田中賢介と言う存在
昨日は仕事があって、ライブでは見ることはできなかったが、帰宅後ビール(この日は賢介お疲れ様と言うことで発泡酒では無くビール(笑))を飲みながら、録画を観て涙する一夜を過ごした。
(このシーンが一番、涙が止まらなかった・・・)
僕がファイターズのファンになった時(東京時代)には田中幸雄選手と言う絶対的なショートが居た。
その田中幸雄のショートの後継者として、1999年ドラフト2位で東福岡高校から入団した。
僕は子供ながらに、後継者と言うからには、
「幸雄さんと同じようにたくさんホームランを打ってくれる選手なんだ!」
打席は左で、グリップをお腹のあたりまで下げたバッティングフォームで、
「面白い打ち方をする選手だな!」
と思っていた。
親にせがんで、東京ドームへ観戦に行って賢介が出場する試合では
“賢介コール♪”をするのがすごく楽しみだった。
実際には、外野フライを簡単に打ち上げてしまい、あまり打つ記憶は無く。
「本当に幸雄さんみたいになるのかなぁ…」
そんな印象だった。
実際には幸雄さんみたいでは無く、
唯一無二の田中賢介と言う選手になった。
僕が田中賢介と言う選手を想う時、2つのエピソードが頭に思い浮かぶ。
一つ目は、
彼はショートとして入団してきたが、送球難を抱えていた。
それを克服しようと必死に練習をしたと言う。
しかし、送球が不安で、後ろのポケットに忍ばせているロジンバック(滑り止めの粉)を常に触っている状態で、手がただれてしまったと言う…
これを聞いた時、「本当に心の強い選手なんだな」
と、高校生だった僕にはものすごく衝撃だったのを覚えている。
彼のそんな強い信念と、当時のヒルマン監督が守備の負担を減らし打撃を生かすため、賢介を入り口として何試合かレフトで起用した。
1軍での打席数を積み重ね、レギュラーとしての経験を得ながら、送球難を克服し代名詞であるセカンドのポジションを勝ち取った。
引退会見での「2006年の日本一が最も印象に残っている」と言うコメントにはそんな辛さを乗り越えた充実感があったのかもしれない。
二つ目は
彼は頑固者だと言うエピソードが有名だが、こんな話がある。
白井一幸さんが2軍監督時代に
ある日(田中賢介に)「全力でプレーしろ!」と言い続けてきたときに、突然、彼がわたしの目をまっすぐ見据えながら「全力の意味はなんですか?」と尋ねてきました。
(白井さんは)
考えもしなかった質問に思わず「全力の意味なんてねえよ!全力は全力だ!」怒鳴って終わらせてしまったことをおぼえています。
(略)
周りのコーチから「白井さん、いつか賢介に刺されますよ」
と言われるくらいわたし(白井さん)と賢介の関係性は冷えきっていました。
『北海道日本ハムファイターズ流一流の組織であり続ける3つの原則』より
このエピソードは白井さんが指導者としての信念を振り返る時、田中賢介への指導がキーポイントになったと言う一例として記述されている部分を取り上げたが、僕はこんな一幕があったなんて夢にも思わなかった。
指導者を困らせる程の頑固者であると同時に、納得できないことについては、監督であろうと正面から向き合っていく選手としての信念みたいなものを感じた。
(そんな白井さんと賢介の関係性にあっても白井さんは)
グラウンドに出てくる彼(賢介)の表情を見て「俺と顔を合わせたくないんだろうな」と感じつつも、遠くで練習している場所に自ら近づいて行って、繰り返し同じことを毎日伝えるのです。
「白井さん、なんでそこまでやるんですか?」
ある日、見かねたコーチから言われたことがあります。
「彼は必ずできる人間なんだ。でも今のままだとその他大勢の普通の選手になってしまう。彼は球界を代表する、ファイターズを牽引するプレイヤーになるんだ。今関わらないでいつ関わるんだ!」
こう返したことを覚えています。
理屈では説明がつかないことです。ただ、田中賢介というすばらしい才能との出会いのよって、指導者としての確信めいたものが私の中に生まれていました。
田中賢介と言う野球選手としての人間性・才能・努力する姿を凝縮したようなエピソードではないかなと僕は思う。
野球選手に限らず、一般の社会で才能があっても、指導者に迎合し自らその才能を潰してしまうことは往々にしてある。
僕個人的な意見としては、指導者側に問題があるケースがほとんどだと思っているが、賢介のように、自分の考えをしっかりぶつけること、仮に指導者(上司)とのソリが合わなくても、自分を信じて努力を続けることは、決して簡単なことでは無いと思うのだ。
そんな頑固者の信念は開花し
2006年:125試合に出場
初の規定打席到達で
打率.301 犠打34
と2番打者として日本一に貢献した。
そして
ベストナイン:6回
(二塁手部門:2006年、2007年、2009年、2010年、2012年、2015年)
ゴールデングラブ賞:5回 (二塁手部門:2006年 - 2010年)
と球界を代表する二塁手としてファイターズに大きく貢献した。
賢介がセカンドのレギュラーになってから、彼がセカンドに居ることが当たり前になっていた。
メジャー移籍しセカンドがポッカリ空いてしまった時にその存在感の大きさを改めて感じた。
ファイターズの二遊間の歴史は
田中幸(遊)-金子誠(二)
金子誠(遊)-田中賢(二)
中島卓(遊)-田中賢(二)
