野球観術

野球や組織論はいつだって愛情から始まる

体温を感じたい

昔、営業の仕事をしている時に、商社を介さないとお客さんに会えないと言う状況になったことがある。

勝手に会いに行けば、商社の担当の営業は激怒、逆に会うことを諦めれば、商社の思う壺になってしまう。(この時の仕事は、同じ商社が敵になったり味方になったりするような仕事だった)

若かった自分は、商社の担当の営業にすがって会えるようにお願いするも、頑なに拒まれる。

どうにもならなくなり、上司に頼んでその担当営業の上司に電話をしてもらって、

その中で

「温度感と言うか(お客さんの)体温を感じられるとありがたいのですが…」

と言う言葉が出てきた。

僕自身の引き出しの無さを痛感するのと同時に、言葉のチョイスがすごいなと感激したのを覚えている。

 

恋人でもやっぱり離れて、電話やLINEをするよりも実際に会って体温を感じられることが大事…

って言うのはいいとして、今日は恋愛の話では無く(笑)、交流戦が2カード終わって感じたことを記述しようと思う。

 

交流戦の初戦、ヤクルト6-7×日本ハムの試合終了後に栗山監督のコメントの中で

Q.交流戦初日を戦って
「相手の状況やデータを確認しながらの試合となるが、しっかりと覚悟を持って戦っていかないと、うまくいかないと感じた1日だった」

Q.引き分けを挟んで7連勝
「今日の試合もいろいろと課題があり、たまたま勝った。前に進むために、もっともっとやるべきことをやっていかないといけない」

 

この時、ヤクルトは16連敗を脱した次の試合、日本ハムは引き分けを挟んで6連勝中と対照的なチーム状況であった。

 

しかし蓋を開けてみると、上沢がヤクルト村上に先制本塁打を浴びて、日本ハムは4回には1イニングで3失策を犯し、序盤はチーム状況とは裏腹に劣勢に立たされる。

 

中田の2本の本塁打で劣勢を跳ね返し、サヨナラ勝ちを収めるも、監督にとっては「たまたま勝った。」と言うように映ったのだろう。

 

僕が注目したのは、「相手の状況やデータを確認しながらの試合となるが、しっかりと覚悟を持って戦っていかないと、うまくいかないと感じた1日だった」と言う部分だ。

 

リーグ戦とは異なるチームと対戦する中で、自分達と相手との温度感と言うのは実際に試合の中で対戦してみないと分からないことが多いと監督が痛感したのだと思う。

その上で勝ち切る覚悟が必要であると…

まさに“体温を感じる”と言うことなのだろう。

 

連敗をしないことを考えると、カードの初戦は大事と思うが、勝ち負け以前にお互いの体温を把握することの大切さみたいなものは大いにあると思う。

 

交流戦前のチーム状況、相手チームのデータをしっかり把握していても、自分たちの気持ち次第ではいくらでも状況が変わってくると言う、4日のヤクルトとの試合は象徴的な内容だったのかもしれない。

 

全体を見てみると2カード終わった時点で、広島が2勝4敗と交流戦前の状況から見れば、苦戦していると感じるし、オリックスは3勝2敗で4位とリーグ戦の状況を考えれば健闘していると感じる。

 

下記で紹介するが、オリックス交流戦に入って今までの守乱が嘘のように、失策数がゼロなのだ。

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そして日本ハムには気になる数字があって

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交流戦に入ってからの失策数が非常に多いことだ。

 

チーム内にも温度感と言うのはもちろんある。

味方のエラーは投手をシラケさせる。

投手がフォアボールを連発して、失点を重ねれば、もちろん野手はシラケてしまう。

 

今の日本ハムは勝ちが先行しているが、このエラーが重なる状況は早く食い止めたいところだ。

 

体温の話ではないが、12日(水)日本ハムはドラフト1位ルーキーの吉田輝星投手がプロ初先発の予定だ。

球場はもちろん熱を帯びてくるだろうし、吉田輝星本人も気持ちの高ぶりはあるだろう!

