるが、その結果が60点と言う評価なのだ。

 

ファイターズはフロントの全面的なバックアップを約束の下、辞意を受けた栗山監督に続投を要請し

栗山監督はそれを受諾=来年絶対に優勝しないといけない。

即戦力獲得でその約束を果たそうとしているのが、手に取るようにわかる。

球団として、それだけ栗山監督をリスペクトしていることの表れ

だとも感じた。

ここで将来性豊かな高校生を指名する方が、長い目で見てチームとしては勝ち続ける要素は高くなる。

しかしそれでも、即戦力偏重型の指名となったことの意味を

“球団にとって栗山監督がいかに特別な存在”

かと言うのを感じることとなった。

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話は変わって、今年ファイターズが指名した選手は、僕の中では情報が少なすぎる。

スポーツ紙の情報を転載するのはあまりにも読んでくれる方に失礼かなと思い、過去のデータや記憶を辿ってみると、こんなものが出てきた。

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これは2016年8月13日 夏の甲子園 大会7日目 第四試合の記録だ。

そう!

今年のドラフト1位を実は甲子園で観ていたのだ。

 

記録によれば

強打の奈良代表智弁学園を5安打2失点に抑える好投!

 

記録を読み返していくうちに、記憶が蘇ってきて、河野と言うピッチャーがどんな投球をしていたかが思い出されてきた。

 

小柄な身体から、小気味の良いリズムある投球で、智弁学園打線をあれよあれよと打ち取っていた印象だ。

最速151km/hと紹介されているが、高校生当時の彼の印象は、140km/h中盤のストレートとタイミングを外す変化球を低めに投げていた。

 

174センチと小柄だし、当時は体つきも細かったので、プロに行く選手では無いなと思っていた。

エースらしいと言ったら語弊があるかもしれないが、気持ちの良い投手だった。

注目度の高かった選手では無かったのもあって、球種までは分からなかったが、彼がプロで活躍できるか否かは、ストレートに関しては磨きがかかってると仮定して、あのタイミングを外す変化球がどこまで通用するかだと思っている。

 

わずか1試合の記録ではあるが、フライアウトが多く球威はあり、四球も少なく、コントロールは非常に良かった。

その良い部分が社会人でさらにレベルアップしているのであれば非常に楽しみな投手だ。

 

育成2位の樋口も観ていて、実はこの試合は僕の高校野球観戦の中で史上二番目に記憶に残っている試合だ。

エースは現在中日に居る柳裕也、1番はDeNAの乙坂、3番はファイターズの近藤と錚々(そうそう)たるメンバーの中に、当時2年生だった彼は6番セカンドで出場していた。

 

この試合は9回表2アウトワンボールツーストライクまで横浜高校智弁学園を追い詰めたが、この後の死球をきっかけに8点を取られ逆転負け。

高校野球の恐ろしさを、身を持って感じた初めての試合に出ていたことを考えると何かのご縁としてファイターズで活躍してくれることを願うばかりだ。

 

はたまた育成3位の長谷川も2013年の甲子園で観ていたが記憶は全くない。(記録には残っている)

現在、楽天に居る内田靖人率いる常総学院打線に9回14安打7失点と滅多打ちにあって敗退では記憶にも残るはずもない・・・

BCリーグ最高の即戦力右腕との触れ込みがいかがなものか、来年もファーム観戦が辞められそうにありません(笑)

 

話を戻して

60点と言う僕の評価も、今年の指名選手がどこでどんなタイミングで活躍するかは全く分からない。

 

過去に観た高校生が思わぬ形でファイターズに入団してきたり、野球も人生も本当に分からないものだ。

選手はたゆまぬ努力でその舞台に上がっている。

僕も野球を観ることを続けることで、こんな話が出来ていることを考えると続けることの大切さみたいなものを感じる。

 

皆さんのドラフトの評価はいかがだったでしょうか?

長文におつきあい頂き、本当にありがとうございました。

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遅ればせながら、関野アナ、ドラフト司会進行お疲れ様でした(笑)