野球観術

野球や組織論はいつだって愛情から始まる

福良監督の飲み物

 

コンビニに行って

「飲み物何が良い??」

と聞かれて、

「福良監督の飲み物」

と答えて、

綾鷹

が出てくる仲間が居ることが本当に嬉しい筆者です。

 

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そんな仲間はやっぱり全力で大切にしたいと思う

訳ですが、

 

今日はそんな

福良淳一 現オリックスバファローズGM(ゼネラルマネージャー)に関するお話です。

 

福良さんは2005年~2012年、ファイターズのコーチとしてチームを支えてくれた人だ。

2軍監督やヘッドコーチなどの要職も務められ常勝ファイターズの功労者である。

 

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僕がよくこのブログで取り上げる、栗山監督の著書『未徹在』の中で、こんな内容が取り上げられている。

長文につきお付き合い頂ければと思う。

 

福良さんは、それこそ何から何までやってくれていた。監督はきっとこう思ってるからこういうふうにしようとか、こういう準備をしておけば必ず監督は生かしてくれるはずだとか、いつも先回りして、知らないうちにみんな裏でやってくれていた。

こちら(栗山監督)は自分の好きなようにやっているつもりなんだけど、実は監督が好きなようにやりやすいように、用意周到に整えてくれている。だから、基本的に「ノー」とは言わない。こちらの言うことに「イエス」と答えて、「イエス」になるように作業をする。あるいは、すでに準備している。

今になって感じることだが、ああいう人のことを「右腕」と呼ぶんだなとつくづく思う。

 

ただ、ある日、試合中に「ノー」と言われたことがあった。外野手に前進守備を指示した場面、「センターだけは定位置に下げてほしい」と伝えたら、(福良ヘッドは)「監督それはダメです」と拒否された。絶対にダメというものは、福良さんの中にもあって、「センターだけを後ろに下げると選手たちを迷わさせてしまう、それはダメ、どっちか(外野全てを定位置か前進守備)にしましょう」と譲らなかった。

(中略・・・栗山監督はセンターに打球が飛ぶ気がしていたが、福良さんを説得する根拠は無かった)

結果を言うと、僕(栗山監督)の勘は正しかった。打球は前進守備のセンターを越えて、それが決勝点になった。監督の勘と言うのは意外と当たる。誰よりも一番勝ちたいと思っているから、第六感みたいなものが働きやすいのかもしれない。

ただ、それではダメだと言うこともよく分かった。

結果ではなくプロセス、的中率の高い勘よりもみんなを納得させられる根拠が、組織を動かしていくためには重要だと言うことを(福良さんから)学ばせてもらった。

 

上記本文抜粋

 

僕はこのページに“しおり”を挟んでいる。

職場も含め、組織・グループに属するとき僕はこのことを忘れてはいけないと肝に銘じている。

トップの立場としても参謀の立場としても、やっぱりここに行きつくものと思っているからだ。

 

新型コロナウイルスに対する、政府の対応に批判が集まるが、この一幕から学ぶこともあるのでないかと思う。

 

ただ、

それはトップが“しっかりと決めることが出来る人”と言うことが“絶対条件”なのだが

僕は福良さんのこのエピソードが参謀としての生き方の指針となっている。

 

その副作用と言ったら語弊があるかもしれないが、決める立場にある人に対しては、いくつかの選択肢は用意して判断を仰ぐようにしているが、

それに対して“反応しない”ことを何よりも嫌う生き物になってしまっている。

 

僕が持っている選択肢を使わなくてもいいし、別の選択肢があるのであれば、その選択肢に沿って最善を尽くすのだが、

“反応しない”と言うのが一番ストレスになる。

 

人間は“分からないことにストレスを感じる”と言うことを最近強く意識させられている。

多少間違っていても、進む方向(なすべきこと)が分かっていれば、意外とストレスは少ない。

 

最近分かったことだが、“反応しない人”に限って、目標点のギリギリになって、よく分からない選択肢を持ってくる。

栗山監督も上記のシーンで述べているが、そういった的中率の高い勘が正解であることも多い。

 

的中率の高い勘でうまく行くことと、

回りを納得させられる根拠が結果として間違っていること

の、どちらが良いかは、好き嫌いなのだと思う

(これは少し考えてもらえれば理解してもらえると思う)

 

百発百中の勘が存在したとしても

“判断すること・先導すること・共有すること・説明すること”

の方が組織としては大事で、新型コロナウイルスの件を見ていればお分かり頂けるかと思う。

 

僕は、結果が間違っていても、みんながある程度納得する根拠があった方が良いと思う派だ。(これが好き嫌いと言うやつだ)

 

だから、選択肢や根拠に拘(こだわ)る。

逆に、(組織の中で)この人には納得してもらえないから、“納得してもらわない”と言う選択肢も当然ある。

 

それを決められるかどうかが大切なことなんだと思う。

(納得はしてもらえなくても、説明はできると言う状態にはなれる)

 

この福良さんの項目の次には、厚澤コーチの話が出てくるが、

これは現在、新型コロナウイルスの対応に関して、大阪府(吉村知事)がやっていることと同じ内容のことが書いてあってビックリした。

 

ぜひ、手に取って読んでみてはいかがでしょうか?

 

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栗山監督が“ファイターズと言う現場のトップでよかったな”と感じて頂ける一冊だと思います。

 

このブログを書いていて、職場やプライベートにおいて、改めてこの考えで仲間を大切にしていきたいと思いました。

長くなってしまいましたが、長文にお付き合い頂きありがとうございました。