昨年、かなのーフィーバーを巻き起こしたスターは強力な広島打線に立ち向かうことになる。

前日の11日の試合で先発の上沢、マスクを被るキャッチャー、野手、ベンチ、が、お互いの温度感をしっかり感じ取り、満を持してルーキーの登板を迎えさせてあげたいものだ。

 

本題からは逸れるが、吉田輝星の注目点としては、しっかりベース板の上にストレートが投げられるかがポイントになる。

指先に引っ掛けてしまうよりも、まだ高めに抜けているくらいの方が彼らしい。

それでも打ち取れてしまうくらいの真っすぐを持っている。

プロの世界は変化球を含めた総合力が高くなければ打者を打ち取ることは難しいが、まずはストレートをベース板の上に投げる、そして独特のマウンド裁きとも言える投球テンポで打者に向かって行って欲しいと願うばかりだ。

ファームでは、去年の甲子園で披露した流れるような投球フォームは見れていないが、頑張って欲しい。

 

くれぐれもつまらないエラーでルーキーの“体温が”冷めることのないように祈って、今日の更新としようと思う。

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(特集)運命の交流戦 ㊦

 

 

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saiyuki6.hatenablog.jp

 

 

saiyuki6.hatenablog.jp

 

 

引き続きです。

 

㊦は2019年の交流戦の展望です。

 

ここで交流戦は普段と何が違うのかを前提として見て行く。

根拠となる数字がある訳では無いが、

一番大きいのは“普段対戦しない投手と対戦すること”

だ。

スコアラーからの情報である程度のことは打者の頭にデータを入れることが出来るが、それはあくまでもデータでしかない。

 

㊤でも記述したが、こうなるとチーム力やベンチワークで相手投手を攻略して行くことが重要になってくる。

いつかのブログでチーム力は打力や投手力で推し量る事が多いと記述した記憶があるが、今回は総合力、打つ投げるだけでなく、バントやエンドラン、牽制球や守備シフト、走塁なども大きな要素となってくる。

 

そこへ、相手投手を攻略したり、劣勢を跳ね返したりするためのベンチワークがさらに重要となってくる。

 

僕が個人的に思うのは、普段対戦しない投手と対戦すると言うことは、相手チームが勝利の方程式に入ったら打つことが普段のリーグ戦以上に困難になると言うことだ。

 

GAORAの解説で侍ジャパンコーチの建山義紀さんは

「自分のチームが劣勢の(負けている)時、相手の中継ぎ投手のレベルがイニングを追うごとに高くなってくることを考えると逆転することは難しくなっていく。」と言う話をしていた。

 

これは交流戦ではさらに顕著になると思われる。

普段対戦しない、特に勝利の方程式を担うような投手を1回で捕まえるのは非常に難しい。

 

なので、

1つ目のポイントは“先発投手をしっかり捕まえること”だと言える。

これも普段対戦する投手では無いにせよ、基本的には2~3回りあり、1人1人の打者では無く打線として捕まえに行くことができる。

もちろん能力の高い打者がしっかり捕まえてくれることに越したことは無いが、投球フォームが合わなかったり、ボールの軌道が特殊で打ちづらいことも想定される。

それを総合力とベンチワークで捕まえることが最も勝利に近づけるのではないかと思う。

 

もちろん自軍が、そんな投手と対戦することになれば、味方の守りも総合力をもってして、最小失点でいく必要がある。

 

もう一つは、交流戦で命取りになるのが連敗をすることだと考えると、どうしても別の意味で劣勢を跳ね返さなければならない。

いわゆるスイープされてしまう状況になった時、ベンチワークが問われる。

前日の流れを断ち切るために、積極的に動くのか、チームの力を信じて普段通り戦うのかと言う選択を迫られる。

 

なので

2つ目のポイントは負けゲームを無駄にしないことだ。

18試合、同じチームと対戦するのはわずか3試合だ。

切り替えが出来なければ、あっという間に連敗で、他チームとの差が出てしまう。

そこでやはりチーム力とベンチワークが問われるので㊤で更新した内容が交流戦前にしっかりできているチームは良い成績を残せるのではないだろうか。

 

 

そんなことも踏まえガチで交流戦の順位予想をしてみました!!

 

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※同率は考えません…

 

やはり圧倒的なチーム力のソフトバンクが優勝の大本命!

多くを語る必要な無いかと…

 

そしてロッテの2位は、松永の故障は計算外だが、後ろがしっかりしていて、意外と総合力が高いチームと言うこと、番狂わせがあると感じさせるためだ。

 

広島は今の流れから行くと、多少の苦戦はあるにせよ、しっかり勝ちきる力がある。

特にDHが使えるようになると更に攻撃力が上がる可能性を秘めており、アドゥワを後ろに回したことが非常に不気味だ…

 

日本ハムはここまでの連勝の流れと投手力を考えると、上位には食い込んでくると思われる。心配なのはDHの絡みで中田・清宮・王柏融・近藤の守備位置が流動的になることだ。

交流戦を想定して手を打ってきたことがどこまで結果に繋がるか…

 

楽天セ・リーグ相手にも打ちまくる予想で、後ろの投手も森原・宋・髙梨・松井としっかりしているのでこの順位予想。普段対戦しない投手に沈黙してしまうと、今の防御率では苦しい戦いになることも想定される…

