野球観術

野球や組織論はいつだって愛情から始まる

(特集)運命の交流戦 ㊥

 

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前回の続きです。

 

saiyuki6.hatenablog.jp

 

 

㊥では過去の交流戦の成績について!

 

㊤ではシーズンのここまでの流れを記述したが、何分にも交流戦は潮目が変わる期間でもあり、別の野球の流れができる戦いでもある。

 

過去14年間では

パ・リーグ1044勝、セ・リーグ920勝 56の引き分けとなっている。

 

今回は、18試合制度になった過去4年間に絞って成績をピックアップしてみた

理由は、連戦の組み方で戦い方が異なってしまう事、チーム状況が過去5年くらいの方が顕著に出やすいかなと言う理由だ。

 

みなさんのごひいきチームはどのような成績でしょうか!?

データは過去4年間の累計の勝敗と勝率でソートした形にしている。

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やはり、パ・リーグのチームが上位にきているのが分かる。

3連覇している広島は安定した戦いでセ・リーグで唯一勝ち越している。

逆に言えば、広島以外は負け越していると言うことでもある。

 

次に、各チームの年度ごとの戦績を見てみる。

 

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※昨年のレギュラーシーズンの順位に沿った順番で出しています。

データの順位は交流戦の順位です。

たまには手作りのデータも良いかなと思いましたが、見辛かったらすいません…

 

交流戦で5位~6位で勝率.500前後と大きな偏重は無く推移していて、4年に3度最高勝率を獲得しているソフトバンクは累計でも年度ごとでも、圧倒的な強さを伺い知ることができる。

 

過去4年ではあるが、勝率でソートした時にこんなに顕著な数字が出るとは思わず、驚いた部分もある。一昨年は僕自身が交流戦を全く見ることが出来なかったこともあるが、パ・リーグの力はやはり本物なのだと感じた。

特にファイターズは最近の交流戦であまり強さを感じた印象はなかったが、同率で2位と安定した力を発揮していた。

 

楽天は昨年の交流戦で躓いたことが、最下位の大きな原因とも言えるが、この年の成績が.500前後であれば累計の順位ではかなり上になった(交流戦に強いと言うこと)のではないか。

そして、パ・リーグで常にクライマックスシリーズに出てくるチームは交流戦でも高い勝率であることが分かる。

 

セ・リーグでは交流戦を苦手としていたヤクルトが昨年、最高勝率に輝きレギュラーシーズン2位と言う結果を残した。

昨年のセ・リーグの場合ヤクルト以外全てのチームが交流戦で負け越したため、大どんでん返しが起きた。

 

パ・リーグの場合は勝率.500前後からどれだけ貯金を上積みできるか(逆に借金を作らないか)、

セ・リーグの場合には他チームが苦戦している中、どれだけ大きな上積みができるかが大事、と言うのが過去の数字から読み取れる。

逆に言えば、パ・リーグ交流戦で上位から引き離されないこと(下手すると奈落の底に落ちる)、セ・リーグは1発逆転のチャンスが大きいと言うことでもある。

 

この章ではデータの抽出に時間を要してしまったため、文章が奥行きの無いものになってしまったが、読んで頂いているみなさんが、上記のデータを見て何かを感じて発見があったとすれば、それが一番幸いである。

 

最後=㊦は2019年の交流戦の展望について↓。

 

saiyuki6.hatenablog.jp

 

 

 

(特集)運命の交流戦 ㊤

 いよいよ、明日から“日本生命セ・パ交流戦2019”が始まります!

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筆者はシーズン前から、このブログでGW後から交流戦にかけての戦いが、非常に重要であると言い続けて来た。

監督、選手、評論家、ファン、ほとんどの人が交流戦の重要性を説いている。

これだけ何回も何回も

交流戦交流戦!」

と言ってきたのだから、それなりの更新をしたいと言うことで、

 

そんな重要な交流戦について今回は㊤・㊥・㊦に分けて

 

㊤は今シーズンのここまでの各チームの戦い

㊥は過去の交流戦の成績

㊦は2019年の交流戦の展望

 

更新をしていこうと思う。

 

 

 

㊤:今シーズンのここまでの各チームの戦い

 

まず、各リーグの順位表から

スポナビさんの順位表が分かりやすかったので拝借しました。

 

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セ・リーグは、

広島が序盤に大失速と言う予想外の展開。田中広輔の不調と巨人に移籍した丸の後釜として3番が固定できない状態が打線の繋がりを欠く形になり、投打のバランスが崩れる。守備の失策も目立ち、カープらしさは鳴りを潜めていた。

