化学変化を期待する選手達①
筆者の独断と偏見で期待する選手たちにスポットを当てていきますシリーズ!
今回期待する選手は
誰も呼ばなかった“ロンロン”こと
王柏融選手
です。
昨年、台湾の“大王(ダーワン)”や“4割男”として、ファイターズに加入し、
ケガに泣かされながら、
88試合に出場し、打率.255 打点35 本塁打3 と言う成績で終えた。
シーズン前の期待感からすると、とても物足りない数字だった。
でも、それは過去のこと!
シーズンオフにいろんなファイターズファンの方とのお話や、評論家の話を聞いていると、王柏融の話題が全くと言って良いほど出て来ない。
だからこそ僕は、そんな王柏融にスポットを当てたいと思った。
そもそも、異国の地で仕事をすると言うのは並大抵のことでは無い。
助っ人外国人と言う感覚が彼にあまり無いのも、アジア人であり年齢的にも若いと言うこともあるだろう。
しかし、彼にとっては大きな環境の変化に戸惑うことも多かったと思う。
それが度重なるケガに繋がったと僕は感じている。
そして何より日本の投手力の高さに思うような打撃が出来なかったと思う。
僕が感じる、王柏融の特徴は3つ
①:とにかくヒットは早いカウント
②:天才が故、いろんなコースに手を出してしまう
③:有走者では高打率
①のヒットが早いカウントと言うのは以下の数字に顕れている
バッター有利なカウント(0-1.0-2.0-3.1-3)で打率が高くなるのはバッター共通の傾向だが、これだけ早いカウントから安打を放っているのにはそれなりに理由があると感じた。
考えられるのは浅いカウントでは、自分のスイングをしていて、それがヒットに繋がっている。もしくは、浅いカウントでは配球を読み、決め打ちをしている。
と言うことだ。
それでは、なんでもかんでも浅いカウントからスイングをしているかと言えば、それも違うと言うデータがある。
(田中賢介や近藤と言う、初球をまず打たない選手と同じ比率で初球を打っていない)
と言うことは、可能性として高いのは、配球を読んで、狙った球は確実に仕留めていると言うことだ。
②天才が故いろんなコースに手を出してしまう
と言うのは、日本の投手の精度の高い制球力や球威・キレに苦しめられた証拠でもある。
師匠の話では、台湾リーグの中継ぎ投手の防御率は5点台が多く、球威や制球力が日本に比べると大きく下がると言う。
自分のカウントが不利になって、ボール球が来たとしても、天才的なバットコントロールでなんとかしてきたのが、凡打になってしまうことが多かったと想像できる。
パ・リーグのヒットメーカーである西武:秋山翔吾(メジャー行きが決まりましたが)
の2019年のホットゾーンを見てみると、(打数の少ない王柏融に対して)
いかにボール球に手を出していないかがよくわかる。
(ファイターズの近藤と比較をすべきと思ったが、彼が特殊な打者で、比較の対象には分かり難いと思ったので、L:秋山にしました)
バッターで一番やってはいけないことはボール球に手を出すことと言うのは共通の認識で、そのために選球眼が重要視される。
来シーズンは、日本の配球やボールの質に慣れてくると思うので、もう少し的を絞って行けるようになれば、四球もとれるし、仕留める確率がグッと上がると思う。
③の有走者では高打率
と言うのはデータを調べていった結果分かった。
得点圏打率はさほど、高く無いが、有走者での打率はシーズン打率より1割ほど高い。
この原因を探っていくと、王柏融のヒットの打球方向はライト方向が最も多く、1塁走者がいることで、一二塁間が広く空くことも起因していると思われる。
器用な天才バッターだが、実は典型的なプルヒッターで、走者が居る場面での打撃に好機を見出せるタイプなのだ。
①~③の内容を観てみなさんはどんな感想を持ちになられたでしょうか?
総合すると、日本の野球に慣れて、
配球の読みや選球眼に磨きがかかれば
才能が開花する
要素は存分にある。
来年、王柏融は清宮とポジション争いをすることになる。
競争によって、彼の能力が伸びることを期待する。
そして、
近藤と言う天才バッターと打順を繋げることによって化学変化が起きる
と思っている。
昨年の傾向からすると、近藤が安打や四球で出塁し、王柏融がバコーンっと引っ張ってチャンスを広げる。
この組み合わせで来シーズン両選手が出塁率.400以上になると言う化学変化を大いに期待している。
そして、
後ろに中田と言う打点を稼げる打者が居れば、一気に得点力が上がる。
と言うことで僕が考える理想の打順を発表しましょう!?
彼は田中賢介から背番号3を受け継ぎ、気するものもあるでしょう。
昨年、鎌ヶ谷で実際に彼を観たとき、技術は確かなものだと、強く思いました。
捉えた時の打球は本当に早い!あっという間に野手の間を抜けていく。
テイクバックが小さく、トップがほとんど無いまま始動する打撃フォームが、弓道のような雰囲気で、いかにも天才バッターと言う感触を受けた。
王柏融に必要なのは慣れだけ!
慣れるためには清宮と言うスラッガーとの競争に勝たなければならないが、それに勝てれば、間違いなく彼の素晴らしさは、自ずと1軍の舞台で花開くでしょう。
加油! 柏融(ボーロン)!!
次回は、“てんちゃん”こと西村天裕投手についてです。