 

阪神はチーム状態が上向きで、糸井・福留の故障が痛手だが逆にこれが功を奏するのではと予想している。今の順位に居るのは後ろの投手がしっかりしているからであり、若手の活躍で接戦に持ち込めば交流戦で広島に食い下がる可能性も考えられる。

 

西武は、楽天同様に打ち勝つ能力はあるものの、やはり後ろの投手に難がある。

昨年も今年もレギュラーシーズンでこんなことを言ってきたが一向に落ちる気配が無いのがなんとも言えないが、基本は投手を中心とした守りの野球が基本と言う考えなので…

 

DeNAは本当に個々の力は高い!投手しかり打者しかり、1人で状況を打開できる選手が多い。チームとしてはあまりよく無いためこの順位予想だが、潮目が変わる交流戦で台風の目になれる可能性もある。

 

巨人は坂本が絶好調で打線をけん引しているが、やはり投手力で見劣りする。

㊤で述べたが表の顔(圧倒的な打力で打ち勝つ)と裏の顔(中継ぎが打たれる)でどれだけ表の顔が出るかで貯金の数が決まる気がする。

 

ヤクルトは16連敗を脱したものの、もともと交流戦は苦手としている上にチーム状態は決して良いとは言えない。連敗前の中継ぎの酷使と連敗脱出のために崩れたチームの形を取り戻すことが出来るかがカギになりそうだ。

 

オリックスはまずは失策病をなんとかしないと…投げる打つ以前の問題だ。

しかし、走力や投手力パ・リーグでも屈指のものがあることを考えると、交流戦で状態を上げることは可能なチームだ。

 

中日は、高橋周が好調でチームを引っ張っているが、序盤に数字が良い中で抜け出せなかったツケが交流戦まで来てしまっていて、パ・リーグ相手にそれが出てしまうと予想され、この順位予想だ。

ただビシエドの爆発や、大野奨太パ・リーグをよく知っているだけに不気味な存在ではある…

 

 

果たして、みなさんはどんな予想をされただろうか!?

 

ファイターズファンの僕としては、交流戦はヒヤヒヤものだ。

常にソフトバンクの存在があり、ゲーム差をつけられてしまうとひっくり返すことが難しくなる。

下手をすると他のパ・リーグのチームに引き離されてしまう可能性も孕んでいる。

 

交流戦がいかに重要なのかを考えれば考える程、ファンとしては心配なものだ。

 

ただ、純粋に野球ファンとして、ファイターズのファンとして、交流戦は楽しみなものだし、期待をして応援したいと思っている。

 

今回は特集と言う形で交流戦について書いたが、リーグ戦が再開される時に、どのような順位になっているだろうか!?

 

長い文章にお付き合い頂きありがとうございました!

 

(終)

(特集)運命の交流戦 ㊥

 

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前回の続きです。

 

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㊥では過去の交流戦の成績について!

 

㊤ではシーズンのここまでの流れを記述したが、何分にも交流戦は潮目が変わる期間でもあり、別の野球の流れができる戦いでもある。

 

過去14年間では

パ・リーグ1044勝、セ・リーグ920勝 56の引き分けとなっている。

 

今回は、18試合制度になった過去4年間に絞って成績をピックアップしてみた

理由は、連戦の組み方で戦い方が異なってしまう事、チーム状況が過去5年くらいの方が顕著に出やすいかなと言う理由だ。

 

みなさんのごひいきチームはどのような成績でしょうか!?

データは過去4年間の累計の勝敗と勝率でソートした形にしている。

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やはり、パ・リーグのチームが上位にきているのが分かる。

3連覇している広島は安定した戦いでセ・リーグで唯一勝ち越している。

逆に言えば、広島以外は負け越していると言うことでもある。

 

次に、各チームの年度ごとの戦績を見てみる。

 

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※昨年のレギュラーシーズンの順位に沿った順番で出しています。

データの順位は交流戦の順位です。

たまには手作りのデータも良いかなと思いましたが、見辛かったらすいません…

 

交流戦で5位~6位で勝率.500前後と大きな偏重は無く推移していて、4年に3度最高勝率を獲得しているソフトバンクは累計でも年度ごとでも、圧倒的な強さを伺い知ることができる。

 

過去4年ではあるが、勝率でソートした時にこんなに顕著な数字が出るとは思わず、驚いた部分もある。一昨年は僕自身が交流戦を全く見ることが出来なかったこともあるが、パ・リーグの力はやはり本物なのだと感じた。

特にファイターズは最近の交流戦であまり強さを感じた印象はなかったが、同率で2位と安定した力を発揮していた。

 