しかし、1番に野間、3番に調子の上がってきたバティスタを固定してからは破竹の勢いで、最大8つあった借金が今や貯金13。

本当に力のあるチームであることを証明した。

 

中日が4月はチームの打率・防御率ともにトップだったものの、飛び出すことが出来ず、5月に入ってからは、ずっと借金生活でマイナス6。

広島と違い、チームとして勝ちを拾うことが出来ない状況が続いたことがやはりチーム力なのかと思う。

 

逆に4月に苦しんだ阪神はベンチワークが功を奏して、中継ぎ陣の安定を機に、じわじわと順位を上げ、貯金5で2位につけている。

それとは対称的に、DeNAはベンチワークが全く機能せず、個の力が高いにも関わらず、借金は最大11にまで膨らんだ。しかし交流戦突入時には借金6まで回復した。

 

そして、昨年クライマックスシリーズファーストステージを戦った、巨人とヤクルトはと言うと、巨人は巨大戦力の打撃陣と課題の中継ぎ投手の表の顔と裏の顔が交互に出てきて、貯金4の3位。

ヤクルトは交流戦前に16連敗と言う悪夢とも言える連敗を経験し、最大6つあった貯金は借金10…

この両チームは同じくらいのチーム力と見ているので、明暗が分かれたなと感じる。

 

セ・リーグで僕が感じた流れはこんなところだ。

 

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パ・リーグはと言うと

各チーム、故障者が続出…

特にソフトバンクは数えきれないほどの故障者が出て、柳田、中村晃を始めとする攻撃の核とも言える選手を欠いてここまで戦った。

投手は昨年活躍した岩嵜、昨年に続いてサファテが戻って来れない状態が続いたが、ルーキーの甲斐野や泉が奮闘し投壊は免れた。

首位をひた走って来たが、最大9あった貯金は2に減って3位で交流戦へ。

しかしこのチーム力は、やはり日本のプロ野球では群を抜いている。

 

首位で交流戦に突入する楽天は、則本昂、岸と言う両輪を失った状態でシーズンをスタート。

打撃陣が機能して、ソフトバンクには7点差、日本ハムには8点差をひっくり返すことに象徴される“逆転のイーグルス”を演じた。現状は貯金6つと番狂わせのチームだ。

 

日本ハムは、打線では清宮、投手ではマルティネスと言う今年頼みにしていた選手が故障。

序盤はチーム打率が.200前半を行き来し、ショートスターターなどで投手をやり繰りして、勝率.500をなんとか維持しながら戦い、清宮の復帰後チームは上昇気流に乗り、貯金3で交流戦に突入。

 

下記3チームは大きな故障者は出なかったが、

 

西武は、昨年以上に不調の投手陣に加え、浅村の移籍の穴と、4月は秋山が絶不調であったことが影響し、借金生活が続いたが、昨年本塁打王の山川が安打数を上回る打点数で4番として打線を引っ張った。

秋山が復調し、不安な投手事情をカバーする形で貯金1をもって交流戦に突入。

 

ロッテは、日本ハムから移籍のレアードが大爆発するも、先発投手陣が崩壊。

ここでベンチワークが生きて、1番に荻野貴を据えて、打線として機能し始めると、中継ぎも唐川、松永、西野、益田の方程式が出来上がり、中継ぎだった種市を先発に回し3連勝と投打が噛み合い始め、最大あった6つ借金は1となり交流戦に突入。

 

パ・リーグの借金を丸抱えするオリックスは、若手投手陣の好投をふいにする貧打と、リーグダントツの失策数42で、投手陣の足を引っ張った。

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これは酷い…(小声)

 

交流戦前に借金11は12球団最多だ。

 

よく、交流戦前までは勝率.500を維持し、そこから一気に抜け出したいと言うコメントを多く聞くため、貯金と借金の数、チームのストロングポイントやウィークポイントを中心に流れを見てきた。

 

交流戦では連勝・連敗が運命を大きく分ける。

特に、普段対戦しないチームと対戦することDHの有無、球場も相手リーグホームの場合には不慣れな環境になる。

それを考えると、どうしてもチーム力、ベンチワークがモノを言う

 

セ・リーグでは絶好調の広島と、矢野監督を中心としたベンチワークで交流戦前までに形を作った阪神が、良い流れで交流戦に入れるのではないか、

 

パ・リーグオリックス以外、勝率.500前後と目論んでいた通りに交流戦前に着地をした。

実力で圧倒的に上回るパ・リーグ各チームがセ・リーグに牙を向く絵図が出来上がったと言える。

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※いつのまにか日本ハムがチーム打率1位に(笑)

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※西武と楽天はずっと防御率4点台なのか…
 

さてさて各チーム、今のチーム状況をもってどのような戦いを繰り広げてくれるか!

