野球観術

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西川遥輝 ポスティング不成立

 

新型コロナウイルス感染拡大に際し、東京都の小池知事(と隣県)が政府に“緊急事態宣言”の要請を行うも、盛大に無視されるのを見て、因果応報と言う言葉が頭をよぎり、新年早々襟を正す筆者です。

 

さてさて本題です。

ポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指していた、西川遥輝が日本時間の3日午前7時に契約合意に至らず、不成立となった。

 

まぁ様々なご意見がありましょう。

 

ただ一つ言えることは、西川本人にとっては挑戦したことに意味があって

今後、ファイターズに残留することが濃厚だが、彼の挑戦がここで終わったわけでは無いと言うことだ。

(今年、海外FA権を取得する)

 

メジャーリーグの事情は全く分からないが、このコロナ禍の逆風で、状況を一段と厳しくしたことは事実としてありそうだ。

 

ただ僕にとって、ダメだった理由には一切興味が無くて(もちろん、長打がなかったり、弱肩だったり並べることはできる)

 

「じゃあ今年、ファイターズでどうやって過ごす?」

 

と言う点に興味がある。

 

西川の立場からすれば、残念な気持ちでいっぱいだろうが、このプレースタイル・数字ではメジャー移籍が厳しいと言う結果が出たわけで、挑戦自体は、そう言ったデータが取れたことで成功とまで言わないまでも、彼にとっての前進は大きくあったと思う。

 

そこで、吉村GMや栗山監督と、

「プレースタイルを変えるのか、今のスタイルをブラッシュアップするのか」

と言う話し合いはして欲しいなと思う。

 

と言うのも、

来期の移籍を目指すにあたって、西川の考えとチームの考えが異なってしまっては双方にとって不利益にしかならないからだ。

海外FAの場合、ポスティングとは異なり、移籍する選択肢は広がる。

西川にとってはラストチャンスに近い。

 

それをものにするために考えていることはあると思う。

 

そこを一致させることで、起用法やチームとしての戦い方が良い方向に進むのであれば、お互いにメリットがある。

 

具体的に言えば、昨季の西川のOPSは.825で近藤の.934に次ぐチーム2位だ。

内訳はこうだ。

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プレースタイルを変えると言うのは、長打に特化した選手を目指すのか?

今のプレースタイルをブラッシュアップすると言うのは、出塁率を.500近くまで出せる選手になるのか?

と言うことに言い換えられると思うが、正直言えば、どちらも全然ありだと思う。

 

彼のプレースタイルは、プロ野球の世界で生きていくために確立したプレースタイルであり、自らの走力を生かす一つの選択肢として磨き上げてきたものだ。

 

それをアメリカ式に変えていくと言うのは自然なことであり、それがチームの方針に沿えば挑戦したら良い。

 

ファイターズは現在、極度の長打力不足で、それを解消するために西川の力を使うこともありだ。

 

若いころのように三振は増えるかもしれないが、スイングスピードも速く、しっかり捉えればスタンドに持っていく力はある。

 

それをどのポジション(打順)で生かすかだが、僕は一昨年くらいから、1番大田、2番西川の1、2番コンビを提唱しているが、これは現状の西川のプレースタイルとチーム力を生かすためのもので、6番あたりで長打の打てる選手として使うのも面白いと思う。

 

こんな好打者を下位の方で使うのはもったいないと思われるかもしれないが、昨年のファイターズは7番以降がからっきし打てなかった。

 

こうなると、否が応でも6番打者は長打を狙いたくなる。

4番、5番が返せなかった走者が塁上に残っているケースは大いに想定できるが、

「ここに西川が居たら嫌だな」

とバッテリーに思わせることが出来る。

(現に打率.306 得点圏打率.358のバッターな訳だし)

 

それにいつかは、1番センターは抜ける。

(それがメジャー移籍なのか、国内移籍なのかは分からないが…)

 

ファイターズはそこの選手を育てなければいけない。

それが、ルーキーの五十幡なのか、1番像を根底から覆すような選手を起用するのか、どちらにしても西川がメジャーへの夢を持っている限り、その可能性は常に隣り合わせなのだ。

 

ファイターズと言う球団が、西川の夢を後押しするならば、こう言った発想も有りなのかなと思うし、ポスティングによる挑戦がそう言ったきっかけを与えてくれたと感じられるかどうかが大切だと思う。

 

僕はそう言った挑戦を前向きに見守っていきたいと思う。

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