楽天は昨年の交流戦で躓いたことが、最下位の大きな原因とも言えるが、この年の成績が.500前後であれば累計の順位ではかなり上になった(交流戦に強いと言うこと)のではないか。

そして、パ・リーグで常にクライマックスシリーズに出てくるチームは交流戦でも高い勝率であることが分かる。

 

セ・リーグでは交流戦を苦手としていたヤクルトが昨年、最高勝率に輝きレギュラーシーズン2位と言う結果を残した。

昨年のセ・リーグの場合ヤクルト以外全てのチームが交流戦で負け越したため、大どんでん返しが起きた。

 

パ・リーグの場合は勝率.500前後からどれだけ貯金を上積みできるか(逆に借金を作らないか)、

セ・リーグの場合には他チームが苦戦している中、どれだけ大きな上積みができるかが大事、と言うのが過去の数字から読み取れる。

逆に言えば、パ・リーグ交流戦で上位から引き離されないこと(下手すると奈落の底に落ちる)、セ・リーグは1発逆転のチャンスが大きいと言うことでもある。

 

この章ではデータの抽出に時間を要してしまったため、文章が奥行きの無いものになってしまったが、読んで頂いているみなさんが、上記のデータを見て何かを感じて発見があったとすれば、それが一番幸いである。

 

最後=㊦は2019年の交流戦の展望について↓。

 

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(特集)運命の交流戦 ㊤

 いよいよ、明日から“日本生命セ・パ交流戦2019”が始まります!

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筆者はシーズン前から、このブログでGW後から交流戦にかけての戦いが、非常に重要であると言い続けて来た。

監督、選手、評論家、ファン、ほとんどの人が交流戦の重要性を説いている。

これだけ何回も何回も

交流戦交流戦!」

と言ってきたのだから、それなりの更新をしたいと言うことで、

 

そんな重要な交流戦について今回は㊤・㊥・㊦に分けて

 

㊤は今シーズンのここまでの各チームの戦い

㊥は過去の交流戦の成績

㊦は2019年の交流戦の展望

 

更新をしていこうと思う。

 

 

 

㊤:今シーズンのここまでの各チームの戦い

 

まず、各リーグの順位表から

スポナビさんの順位表が分かりやすかったので拝借しました。

 

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セ・リーグは、

広島が序盤に大失速と言う予想外の展開。田中広輔の不調と巨人に移籍した丸の後釜として3番が固定できない状態が打線の繋がりを欠く形になり、投打のバランスが崩れる。守備の失策も目立ち、カープらしさは鳴りを潜めていた。

しかし、1番に野間、3番に調子の上がってきたバティスタを固定してからは破竹の勢いで、最大8つあった借金が今や貯金13。

本当に力のあるチームであることを証明した。

 

中日が4月はチームの打率・防御率ともにトップだったものの、飛び出すことが出来ず、5月に入ってからは、ずっと借金生活でマイナス6。

広島と違い、チームとして勝ちを拾うことが出来ない状況が続いたことがやはりチーム力なのかと思う。

 

逆に4月に苦しんだ阪神はベンチワークが功を奏して、中継ぎ陣の安定を機に、じわじわと順位を上げ、貯金5で2位につけている。

それとは対称的に、DeNAはベンチワークが全く機能せず、個の力が高いにも関わらず、借金は最大11にまで膨らんだ。しかし交流戦突入時には借金6まで回復した。

 

そして、昨年クライマックスシリーズファーストステージを戦った、巨人とヤクルトはと言うと、巨人は巨大戦力の打撃陣と課題の中継ぎ投手の表の顔と裏の顔が交互に出てきて、貯金4の3位。

ヤクルトは交流戦前に16連敗と言う悪夢とも言える連敗を経験し、最大6つあった貯金は借金10…

この両チームは同じくらいのチーム力と見ているので、明暗が分かれたなと感じる。

 

セ・リーグで僕が感じた流れはこんなところだ。

 

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パ・リーグはと言うと

各チーム、故障者が続出…

特にソフトバンクは数えきれないほどの故障者が出て、柳田、中村晃を始めとする攻撃の核とも言える選手を欠いてここまで戦った。

投手は昨年活躍した岩嵜、昨年に続いてサファテが戻って来れない状態が続いたが、ルーキーの甲斐野や泉が奮闘し投壊は免れた。

首位をひた走って来たが、最大9あった貯金は2に減って3位で交流戦へ。

しかしこのチーム力は、やはり日本のプロ野球では群を抜いている。

 