㊥はそんな過去の交流戦の数字を見て行きたいと思う。↓

 

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勘違いや他力本願でもえぇんちゃうかな

 俺はカッコよくて女の子にモテモテ!

仕事もできて完璧な男だ!

それなのに彼女もできないし、良い仕事が回って来ないくて、日の目を見ないのは、周りが俺を見る目が間違ってるからだ!

 

この勘違い男の僕は幸せそのものだと思いませんか?

 

何も僕の自慢話がしたい訳では無く、皆さんも気になっているヤクルトの15連敗の話です。

「どうしたら勝てるのか?」「どうしたら連敗が止まるのか?」

冷静に考えれば考える程、深みにハマっていくような気がする…。

(冷静に考えたら上記のような勘違い男にはなりませんね(;^_^A) 

 

下記は、ある記事をコピペして追記したものです。

5月14日(広)マツダ原樹理 4-9 /2位
5月15日(広)マツダ●中尾輝 7-9 /3位
5月17日(De)神宮●小川泰弘 3-4 /3位
5月18日(De)神宮●石川雅規 6-11 /3位
5月19日(De)神宮●高梨裕稔 0-7 /3位
5月21日(神)甲子園●原樹理 2-3 /4位
5月22日(神)甲子園●ハフ 2-3 /4位
5月23日(神)甲子園●マクガフ 0-1 /4位
5月24日(中)神宮●小川泰弘 1-6 /4位
5月25日(中)神宮●石川雅規 3-10 /5位
5月26日(中)神宮●高梨裕稔 8-10 /5位
5月28日(広)神宮●原樹理 7-8 /5位

5月29日(広)神宮●高橋 奎二 3-5 /5位

5月30日(広)神宮●小川泰弘 0-13 /6位

5月31日(De)神宮●ブキャナン 2-3 /6位

 

こう見ると、本当に長いトンネルに入っているなと思う…

 

5月12日には貯金が5つあったにも関わらず、借金は10になり坂道を転げ落ちるとはまさにこのことだ。

 

15連敗中、先発投手に負けが付いている試合が12試合。

こう言う時には何かに原因を求めたくなる所だが、実際には7・8回の失点も多く、先発投手の責任とは言い難い。

方や打線はと言うと、15連敗中48得点と1試合平均3.2得点を奪っている

もう少し得点が欲しいと言う方も居ると思うが、決して貧打が負けに直結しているとも言い難い。

 

個人的には、4月から5月にかけてヤクルトの調子が良かった時に、先発投手を早々5回・6回で降ろして逃げ切りを図る勝ち方のしわ寄せが来たとは感じているが、過去に時間を戻す訳にも行かず、毎日試合は続いていく。

 

選手が一生懸命やろうとすればやろうとするほど、するりと勝ちが逃げていく。

神も仏もあったものでは無い。

田畑投手コーチの顔が日に日に引きつっていくのがなんとも言えないが、投手が失点するときは打者が打たないといけないし、打者が打てない時には投手が抑えないとチームは勝てない。それが野球と言う相手より1点多く取ったチームが勝ちと言うスポーツだ。

 

しかしこうなってしまった以上、逆に“勘違い”も必要なのではないかと思う。

「チーム状態は悪くない!」

打者は「俺たちは打っている!」

投手は「俺たちはしっかり抑えている!」

 

10点取っても負けることもあるし、1点しか取れなくても勝てることはある。

そこに内容もへったくれも無いのである。

 

それで良いのでは無いか!

