野球観術

野球や組織論はいつだって愛情から始まる

個性と役割

 

現在、行われているプレミア12で、ソフトバンクから選ばれている周東と言う選手を見ていると、一芸に秀でた個性と言うものについて考えさせられる。

 

育成選手から、支配下登録を勝ち取り、侍ジャパンにまで選ばれると言う、いわゆる“シンデレラストーリー”だ。

 

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1軍では114打席で20安打、打率.196と決して実績のある選手では無いが、ソフトバンクと言う球団が、圧倒的な走力と言う個性を認め、それを戦力として日本一の原動力とした。

 

そう言った個性を認める組織はやはり強い。

 

今でも人気を誇る実況パワフルプロ野球と言うゲームがある。

 

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5年以上前になるが、僕はこのパワプロのサクセス(=自分で選手を育成するモード)で6チーム分の選手を作成し、それぞれのチームで早送りすることなく、自分でペナントをプレーしていた。

(とてつもない作業量とプレー時間だ)

 

当時はアイドルヲタクをしていたので、そのアイドルの名前を使って、選手を作成していた。

(今思うと、当時ユーチューバーと言う仕事があれば確実に実況動画を作成していたと思う程ハマっていた)

 

僕はその時に、オールA(全ての能力が最上級のランク)の選手を作成することが出来なかったため、個性のある選手をたくさん作成していた。

 

先ほどの周東のように、走力に秀でた選手(走力はもちろんAで走塁能力は全て持たせる)や守備固め専門の選手、最初は捕手として作成していたが、偶然にも打撃の特殊能力が備わった選手には内野を守れるようにして、レギュラーの道を探ったり、いろんな個性を持たせることが楽しみであり、作成した選手1人1人に愛着があった。

 

もちろん、能力が思うように伸びず、敗戦処理やビハインドの場面で投げさせる投手も、その存在を認め酷使したりはしなかった(笑)

 

この考えは、たかがゲームだが、されどゲームだと、思う。

会社の上司や、部活の監督、様々な組織と言われる上に立つ人間が、の個性を潰すと言うことは往々にしてある。

 

上司やリーダーも一人の愚かな人間ではある。

しかし、その個性に気付かないだけならまだしも、自分にとって不都合と感じると潰してしまうのだ。

 

個性を潰すもっともありがちなのは、その人間を“認めない”と言うことだ。

それは、仕事で言えばその人の特徴が故に成しえた成功や、犯してしまう失敗

そのことを何かにつけて認めない。

終いには、その人の意見を聞き入れないこと(最悪な場合、無視などの嫌がらせ)で、存在を消してしまう。

これを僕は“認めない”と言う表現をしている。

 

上司にとっては不都合なものに蓋をしているのだろうが、自分の組織が脆弱化していることに気付かない。

スーパーマーケットと言う仕事してきて狭い世界ではあるが、だいたい同じパターンで個性を潰している気がする。

 

僕自身もたくさんの人の個性を潰してきたかもしれない。

でも、自分自身の能力が低いことが逆に、他人に見えない個性を発揮させてあげることに繋がっていると思っている。

 

個性を認め、役割を与えていく、その役割で小さな成果を出したら、その成果の先を見せてあげる。

この繰り返しで、

人間は存在意義を自覚できると思っている。

 

昨今、“ホメ育”と言う、褒めて育てると言う風潮が出てきている。

僕は、この考えに基本的には賛成ではあるが、栗山監督は「褒めることが必要な時もあるが、そうでない時もある」と『稚心を去る』の中で述べている。

 

僕は、その個性を“認める”ことが最高の“ホメ育”だと思っている。

 

たかがゲーム、されどゲーム、僕が思う

 

認めること

個性と役割と育成について具体的に次回以降、野球の話を交えてしたいと思う。