首位で交流戦に突入する楽天は、則本昂、岸と言う両輪を失った状態でシーズンをスタート。

打撃陣が機能して、ソフトバンクには7点差、日本ハムには8点差をひっくり返すことに象徴される“逆転のイーグルス”を演じた。現状は貯金6つと番狂わせのチームだ。

 

日本ハムは、打線では清宮、投手ではマルティネスと言う今年頼みにしていた選手が故障。

序盤はチーム打率が.200前半を行き来し、ショートスターターなどで投手をやり繰りして、勝率.500をなんとか維持しながら戦い、清宮の復帰後チームは上昇気流に乗り、貯金3で交流戦に突入。

 

下記3チームは大きな故障者は出なかったが、

 

西武は、昨年以上に不調の投手陣に加え、浅村の移籍の穴と、4月は秋山が絶不調であったことが影響し、借金生活が続いたが、昨年本塁打王の山川が安打数を上回る打点数で4番として打線を引っ張った。

秋山が復調し、不安な投手事情をカバーする形で貯金1をもって交流戦に突入。

 

ロッテは、日本ハムから移籍のレアードが大爆発するも、先発投手陣が崩壊。

ここでベンチワークが生きて、1番に荻野貴を据えて、打線として機能し始めると、中継ぎも唐川、松永、西野、益田の方程式が出来上がり、中継ぎだった種市を先発に回し3連勝と投打が噛み合い始め、最大あった6つ借金は1となり交流戦に突入。

 

パ・リーグの借金を丸抱えするオリックスは、若手投手陣の好投をふいにする貧打と、リーグダントツの失策数42で、投手陣の足を引っ張った。

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これは酷い…(小声)

 

交流戦前に借金11は12球団最多だ。

 

よく、交流戦前までは勝率.500を維持し、そこから一気に抜け出したいと言うコメントを多く聞くため、貯金と借金の数、チームのストロングポイントやウィークポイントを中心に流れを見てきた。

 

交流戦では連勝・連敗が運命を大きく分ける。

特に、普段対戦しないチームと対戦することDHの有無、球場も相手リーグホームの場合には不慣れな環境になる。

それを考えると、どうしてもチーム力、ベンチワークがモノを言う

 

セ・リーグでは絶好調の広島と、矢野監督を中心としたベンチワークで交流戦前までに形を作った阪神が、良い流れで交流戦に入れるのではないか、

 

パ・リーグオリックス以外、勝率.500前後と目論んでいた通りに交流戦前に着地をした。

実力で圧倒的に上回るパ・リーグ各チームがセ・リーグに牙を向く絵図が出来上がったと言える。

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※いつのまにか日本ハムがチーム打率1位に(笑)

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※西武と楽天はずっと防御率4点台なのか…
 

さてさて各チーム、今のチーム状況をもってどのような戦いを繰り広げてくれるか!

㊥はそんな過去の交流戦の数字を見て行きたいと思う。↓

 

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勘違いや他力本願でもえぇんちゃうかな

 俺はカッコよくて女の子にモテモテ!

仕事もできて完璧な男だ!

それなのに彼女もできないし、良い仕事が回って来ないくて、日の目を見ないのは、周りが俺を見る目が間違ってるからだ!

 

この勘違い男の僕は幸せそのものだと思いませんか?

 

何も僕の自慢話がしたい訳では無く、皆さんも気になっているヤクルトの15連敗の話です。

「どうしたら勝てるのか?」「どうしたら連敗が止まるのか?」

冷静に考えれば考える程、深みにハマっていくような気がする…。

(冷静に考えたら上記のような勘違い男にはなりませんね(;^_^A) 

 

下記は、ある記事をコピペして追記したものです。

5月14日(広)マツダ原樹理 4-9 /2位
5月15日(広)マツダ●中尾輝 7-9 /3位
5月17日(De)神宮●小川泰弘 3-4 /3位
5月18日(De)神宮●石川雅規 6-11 /3位
5月19日(De)神宮●高梨裕稔 0-7 /3位
5月21日(神)甲子園●原樹理 2-3 /4位
5月22日(神)甲子園●ハフ 2-3 /4位
5月23日(神)甲子園●マクガフ 0-1 /4位
5月24日(中)神宮●小川泰弘 1-6 /4位
5月25日(中)神宮●石川雅規 3-10 /5位
5月26日(中)神宮●高梨裕稔 8-10 /5位
5月28日(広)神宮●原樹理 7-8 /5位

5月29日(広)神宮●高橋 奎二 3-5 /5位

5月30日(広)神宮●小川泰弘 0-13 /6位

5月31日(De)神宮●ブキャナン 2-3 /6位

 

こう見ると、本当に長いトンネルに入っているなと思う…

 