何か起爆剤やきっかけを求めてしまうため、打順を動かしたりして突破口を開こうとする。

監督の心理としては動くことで打開策を探るのは当然だが、ずっとAクラスに居たチームな訳だからなにもこの場に及んで、何かを変えなくてもと言う開き直りも必要な気がする。

 

このまま交流戦までに連敗が止まるかは分からないが、他力本願で相手のとんでもないエラーが決勝点で連敗脱出になるような気がする。

 

 

 現に日本ハムは5月26日の西武戦で、相手(中村剛也)のエラーをきっかけに逆転して連敗ストップ。

 

その次の28日のロッテ戦では2つ(中島卓・王柏融)のゲッツー崩れで勝ち越し点を奪い勝2連勝。

 

29日の試合は、前日ゲッツーを取り切れなかったロッテの二遊間(中村奨・平沢)が反省を生かそうとするも、中村は清宮の何でも無いセカンドゴロを丁寧に行き過ぎてエラー。

その清宮が二塁に進塁し、西川の遊直で帰塁の遅れた清宮を刺そうとした平沢が至近距離のセカンドベースに剛速球を投げてしまい悪送球、清宮が生還しファイターズは同点。

再び勝ち越されるも、田中賢介の起死回生の逆転ツーランで試合を決定づけて3連勝。

 

その翌日(30日)は、有原の完封投球に4番中田の1発、清宮の球団通算8000号のメモリアルアーチが飛び出し快勝。連勝を4に伸ばした。

 

31日のオリックス戦は、牽制悪送球、ファーストのエラー、押出四球、犠牲フライ、で4点を取って加藤の7回0/3までノーヒットピッチングで勝利し5連勝。

 

この流れを見ていると、チームの調子が良いと言うより、相手のミスからチームの状態が上がってきたように見える。

特に29日の田中賢介の逆転ツーランから一気に自分たちの力が結果に繋がるようになった。

ファイターズは力のあるチームだ。相手のエラーもゲッツー崩れも全力疾走からもらったご褒美のようなものだ。野球の神様はそういうものをしっかり見ているものだと信じたい。

 

話はヤクルトに戻るが、こんなことがきっかけでチームの調子があがってくることはある。

野球は、ボールが得点になるスポーツでは無く、走者が本塁に帰る事によって得点になるスポーツだ。

この原点が連敗脱出のヒントなのかもしれない。

それが全力疾走と素早い攻守の切り替えなのだと僕は思う。

打順を変えたり、エンドランなどの作戦よりも、まずは気持ちの良い野球しよう!

時には勘違いをして開き直って、他力本願でも良いのではないか!?

 

交流戦まで、あと2試合!

流れが変わる潮目だけに、野球の神様に見放されないようしたいですね!

 

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※全力疾走で野球の神様に愛された稲葉さんです。

リスペクト(=敬意)をもってしでかす

最近、栗山監督シリーズばかりですいません…

 

ファイターズファンのみなさんは昨年のクライマックスシリーズの悔しさをまだ覚えているだろうか?

 

優勝を逃し、3位から日本一を目指して福岡に乗り込み、エースの上沢を立てた。

近藤のホームランで先制するも、あれよあれよと言う間にデスパイネ満塁本塁打を浴びて、シリーズの流れを完全にソフトバンクに渡してしまった。

 

3戦目まで持ち込んだものの所沢を経由して、札幌に帰ることは叶わなかった…

 

標題の「リスペクトをもってしでかす」と言うのは、優勝チームの西武、クライマックスシリーズファーストステージで戦うソフトバンクに対して、敬意を払いどんな結果でも受け止める覚悟が、下位チームの使命だと栗山監督が著書の『稚心を去る』の中で書いている内容だ。

 

その項目の中で、「奇襲は、普通に戦っていたら勝てないから奇襲なんだ。」と言う、野村克也さんの言葉を引用していて、

「大博打を打ってもいいから“しでかしてやる”と言う気持ちで戦った方がきっと面白い試合になる。」

栗山監督はその気持ちでシリーズに臨んだ。

しかし、ソフトバンク相手に“しでかす”ことは出来なかったが、この考え方は野球だけでなく仕事や組織論に通じることでもあると思う。

 

 

みなさんはゴロGOのギャンブルスタートと言う言葉をご存じだろうか?

野村克也氏がヤクルトの監督の時に西武との日本シリーズの際に、奇襲作戦の代表として挙げるものだ。

日本シリーズでの緊迫した試合。

状況は1死満塁。三塁走者:広澤克己選手がボテボテのゴロでホーム封殺されたことがきっかけで、ゴロが転がった際にベンチから「ギャンブルで良いからスタートを切れ!」と言う指示を出すことの重要性を強く感じたと言うのが発端で、ギャンブルスタートと言う言葉が生まれた。

 

これは無死(もしくは一死)三塁の場面でよく使われる。

相手は前進守備、ゴロが転がって普通にバックホームすれば、アウトになってしまうタイミングでもギャンブルスタートを切れば、内野ゴロでも貴重な1点をもぎ取ることが出来る。

