いろんな色を
ファイターズは後半戦7勝1敗。首位のソフトバンクに3連勝するなど、最高のスタートを切った。
僕自身は、交流戦終了までは貯金ベースで、終了後はゲーム差と残りゲーム数をベースに考えるが、今のパ・リーグの状況を考えると、一つも負けられない試合が続いて行く。
さてさて、みなさんは“CMYK”と言うのを聞いたことがあるだろうか!?
家庭用プリンターにもある、C(=シアン)、M(=マゼンダ)、Y(=イエロー)。
色の三原色のことだ。
今日の話は、ファイターズに新しく加わった選手(=色)!
宇佐美真吾
市立柏高校―城西国際大を経てドラフト4位で巨人に入団した26歳。
ファイターズには“打てる捕手”として期待され、トレードでやってきた。
先日(7/8)ZOZOマリンに足を運んだ時、浦野―宇佐美のバッテリーで、浦野の5回1失点の好投と、4番中田翔の2打席連続のホームランで快勝した。
実はその時に、気になることがあって球場を後にした。
それは宇佐美のリードだ。
球場(レフトスタンド)からではよく見えないが、やけに高低にボールが散っているなと感じていた。
それが浦野の制球力なのか、宇佐美の要求なのかは分からなかったが、明らかにマリーンズ打線が打ち損じており、テレビで見ていた知り合いの方にも確認するほど気になる内容だった。
同じく7/20(土)の対マリーンズ@札幌ドームの試合でも、同じバッテリーで試合に臨んだ。
結果は浦野が6回無失点で今季3勝目を挙げた。
その日のプロ野球ニュースで、解説のデーブ大久保氏が宇佐美のリードを取り上げて、レアードに対する高めのストレートの要求について非常に褒めていた。
「日本ハムの優勝のキーマンは宇佐美なんじゃないか!?」とまで言っていた。
この試合は、前回のZOZOの観戦のこともあったので、宇佐美のリードを注意深く見ていた。
浦野はフォークの握りが非常に深く、落差が大きい分、すっぽ抜けやすく、抜けたボールがスタンドに運ばれるケースが多かった。
バッテリーは、デーブ大久保氏が取り上げていたレアードの打席だけでなく、ストレートの高低を非常にうまく使っていた。
ファイターズの捕手で、ああいったリードする捕手は居ない。
鶴岡・清水は比較的オーソドックスなリードだし、石川亮は強気なリードと言われるが、同じボールを続けることが多く、変化球を多投させる傾向にある気がしている。
浦野の場合は、ストレートとフォークが基本的な勝負球で、スライダーをカウント球にして投球を組み立てて行くが、どうしてもフォークの落差が大きいため、打者はそれに手を出さないように高めに目付をしている。
(=打者は低めのフォークに手を出さないように、ストライクゾーンを高めに設定して、ボールを待つ)
そこへフォークのすっぽ抜けは格好の餌食になる。
ただ、宇佐美のリードは、打者が目付をしている高めより少し高いところを要求して、それで空振りを奪いに行ったり、見せ球として有効に使っていた。
打者はそのボールもケアしようとすると、どうしても早いタイミングでボールを待つことになるため、フォークが多少抜けても、タイミングが外れてくれる。
決して威力のあるボールとは言えない、スライダーやカーブも、高めに目付されている分、カウントを取りやすくなる。
いわゆる投球の幅が広がると言うやつだ。
捕手のリードには正解が無い。
評論家の里崎氏の話を聞いていると、リードって本当に結果論でしか無いなと感じるが、他のチームからやってきて、違う色を出してくれると、投手もまた違った一面が出てくるなと思うし、そういう多くの色が重なって優勝と言う大きな目標に届く気がする。
落合博満氏の『采配』の中で、監督の仕事はいろいろな色を使って絵を描いていくようなものだとも述べている。
“打てる捕手”と言う期待を背負って、ファイターズにやってきて、打撃ではすぐに結果を出した。
彼の打撃は、ある意味天性の素質のようなものを感じるが、リード面も浦野の良さを前面に引き出していた。
もちろん、リード面は結果でしか語ることができないが、新たな“色”が加わり、ファイターズは優勝と言う目標に向かって進んでいく。
恐らく、27日(土)の対ライオンズ戦@メットライフドーム
でもローテーション的には浦野が先発する可能性が高い。
ライオンズに打ち勝つと言う意味では、宇佐美の打力は必要だし、ロッテにそう言う配球をしたと言うデータはライオンズ側にも伝わっていると思うが、逆にその裏をかくこともできる。
その試合は球場で観戦する予定だが、浦野のストレートが走っていれば、また宇佐美が面白いリードをしてくれるのではないかと楽しみにしている。
もちろん移籍後初本塁打も期待していますよ(笑)
いろんな色でファイターズの野球がより鮮やかになることを祈って今回の更新とする。