5月12日には貯金が5つあったにも関わらず、借金は10になり坂道を転げ落ちるとはまさにこのことだ。

 

15連敗中、先発投手に負けが付いている試合が12試合。

こう言う時には何かに原因を求めたくなる所だが、実際には7・8回の失点も多く、先発投手の責任とは言い難い。

方や打線はと言うと、15連敗中48得点と1試合平均3.2得点を奪っている

もう少し得点が欲しいと言う方も居ると思うが、決して貧打が負けに直結しているとも言い難い。

 

個人的には、4月から5月にかけてヤクルトの調子が良かった時に、先発投手を早々5回・6回で降ろして逃げ切りを図る勝ち方のしわ寄せが来たとは感じているが、過去に時間を戻す訳にも行かず、毎日試合は続いていく。

 

選手が一生懸命やろうとすればやろうとするほど、するりと勝ちが逃げていく。

神も仏もあったものでは無い。

田畑投手コーチの顔が日に日に引きつっていくのがなんとも言えないが、投手が失点するときは打者が打たないといけないし、打者が打てない時には投手が抑えないとチームは勝てない。それが野球と言う相手より1点多く取ったチームが勝ちと言うスポーツだ。

 

しかしこうなってしまった以上、逆に“勘違い”も必要なのではないかと思う。

「チーム状態は悪くない!」

打者は「俺たちは打っている!」

投手は「俺たちはしっかり抑えている!」

 

10点取っても負けることもあるし、1点しか取れなくても勝てることはある。

そこに内容もへったくれも無いのである。

 

それで良いのでは無いか!

何か起爆剤やきっかけを求めてしまうため、打順を動かしたりして突破口を開こうとする。

監督の心理としては動くことで打開策を探るのは当然だが、ずっとAクラスに居たチームな訳だからなにもこの場に及んで、何かを変えなくてもと言う開き直りも必要な気がする。

 

このまま交流戦までに連敗が止まるかは分からないが、他力本願で相手のとんでもないエラーが決勝点で連敗脱出になるような気がする。

 

 

 現に日本ハムは5月26日の西武戦で、相手(中村剛也)のエラーをきっかけに逆転して連敗ストップ。

 

その次の28日のロッテ戦では2つ(中島卓・王柏融)のゲッツー崩れで勝ち越し点を奪い勝2連勝。

 

29日の試合は、前日ゲッツーを取り切れなかったロッテの二遊間(中村奨・平沢)が反省を生かそうとするも、中村は清宮の何でも無いセカンドゴロを丁寧に行き過ぎてエラー。

その清宮が二塁に進塁し、西川の遊直で帰塁の遅れた清宮を刺そうとした平沢が至近距離のセカンドベースに剛速球を投げてしまい悪送球、清宮が生還しファイターズは同点。

再び勝ち越されるも、田中賢介の起死回生の逆転ツーランで試合を決定づけて3連勝。

 

その翌日(30日)は、有原の完封投球に4番中田の1発、清宮の球団通算8000号のメモリアルアーチが飛び出し快勝。連勝を4に伸ばした。

 

31日のオリックス戦は、牽制悪送球、ファーストのエラー、押出四球、犠牲フライ、で4点を取って加藤の7回0/3までノーヒットピッチングで勝利し5連勝。

 

この流れを見ていると、チームの調子が良いと言うより、相手のミスからチームの状態が上がってきたように見える。

特に29日の田中賢介の逆転ツーランから一気に自分たちの力が結果に繋がるようになった。

ファイターズは力のあるチームだ。相手のエラーもゲッツー崩れも全力疾走からもらったご褒美のようなものだ。野球の神様はそういうものをしっかり見ているものだと信じたい。

 

話はヤクルトに戻るが、こんなことがきっかけでチームの調子があがってくることはある。

野球は、ボールが得点になるスポーツでは無く、走者が本塁に帰る事によって得点になるスポーツだ。

この原点が連敗脱出のヒントなのかもしれない。

それが全力疾走と素早い攻守の切り替えなのだと僕は思う。

打順を変えたり、エンドランなどの作戦よりも、まずは気持ちの良い野球しよう!

時には勘違いをして開き直って、他力本願でも良いのではないか!?

 

交流戦まで、あと2試合!

流れが変わる潮目だけに、野球の神様に見放されないようしたいですね!

 

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※全力疾走で野球の神様に愛された稲葉さんです。

リスペクト(=敬意)をもってしでかす

最近、栗山監督シリーズばかりですいません…

 

ファイターズファンのみなさんは昨年のクライマックスシリーズの悔しさをまだ覚えているだろうか?