もちろんライナーで飛び出してアウトになったり、ホームで憤死する可能性も高いとてもリスクのあるプレーである。

 

 

そう言う作戦こそ、対戦相手に敬意を持った(=相手の強さを認めた)上で、作戦を実行する。

「普通にやったら勝てない、“しでかしてやる”」と言うことなのだろう。

野球で実力差を推し量る時、打力や投手力が前提になる。

しかし、基本的には走塁や守備で奇襲作戦を行うことが多い。

先ほどの、ギャンブルスタートや重盗、守備では※ブルドックシフトや牽制のサインプレー。

※ブルドックシフト=相手が送りバントを試みる際に一塁手もしくは三塁手またはその両方が極端にチャージしてくること。

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そんな作戦を実行するチームに対しては、「なにかやってくるんじゃないか!?」と思わせることができる。

相手に執拗なプレッシャーをかけることが出来るし、ミスを誘発することにも繋がる。

 

これを僕はよく仕事に転用していた。

もちろん、1年に何回も使える訳では無いが、サラリーマンをやっていると、自分の立場が脅かされることが年に何回か訪れる。

 

上司との力関係や、部下との能力差を考えて、明らかに自分(達)が劣っていると感じる時や、普通にやっていたら状況を打開できないと感じたときには“しでかしていた”

栗山監督の言うように、うまく行くのはやっぱり、力関係をしっかり理解し、相手をリスペクトしている時だ。

そしてそれが、自分にとってどんな不都合な事(人)であってもまずはしっかり敬意を払うことだ。

そこからは飛び出しそうな心臓と向き合って、奇襲作戦を成し遂げることだ。

 

これは落合博満氏の『采配』の中に記述されていたことだが、“極論から物事を考える”ことからヒントを得ている。

そして、落合氏は「あり得ないと思った時点で次の知恵が出て来ない」と言うことも言っているが、これは栗山監督の言うことと共通している。

 

野球で言えば、内野フライが犠牲フライにならないかとか、一見あり得ないようなことも考えて、そこから知恵が生まれることもある。

 

仕事の話になるが、僕はどうやら良い意味でも悪い意味でも“しでかすキャラ”だったと後から仲の良い先輩から言われたことがある。

決して能力の高い訳では無い僕が、生きていくために“奇襲作戦”をしたことで周りにその印象を与えられれば、“しでかす”意味は存分にあったと言える。

 

栗山監督は12球団の監督を見渡しても、動きの早い監督だと思う。

これからシーズンが交流戦へ向かい、オールスターを挟んで後半戦に突入するとき、チームがどんな順位にいても、きっと良い意味で“しでかして”くれることを楽しみに今回の更新とする。

 

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春先コンパ

 

昨日、ブログのアクセス数を見たら、通算で1000アクセスを越えていてちょっと嬉しかった筆者です。

ブログを読んでくれている方、公開する場を与えてもらえていることに感謝をしたいと思います。

本当にありがとうございます。

引き続き“野球観術”をよろしくお願いします。

 

さてさて、 

今日は戦極めるパ・リーグ(=コンパ)について少しだけ書いて行こうと思います。

 

5月17日終了時点でのチーム成績を見て行きます。

 

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怪我人に泣かされ続けているソフトバンクが首位。

団子状態の日本ハム・ロッテ・西武・楽天

ちょっと離れてオリックスと言う状況。

 

チーム成績を見ると、もちろん打率・防御率トップのソフトバンクが強さを見せている。

投打のバランスがしっかりしているからこそ、この順位と言えるだろう。

柳田の離脱がありながら、しっかりとした攻撃を展開。

特に、周東や釜元などの若手の台頭もあってその穴を埋めた。

しかしその勢いが衰えると、少しだけ負けが先行したが松田や川島などのベテランの力もあって、大崩れすることは無い。

こう言うのをチームのバランスが良いと言うのだろう。

 

日本ハムは失点数が一番少ない。

栗山流オープナー(ショート・スターター制)がある程度形になっているということ、中継ぎ陣がだいぶ安定してきたことなどが要因とされる。

シーズン当初は、チーム打率が1割になるのではと言う感じだったが、打線が復調を見せて.254とリーグ2位まで押し上げている。

 

先発投手が崩壊していたロッテも、石川の今季初勝利や種市が先発で3連勝を飾るなど、再建されつつある。

1番に荻野貴が座ってから、効果的な得点を重ね、チーム成績自体は日本ハムとさほど変わらない。

 

