野球観術

野球や組織論はいつだって愛情から始まる

プロ野球の世界は厳しい…

 

「失敗と書いて成長と読む」と言うノムさんの言葉を実感できている筆者です。

昨年の失敗の悔しさを、少しずつ晴らそうと日々前に進んでいます。

 

楽天との三戦を観ていて、プロ野球の世界は厳しいな…」と痛感…

 

今日は少し長めの更新なので、頑張って読んで頂けると嬉しいです。

 

この話は誰かが「良い悪い」の話では無く、野球を観る目“野球観術”としてプロ野球の厳しさを感じたと言う解釈をして頂けると嬉しい。

 

楽天の初戦

苦手の弓削を攻略できず、5安打無得点で敗れてしまった。

“厳しさ”を感じたのは、スポーツ紙や評論家の評価や結果に対する純粋ファンの見方だ。

 

無得点に終わった打線にはもちろん“貧打”レッテルを貼られる訳だが、内訳を見ていくと結果には見えないファイターズの選手の“抵抗”が垣間見えていた。

 

1つは、中田翔の第三打席だ。

過去2打席は空振りの三振で、いずれも弓削のスライダーに空振りをしていたが、(三打席目は)追い込まれてから、ストレートの見せ球を挟んで、打ち取られたスライダーを見極めて、四球を選んだ。

これは、中田の調子が良い証拠だし、「打てなければ四球を選ぶ」と言う苦手投手に対しては、なかなかできないことで、素晴らしい打席内容だったと思うが、結果その試合は3打数3三振として見られてしまう…

 

もう一つは、大田の第二打席の三ゴロと第四打席の一直は非常に痛烈な当たりだったが、結果はアウト。

ボールの呼び込み方は素晴らしいものがあった。

 

近藤に関しても、第二打席は一直(E内田の好プレー)、第四打席も遊直の鋭い当たりだった。

 

いずれもこの打球が正面を突いていなければと言う“タラレバ”は禁句ではあるが、実績のある上位打線がこれだけの内容を誇っても、ヒットにならなければ(=結果が出なければ)“貧打”として評価されてしまう、プロ野球の厳しさだ。

 

この試合、打線に関しては、

不運=“ハードラック”としか言いようのない試合

だと僕は感じた。

 

そして2戦目

ドラフト1位ルーキーの河野竜生が先発マウンド!

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勝ち投手の権利までアウト1つと言うところで、E浅村に逆転スリーランを打たれ無念の敗戦投手となった。

 

これは、

バッテリーが浅村と言う超一流の打者との対戦において、受けたプロの洗礼であり

ここは少し細かく解説をしたいと思う。

 

河野は序盤、制球が安定せず2回までに3つの四球を与える苦しい投球内容ながら無失点に抑えていた。

3回の先頭打者、茂木のあたりからストレートが良くなり、空振りを奪えたり、左打者の外角ギリギリに投げ込める制球力も出てきた。

(正直これは行けるぞ!と僕も思った)

 

逆転を許した5回裏

1死から9番:辰巳を四球で歩かすと、

続く1番茂木のレフトへのファールフライで、一塁走者の辰巳がタッチアップで2死二塁。

2番:ブラッシュは2球目で2‐0になったところで申告敬遠2死一二塁

3番:鈴木大地への初球、辰巳が三盗を決め、2死一三塁

鈴木は3球目をセンターへ弾き返し、タイムリーヒット

 

日2‐1楽

 

そして2死一三塁で、4番浅村へ

初球の変化球が外れた後、2球目ストレートで見逃しストライクを取ってボールカウント1‐1

3球目、インハイへ最高のストレートが決まり1‐2と浅村を追い込んだ。

(浅村は全く予想していなかったような反応だった)

 

ここで野球通の皆さんが捕手(清水)の立場であれば、どのボールを選択するでしょうか?

 

僕はここで、迷わず浅村の膝元へ入っていくスライダーだと思っていた。

 

清水が選んだのは外角のストレートで、河野はそこに寸分の狂いの無いコントロールで投げ込んだがライトスタンドへ持っていかれてしまった。

 

捕手のリードは結果論で語るべきではない!