 

優勝を逃し、3位から日本一を目指して福岡に乗り込み、エースの上沢を立てた。

近藤のホームランで先制するも、あれよあれよと言う間にデスパイネ満塁本塁打を浴びて、シリーズの流れを完全にソフトバンクに渡してしまった。

 

3戦目まで持ち込んだものの所沢を経由して、札幌に帰ることは叶わなかった…

 

標題の「リスペクトをもってしでかす」と言うのは、優勝チームの西武、クライマックスシリーズファーストステージで戦うソフトバンクに対して、敬意を払いどんな結果でも受け止める覚悟が、下位チームの使命だと栗山監督が著書の『稚心を去る』の中で書いている内容だ。

 

その項目の中で、「奇襲は、普通に戦っていたら勝てないから奇襲なんだ。」と言う、野村克也さんの言葉を引用していて、

「大博打を打ってもいいから“しでかしてやる”と言う気持ちで戦った方がきっと面白い試合になる。」

栗山監督はその気持ちでシリーズに臨んだ。

しかし、ソフトバンク相手に“しでかす”ことは出来なかったが、この考え方は野球だけでなく仕事や組織論に通じることでもあると思う。

 

 

みなさんはゴロGOのギャンブルスタートと言う言葉をご存じだろうか?

野村克也氏がヤクルトの監督の時に西武との日本シリーズの際に、奇襲作戦の代表として挙げるものだ。

日本シリーズでの緊迫した試合。

状況は1死満塁。三塁走者:広澤克己選手がボテボテのゴロでホーム封殺されたことがきっかけで、ゴロが転がった際にベンチから「ギャンブルで良いからスタートを切れ!」と言う指示を出すことの重要性を強く感じたと言うのが発端で、ギャンブルスタートと言う言葉が生まれた。

 

これは無死(もしくは一死)三塁の場面でよく使われる。

相手は前進守備、ゴロが転がって普通にバックホームすれば、アウトになってしまうタイミングでもギャンブルスタートを切れば、内野ゴロでも貴重な1点をもぎ取ることが出来る。

もちろんライナーで飛び出してアウトになったり、ホームで憤死する可能性も高いとてもリスクのあるプレーである。

 

 

そう言う作戦こそ、対戦相手に敬意を持った(=相手の強さを認めた)上で、作戦を実行する。

「普通にやったら勝てない、“しでかしてやる”」と言うことなのだろう。

野球で実力差を推し量る時、打力や投手力が前提になる。

しかし、基本的には走塁や守備で奇襲作戦を行うことが多い。

先ほどの、ギャンブルスタートや重盗、守備では※ブルドックシフトや牽制のサインプレー。

※ブルドックシフト=相手が送りバントを試みる際に一塁手もしくは三塁手またはその両方が極端にチャージしてくること。

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そんな作戦を実行するチームに対しては、「なにかやってくるんじゃないか!?」と思わせることができる。

相手に執拗なプレッシャーをかけることが出来るし、ミスを誘発することにも繋がる。

 

これを僕はよく仕事に転用していた。

もちろん、1年に何回も使える訳では無いが、サラリーマンをやっていると、自分の立場が脅かされることが年に何回か訪れる。

 

上司との力関係や、部下との能力差を考えて、明らかに自分(達)が劣っていると感じる時や、普通にやっていたら状況を打開できないと感じたときには“しでかしていた”

栗山監督の言うように、うまく行くのはやっぱり、力関係をしっかり理解し、相手をリスペクトしている時だ。

そしてそれが、自分にとってどんな不都合な事(人)であってもまずはしっかり敬意を払うことだ。

そこからは飛び出しそうな心臓と向き合って、奇襲作戦を成し遂げることだ。

 

これは落合博満氏の『采配』の中に記述されていたことだが、“極論から物事を考える”ことからヒントを得ている。

そして、落合氏は「あり得ないと思った時点で次の知恵が出て来ない」と言うことも言っているが、これは栗山監督の言うことと共通している。

 

野球で言えば、内野フライが犠牲フライにならないかとか、一見あり得ないようなことも考えて、そこから知恵が生まれることもある。

 

仕事の話になるが、僕はどうやら良い意味でも悪い意味でも“しでかすキャラ”だったと後から仲の良い先輩から言われたことがある。

決して能力の高い訳では無い僕が、生きていくために“奇襲作戦”をしたことで周りにその印象を与えられれば、“しでかす”意味は存分にあったと言える。

 

栗山監督は12球団の監督を見渡しても、動きの早い監督だと思う。

これからシーズンが交流戦へ向かい、オールスターを挟んで後半戦に突入するとき、チームがどんな順位にいても、きっと良い意味で“しでかして”くれることを楽しみに今回の更新とする。

 