西武と楽天は、防御率が4点台ながら打ち勝つ野球で、借金1の状態。

西武は浅村の移籍や秋山の不調があるものの、山川が相変わらず、打点数が安打数を上回る4番らしい働きで攻撃を牽引。リーグ最多得点206の原動力となっている。

 

楽天は4番島内を固定し、打線の繋がりの良いアクセントになっている。

新加入のブラッシュのが絶好調で、5月8日のソフトバンク戦では7点差をひっくり返し、5月15日の日本ハム戦では8点差を逆転した。

島内の4番、外国人を打順では離す(ウィーラーとブラッシュを続けない)など、平石監督の采配も大いにハマっている感がある。

 

オリックスは明らかなる得点不足。

山本由は榊原が再三見殺しにされたり、守ってはリーグ最多の29の失策。

 

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ソフトバンクと異なり、投打のバランスが悪すぎる感がある。

5月17日の試合では1イニング3失策と打てないだけならまだしも、守備でも

山本由の足を大きく引っ張った。

 

投手が安定している訳なので、監督の考え方次第ではチームとして浮上できる可能性はあるが果たして交流戦までに借金を完済できるか。

 

正直、この混戦は予想していなかった。

みなさんはこの混戦をどう感じているだろうか。

 

 

そして… 

この1週間で筆者が思ったことが1つある。

上述したが、リーグで7点差・8点差を逆転されてしまうことが2回も起きた。

 

特に日本ハムは昨年西武に終盤8回に8点差を追いつかれ逆転サヨナラ負けを喫したことがあるだけに、今年も相手は違えど同じことが起きてしまった。

 

この日は、ブラッシュに2本の本塁打で6打点を献上した。

4回裏にブラッシュに満塁本塁打を浴びてから、日本ハムは1点も取れていない。

4点差と言うのはよく“満塁ホームランで追いつかれる点数”と言われるが、現在の野球ではセーフティーリードとは言い難い。

点差があると盗塁が記録されなかったり、送りバントが報復の対象になるわけだが、この根底も少し疑うべきなのではと感じてしまう。

 

野球は流れのスポーツだ。

点が入りやすい展開と言うのは、1-0の試合展開の空気感が異なる。

だからこそ、1球の配球、一つの中継プレー、1つの走塁。

こう言ったことが雑にならないで欲しい。

5月15日の試合は投手継投が表立った原因だったかもしれないが、こう言ったことが気持ちの中で雑になっていたかもしれない。

 

リーグ戦の中断、交流戦の始まり、リーグ戦の再開、と空気感が変わるタイミングが来るが、流れを掴むのはきっと大切なことを守っていくことだと感じる。

 

疲れも出始める頃、選手にはケガに気を付けて“大切なことを守りながら”プレーしてもたらいたいものですね!

 

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最近、「すべて、こっちの責任。」の意味が分かってきた筆者です… 

 

稚心を去る②~子どもっぽい心を捨てる~

 

前回のブログの続きになるが

 

saiyuki6.hatenablog.jp

 

 

僕がこの本を手にした時は、物事が比較的うまく行っていて楽しい時間だった。

もちろん、いつもヒントや答えを探しているからこの本を手にした訳だが、そんな時には大切なことは入って来ないものだなと痛いほど感じる。

 

この本を読んでもらえればと思うが、稚心とは「子供っぽい心」のことで、幕末に生きた橋本左内と言う武士がわずか15歳と言う年齢で著書に書き記したものらしい。

『稚心を去る』とは

「子どもっぽい心を捨てなければ何をやっても決して上達しない」と言う意味らしい。

 

栗山監督もこの章で

「成長を妨げているのは、“子どもっぽい心”要するに“わがまま”であるケースが多い。みんな心の中に“大人の心”と“子供っぽい心”が共存していて、うまくいかないと、すぐに、“子どもっぽい心”が出てきて、人を“わがまま”にさせる。そして、余計なことまで考えて、いつもイライラしている。」

 

と述べている。

 

これを読み返したとき、まさに僕のことだなと…

 

僕の場合にはイライラすると言うより、余計なことを考えて恐怖感を覚えてしまうことだ。

これも“わがまま”の一種なのだろう。

どうしても自分が可愛くなってしまう。そんな子供っぽさが結局、前回記述したが、幻覚や亡霊を生み出し、大切なモノを持って行ってしまった。

 

前回のブログのサブタイトルにした ~心身脱落~ の欲を捨てると言うことと“子どもっぽい心”を捨てることは同じなのではないかと感じた。

 

