野球観術

野球や組織論はいつだって愛情から始まる

能力が無いことをうまく捉える ~前編~

 

何度見ても、メガネ君(小暮)のスリーポイントシュートは感動して涙してしまう筆者です。

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今回の内容とは関係ありません…
 

 

緊急事態宣言が解除されて、飲食店での仕事が(時短で)復活して大変なことが起きているので、そこで感じたことを少しタイトルのテーマに沿ってお話をしたいと思います。

 

 

僕の職場は時短営業(通常よりも3時間閉店を早める形)で営業を再開した。

売上は昨年対比で50%と通常の回復をしたとは言い難い状況にある。

大きな会社だから、倒産や閉店を免れているが、そこは大会社のメリットであり、一方でデメリットが発生する。

 

それは、売上に即した人件費予算が店に降りかかってくる。

物理的に不可能に近いオペレーションが要求されるのだ。

トップ(上層部)の決定は、形式的だし、「具体的な策は現場でなんとかせい!」と言うことなのだ。

 

2月に安倍首相が新型コロナウイルス感染拡大防止のために、突発的に学校を一斉休校にした。

教育長や校長は、お上しか見ていないから、現場の問題解決はほぼ各教員が奔走したと言うことが想像できる。

 

もっと言えば、学校に行けなくなった子供たちの対応は、現場のお母さんたちが、本当に大変な思いをして対応した。(職場のパートさん談)

 

「指示は出すが、あとはお前たちの責任ね!」と言うのが今回のコロナ騒動で本当に日本的だなと痛感した。

 

そのストレスの矛先はもちろん政府や文部科学省に行くわけだが、ここで考え方を変えようと言うのが今日のお話だ。

 

そもそも、総理大臣や政府・文部科学省に現場のことを考える「能力が無い」のだ。

それは当然、全国津々浦々同じ対応が出来るわけでは無いし、そこの仕組み自体が出来上がっていない。

各教育長や校長は、現場対応をする立場にありながら、上の顔色を見ることに長けているが、下を見る“能力はほぼ無い”と見た方がストレスは軽減できる。

 

話は戻るが、僕の職場は実態にそぐわない形でシフトが組まれ、その弊害が出た。

(こっちからするとこんな環境が続いたら辞めてやると思うくらい融通が利かない状態だった)

 

ストレスで頭に血が上って、終いには頭痛を引き起こしてしまう始末(笑)

 

会社の特性と店長の性格(能力)を考えて、これは

「今の状況を想定して解決策を打つ能力が無い!」

と考えることにしたら、少し気持ちが楽になった。

 

これは、仏教の言葉で“事を諦むる”=“事を明らかにする”と言う考え方を取り入れたものだ。

“諦める”と言うのは放棄すると言う感覚に受け取られるが、仏教ではそうではない。

 

“能力が無い”と言うことを明らかにしたら(分かったら)それをこちらで補ってあげれば良い。

 

一つ断っておくと、それは上から目線で話をしている訳では無く、ストレスを出来るだけ軽減し問題を解決するために必要な考え方であることをご承知頂きたい。

 

僕が店長に対してしたのは

実際に起きてしまっている事実と、問題点だけを伝える。

そして、僕もサラリーマンの端くれだったから、そこの気持ちはしっかり共感してあげること、恐らく今後上司に突かれるであろう解決策を耳打ちして終わりだ。

 

融通が利かない店長ではあるが、人間的には悪い人ではないので、腹は立つが出来るだけ感情は入れず“諦むる”ことに徹した。

 

案の定、本部から電話があって、(計画と実態の乖離に)お叱りを受けたようだったが、こちらが提示した内容をそのまま伝え、事なきを得たようだった。

 

日常生活で置き換えても、「あいつはいつも時間に遅れてくる、締め切りを守らない」と言う不満を抱えている人は多いだろう。

 

その人は時間や期日を守る意思があるか無いかは別にして、“時間や期日を守る能力が無い”のだ。

 

それは指示する側がカバーするしかないが、同じカバーをするでも“能力が無い”“諦めて”しまえば、解決方法はいくらかは出てくる。

 

なによりも、ストレスが全然違う。

 

僕の周りには時間を守れない人が割かし多く、時間順守・計画通りに物事を進めたい僕みたいな性格の人にはストレスになるケースが多いが、そこは時間を守る能力がある方が、何とかすればいいだけの話で、能力の無い人に期待することは無い。

人間は期待を裏切られると大きなストレスを抱える生き物だ。

 

 

次回はこの考え方をベースに今のファイターズで起きている状況に置き換えてお話をしようと思う。

 

長々読んで頂けたことを感謝します。←次は野球のお話です。