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春先コンパ

 

昨日、ブログのアクセス数を見たら、通算で1000アクセスを越えていてちょっと嬉しかった筆者です。

ブログを読んでくれている方、公開する場を与えてもらえていることに感謝をしたいと思います。

本当にありがとうございます。

引き続き“野球観術”をよろしくお願いします。

 

さてさて、 

今日は戦極めるパ・リーグ(=コンパ)について少しだけ書いて行こうと思います。

 

5月17日終了時点でのチーム成績を見て行きます。

 

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怪我人に泣かされ続けているソフトバンクが首位。

団子状態の日本ハム・ロッテ・西武・楽天

ちょっと離れてオリックスと言う状況。

 

チーム成績を見ると、もちろん打率・防御率トップのソフトバンクが強さを見せている。

投打のバランスがしっかりしているからこそ、この順位と言えるだろう。

柳田の離脱がありながら、しっかりとした攻撃を展開。

特に、周東や釜元などの若手の台頭もあってその穴を埋めた。

しかしその勢いが衰えると、少しだけ負けが先行したが松田や川島などのベテランの力もあって、大崩れすることは無い。

こう言うのをチームのバランスが良いと言うのだろう。

 

日本ハムは失点数が一番少ない。

栗山流オープナー(ショート・スターター制)がある程度形になっているということ、中継ぎ陣がだいぶ安定してきたことなどが要因とされる。

シーズン当初は、チーム打率が1割になるのではと言う感じだったが、打線が復調を見せて.254とリーグ2位まで押し上げている。

 

先発投手が崩壊していたロッテも、石川の今季初勝利や種市が先発で3連勝を飾るなど、再建されつつある。

1番に荻野貴が座ってから、効果的な得点を重ね、チーム成績自体は日本ハムとさほど変わらない。

 

西武と楽天は、防御率が4点台ながら打ち勝つ野球で、借金1の状態。

西武は浅村の移籍や秋山の不調があるものの、山川が相変わらず、打点数が安打数を上回る4番らしい働きで攻撃を牽引。リーグ最多得点206の原動力となっている。

 

楽天は4番島内を固定し、打線の繋がりの良いアクセントになっている。

新加入のブラッシュのが絶好調で、5月8日のソフトバンク戦では7点差をひっくり返し、5月15日の日本ハム戦では8点差を逆転した。

島内の4番、外国人を打順では離す(ウィーラーとブラッシュを続けない)など、平石監督の采配も大いにハマっている感がある。

 

オリックスは明らかなる得点不足。

山本由は榊原が再三見殺しにされたり、守ってはリーグ最多の29の失策。

 

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ソフトバンクと異なり、投打のバランスが悪すぎる感がある。

5月17日の試合では1イニング3失策と打てないだけならまだしも、守備でも

山本由の足を大きく引っ張った。

 

投手が安定している訳なので、監督の考え方次第ではチームとして浮上できる可能性はあるが果たして交流戦までに借金を完済できるか。

 

正直、この混戦は予想していなかった。

みなさんはこの混戦をどう感じているだろうか。

 

 

そして… 

この1週間で筆者が思ったことが1つある。

上述したが、リーグで7点差・8点差を逆転されてしまうことが2回も起きた。

 

特に日本ハムは昨年西武に終盤8回に8点差を追いつかれ逆転サヨナラ負けを喫したことがあるだけに、今年も相手は違えど同じことが起きてしまった。

 

この日は、ブラッシュに2本の本塁打で6打点を献上した。

4回裏にブラッシュに満塁本塁打を浴びてから、日本ハムは1点も取れていない。

4点差と言うのはよく“満塁ホームランで追いつかれる点数”と言われるが、現在の野球ではセーフティーリードとは言い難い。

点差があると盗塁が記録されなかったり、送りバントが報復の対象になるわけだが、この根底も少し疑うべきなのではと感じてしまう。

 

野球は流れのスポーツだ。

点が入りやすい展開と言うのは、1-0の試合展開の空気感が異なる。

だからこそ、1球の配球、一つの中継プレー、1つの走塁。

こう言ったことが雑にならないで欲しい。

5月15日の試合は投手継投が表立った原因だったかもしれないが、こう言ったことが気持ちの中で雑になっていたかもしれない。

 

リーグ戦の中断、交流戦の始まり、リーグ戦の再開、と空気感が変わるタイミングが来るが、流れを掴むのはきっと大切なことを守っていくことだと感じる。

 

疲れも出始める頃、選手にはケガに気を付けて“大切なことを守りながら”プレーしてもたらいたいものですね!

 

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最近、「すべて、こっちの責任。」の意味が分かってきた筆者です…