結局、過度な欲は“わがまま”でしかないのかもしれない。

それを勝ち取ることが必要な時もあるが、それで幻覚や亡霊が出てきて恐怖感に苛まれてしまうのであれば、元も子も無い。

やっぱりそう言うものなのかもしれない。

 

前述のブログで石井一成の話をしたが、彼にも同じことが言えるのかもしれない。

彼が“子どもっぽい”かは別として、やっぱりプロ野球選手である以上、1軍で生き残りレギュラーを勝ち取らなければ、成功したとは言えない。

その中で、自分のプレーをするプレッシャーは並大抵の事ではないと思う。

でも彼は、高校時代に強豪校で甲子園に出場し、大学ではショートのレギュラーだった。

自信は必ずあったはず。1年目はそこそこやれたが2年目にうまく行かなかった。

うまく行かなかった時に“子供っぽい心”が出てきて、「失敗したくない、何か言われたくない」と言う“わがまま”が出てくる。

なんとなくそんな感じがする。

 

僕は、彼が属している組織の上司が栗山監督であることが羨ましい。

きっと、石井自身がどんな気持ちでプレーしているかは、一番わかってくれていると思う。

僕は憶測でしかモノを言わないが、栗山監督は違う。

 

そう言う上司なのだから、自信を持ってプレーして欲しい。

先発で使ってもらって、見逃し三振を2つもすることが栗山監督にとって辛いことであることは想像に難くない。そう言う想いが大人になることなのかなと“他人の事”なら思える。

 

 

栗山監督はこうも述べている。

プロ野球選手を見ていると、プライドが邪魔して、恥ずかしさに耐えられなくなってイライラしたり、無駄に抗ったりしているように感じることがある。人前で恥ずかしい思いをする。でも、やるんだ、みたいな選手の方がやっぱり伸びていく。恥に耐えられないのは“子どもっぽい心”が顔を覗かせてしまって、それを受け止めきれないからなのだと思う。」

プロ野球選手では無いが、僕自身、失敗したくないからいつも行動が遅い。

それは恥をかきたくないからと同義だ。

今回は失ったモノが大きいから、そう言うモノと向き合えるようになったが、今度行動に移す時また必ず“子どもっぽい心”が出てくると思う…

 

個人的なことはこれ以上割愛するが、やっぱり大切なことはいつも何かと繋がっていて、見失った瞬間に自分に返ってくる。

 

これだけ大切なことが分かっている監督が指揮を執っているファイターズでも、常に勝つことが難しいことを考えると、プロ野球の世界と言うのは厳しい。

 

  

交流戦まであと3週間ほどある。

そこまでに故障者がみんな戻ってくる。

 

平成最後の更新で、“形”が見えないと言う内容を書いた。

 

saiyuki6.hatenablog.jp

 

栗山監督も数日後のコメントで同じようなことを言っていて笑ってしまったが、故障者が戻ってきて“形”を作って交流戦で一気に抜け出して欲しいところだ。

 

その“形”の中に石井一成が一つのピースとして入っていてくれることを願って今回の更新とする。

 

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稚心を去る① ~心身脱落~

 

今回は筆者個人的な話と、ファンの選手(=推しメン)、栗山監督の話を2回に分けて更新しようと思う。

 

標題は今年の2月にファイターズの栗山英樹監督が出した著書のタイトルだ。

 

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その本の中に、『答えが無いからこそ、ヒントを探し続ける』と言う章がある。

その中で、

「オフの日にヒントを求めて歩き回るのは、日頃、むさぼるように本を読んでしまう理由にも通ずるものがある。負けた悔しさから、試合後、食事も取れずにずっと本を読んでいて、気付いたら外が白んでいた、なんてことも何度もあった。 ~省略~ 変な言い方だが、決して読書が好きなわけではなく、監督をやっていて、いつも何かヒントが欲しくて読んでいる。いわば“欲しがりの読書家”だ。

人はつくづく答えを見つけたがる生き物なのだと思う。でも、野球には答えがない、もっと言えば人生には答えがないから、ひたすらヒントだけを探し続けている。」

 

と書いてある。

 

立場は違えど、僕自身も同じだ。

子供の頃は本を読むのが嫌いで、読書感想文も親に書いてもらったり、課題図書も読まないようなタイプだった。

大人になり、それこそ答えの無い現実に身を置くようになって、暗闇の中で答えを探し求める中で、たくさんの本を読むようになった。

 