尊敬申し上げる解説者の里崎智也氏や建山義紀が常々言っているので、結果論では無く、野球について発信するものとして、配球やリードについても、深い話が出来ればと言う目線で見ている。

詳しくはこちらの回もご覧ください

saiyuki6.hatenablog.jp

 

 

清水の根拠は恐らく、ストレートが3回くらいから威力が出てきて、空振りも取れるし、制球も安定していたことで勝負球として選択した。

また、この打席での2球目のストレートの見逃し、3球目のインハイに全く反応しなかったことで、浅村が変化球を待っているのではないかと察した

これにも根拠があって、浅村は第一打席でカーブを中安、第二打席はスライダーを打って中飛過去全てのストレートを見逃していたことが根拠にあったと思う。

 

これだけの根拠を清水が持っていたかは分からないが、持っていたと仮定して、要求したところに最高のボールを河野が投げたにも関わらず、一番打たれてはいけないホームランを打たれてしまう…

プロの超が付く一流バッターって本当にすごいし、何よりキャッチャーは本当にキツイ(厳しい)仕事をしてるなと思う。

 

最初にも言ったが、これは清水が“良いとか悪い”と言う話ではない。

ただ、この結果が「捕手のリードが悪い」と言われてしまうのもプロの世界だし。厳しさだなとも思う。

 

YouTube解説で一緒にやっている、まさしさんとオンライン観戦をしていて、チェンジアップと言う選択肢についても打たれた後ではあるが議論になった。

 

通常左投手が、右打者のインコースに突っ込んでいった後は、外角へ沈むチェンジアップやスクリュー系のボールで打ち取ると言うパターンは、ある意味鉄板だ。

 

しかし、この試合の河野はチェンジアップが結果球(アウトになった球)に一度もなっていなかった。

これが理由で、僕にはチェンジアップと言う選択肢は無かった。

 

僕がインコース膝元へのスライダー(ボール球)を選んだ理由はここにあって、チェンジアップの精度と天秤にかけた時の確率でスライダーの方が制球に信頼があった。

浅村がスライダーを狙っていたとしても、ボールカウントに余裕があり、セカンドも空いていて(好調の浅村だけに四球も選択肢の一つとしてあった)ボール球を続けることができた。

 

仮に四球になっても、次の島内は左なので、浅村よりも配球しやすい。

 

前日のマルティネスが浅村に被弾したボールも外角球で、イメージとして浅村は外角に強いイメージがあったので、その選択肢は自然と外れた。

 

インコースのストレートと言う選択肢も、“続ける危険”みたいなものがあって選択肢からは外れた(石川亮がよくこの手の裏をかいた配球をする)

 

ただこの場面で、外角のストレートは裏をかいたことにはならない(この話はまた長くなるので割愛)と言うことで

 

後付けでデータを付けておきます(すべては結果論です)

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黄色は打たれたコース…


 

感情論的な話をすると、河野は頑張っていただけに、勝ちを付けてあげたかった。

バッテリーとしては悔いの残る1球になった。

しかもそれがベストピッチに近い中でそれが起きた…

しかし、それは全て結果論でしかない…

「配球ミス」「ストレートへの過信」とか言われちゃう訳だからキャッチャーって本当に大変…

 

本当にプロ野球の世界と言うのは厳しい世界だと痛感した…

 

そんな中、三戦目ファイターズに新しくプロの世界で記録の道を歩みだした選手がいる。

彼だ。

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野村佑希がプロ初安打、初打点、初得点、初の猛打賞。

過去にはこんな記事も

 

saiyuki6.hatenablog.jp

 

 

本当におめでとう!!

 

それこそこれから、プロの厳しい攻めに遭うだろうし、打てない時期も来るだろうけど、頑張って欲しい!

 

それと新外国人のバーヘイゲンが初先発、初勝利!

開幕6戦目でようやく先発投手に勝ちがついた。

 

苦しいことも多いけど、みんなで応援していきたいですね。

 

ここまで読んで頂けた方、本当にありがとうございました。