その中で、栗山監督の著書は出版されると必ず読んでいるが、今の僕にはこの『稚心を去る』と言うのが、必要な要素なのかもしれない。

 

ここからは本当に個人的な話になるが、僕の中では大きなモノ(コト)を失うことになった。(物理的な何かと言う訳ではない…)

普段から本を読んだりしているが、それでは気持ちが落ち着かず、禅宗のお坊さんのYouTube動画に出会った。

 

その中で

心身脱落(しんじんだつらく)

と言う言葉が出てきた。

 

これは鎌倉時代曹洞宗の開祖である道元が悟りを啓いたと言われる言葉なのだとか。

 

人間には欲がある。それが行動の原動力にはなるが、それが過度になると成功の妨げになるものだと言う。

 

何が何でも成功したい、絶対に失いたくない、そう言う欲が結果として凶と出てしまう。人間の欲と言うものはそういうものなので、そう言う心身の欲を捨てることを心身脱落と言うらしい。

 

まさに今回は、欲と言うか、“欲から来る恐怖心”が大切なモノ失う要因となった。

 

この“恐怖心”は他でも無い、自分自身が作り出した幻覚であり亡霊のようなものだ。

 

結局、僕は自分が作り出した幻覚と亡霊に大切なモノを持ってかれてしまったのだ。

 

その亡霊とやらは、大切と思っているモノをいざ失ってしまうと、どこかへ行ってしまった。

それが欲から来るものなのか自分自身の弱さなのか分からないが、その亡霊が二度と自分の中に出てこないように、“心身脱落”と言う言葉を胸に秘めて生きて行きたいと思う。

 

そして野球の話に戻ります。

 

アイドルや野球選手には推しメンが決まる瞬間と言うのが僕の中にはある。

そしてその選手と言うのが今年、石井一成に決まった訳で、そんな自分と共感できる部分が多く、応援したいと思ったのが一番だ。

 

 

昨年彼は、打撃が上向いてきたところで致命的な送球エラーから調子を崩し、一軍の戦線に戻ってくることが出来なかった。

 

そんな彼は今年、開幕スタメンを勝ち取った。

しかし、10打席ヒットが無いまま2軍落ち。

ファームの試合でも、消極的な打席が目立ったが、5月7日の浦和の試合で本塁打を含む2長打で1軍の切符を再び手に入れた。

 

9日に登録即サードでスタメンに起用されると、最初の守備機会で失策を記録。

終盤の重要な局面で、ライナー飛び出しで走塁死となる。

今季初安打を記録するも、心象の悪い内容となった。

翌日も安打を放ち、11日には今季初打点も記録。

 

失敗をするとイライラするし、打てば心から嬉しい。

そう言う選手と言うのが、本能的に応援する選手なのだろうと言うことで、推しメンが確定したわけだが、打席や守備で消極的なプレーが随所に見られる。

 

恐らく、失敗したくない、ファームに落ちたくない、そういう幻覚や亡霊に取りつかれているのではないだろうか…

彼の去年からの経緯を考えれば当然のことだと思う。

 

栃木の強豪、作新学院でキャプテンを務め甲子園にも出場した。早稲田大学に進学し、強肩強打の遊撃手としてファイターズにドラフト2位で入団した所謂エリートだ。

 

そんな彼も3年目で、いろんな事を考えてしまうだろう。

 

幻覚や亡霊が、打席ではボールへの入り方、守備では1歩目の動き、走塁でも焦りからライナーで飛び出したり、翌日は逆にスタートが遅れた(進塁=得点できなかった)りと彼の一つ一つプレーに現れて見える。

 

背負っているモノが違えど、最近の僕と同じように見えてならない…

彼はもともと、難しいボールでもヒットにできる高い技術を持っている。甘いボールをしっかり打つことが出来れば、3番を打てるくらいのポテンシャルはあるし、守備面も中島卓に次ぐ守備力を本来は持ち合わせている。

それを発揮できるかがプロの世界なのかもしれないが、彼には培ってきた経歴や高い能力がある。

それを自分自身で作り出した幻覚や亡霊になんかに潰されたりして欲しくない。

 

僕個人の話に戻るが、

自分で決めた舞台で戦うと言うことは、そう言うものと戦わなければいけないと言うことを僕自身がこの歳になって身を持って感じた。

 

長くなってしまったが、次回は一緒にそう言うモノと戦って行きたいと言う思いも込めて、その処方箋を、自分自身への戒め、彼へのエールとして、栗山監督の話と絡め更新していきたいと思う。