(個人的には)この3パターンが本当に定着した二遊間だったと言える。
間に奈良原や木元、西川や中島卓がセカンドに入ることはあったが、レギュラーと言う感じでは無かった。
セカンドがしっかり決まってこそ、ファイターズは優勝してきた。
そう考えると田中賢介の功績と言うのは、派手では無いが偉大なものがある。
最後は、チームのゼロ封を打ち破るタイムリーヒット、1499本目のヒットで最終打席を終えた。
最後の最後まで賢介に頼る結果になってしまったが、本当に鳥肌が立った。
涙を堪えきれない中の打席で、最高の技術をファンに見せてくれた。
なにより、野球選手としての強さ、お父さんとしての優しさが詰まった引退試合だったなと、引退会見、最後の4打席、セレモニーでのあいさつ、を見て涙ながらにそう思った。
白井さんとの関係性やレギュラーとして第一線で活躍した経験は、指導者として望まれる存在だ。
しばらくは、パパとして子供たちと過ごす優しい時間を大切にしながら、きっとあの鋭い眼光の先に目指すものに向かって進んでいくに違いない。
またファイターズと言うチームで会えるのを楽しみにしている。
東京時代からの選手が居なくなってしまうのは本当に寂しいが、
ファイターズと言うチームに居てくれて、ありがとうございました。
田中賢介選手、20年間本当にお疲れ様でした。
(賢介と言えばこの送球スタイル)
(この笑顔は今年のチームには欠かせなかった)
(1499本を放ち進化を続けた打撃フォーム)
責任は取るものではなく、果たすもの
日本ハム栗山監督、今季終了後に進退伺 8月20敗で大失速…3年連続V逸の責任重く
https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2019/09/24/kiji/20190924s00001173105000c.html
球団としては、栗山監督に続投の要請をすると言う記事が出ていたが、吉村GMとの会談でどのような結果になるか…
僕個人的な話をすれば、
栗山監督には続投して欲しい。
せめてあと1年・・・
それはファイターズと言う最も愛すべきチームの指揮官が、僕の人生に与えてくれる影響がものすごく大きい
特に、自分が大きく変わろうとしているこの時期に、監督と言う立場から退いてしまうと言うのは、羅針盤を失うようなものだ…
僕は5年くらい前から、栗山監督の口癖である「全部こっちの責任」と言う言葉を好き好んで使っていた。
それは、仕事をする上で必要な考えではあったが、“なんとなく好き”で使っていた部分はあった。
しかし、今年に入ってだんだんその意味が分かるようになってきた。
「全部こっちに責任」なんだけど、それがどうすることもできないことだったりすると、頭の中が混乱することもあった。
しかし最近は「ある意味ではこっちの責任ではない」と言う考え方が出来るようになって、最終的には「全部こっちの責任」の本当の意味に行き着くようになった。
栗山監督の進退が決まる前に、自身が尊敬する監督の思い(言葉)を紹介したいと思う。
組織のトップは、責任を取るのが仕事だと言われる。
もちろん監督は、チームが勝てなければ、クビになってもしょうがない。
それが一番勝ちやすい方法だと信じてやった結果、それでも勝てなかったのであれば、納得して受け入れるだけだ。
その経験が少しでもチームの、そして選手の糧になればいい。
ただ一方で、はたして監督がクビになることで、責任を取ることになるだろうか?
と言う思いもある。
自分が辞めたくらいで、きっと責任は取れない。
取れるわけがない。
でも、もし自分が進退をかけることで、選手のためになれることがあるんだったら、そんな幸せなことはない。それで充分だ。
本当に考え方次第なのだと思う。
世の中にこんなに大勢の人がいて、こんなにたくさんの野球をやっている人たちがいて、そんな中で、勝ち負けの責任が自分にある場面で野球ができるなんて、そんなに嬉しいこと、そんなに喜ばしいことはない。
だから、そんなことでへこたれている場合じゃないのだ。
「今度は必ずやってやる」と思えばまた頑張れるし。
責任は「取る」
ものではなく「果たす」もの。
「果たす」ことが、指揮官の責任だ。
『稚心を去る』より
この本は今年の2月に出版されたものだが、みなさんはこの言葉を見て何を感じられただろうか?
上記の記事にもあるように、辞意を示したものでは無く、進退伺いだから、
球団から
「監督としての責任を果たせ!」
と言われれば続投してくれると信じている。
優勝を逃し、クライマックスシリーズ進出も果たせず、と言う事実が今年の結果だ。
でも、果たして今年の結果は
栗山監督の責任で済まされる話だろうか?
もちろん、勝敗の責任は監督にあると言うのは僕も同感だ。
現場を預かる人間が他人のせいにし始めたら、それは組織の崩壊でしかない。
今シーズンの振り返りは、田中賢介を見送ったらたっぷりしようと思っているが、
果たしてチームを編成している側面においてはどうだったか?
新外国人のハンコックとバーベイトは全くと言って良いほど戦力にならなかった。
ドラフトでは吉田輝星を始め、高卒ルーキーを中心に獲得した裏では、大卒で福田、社会人卒で生田目を獲得しているが、即戦力にはならなかった。
逆に結果が良ければ良いと言う問題でもなく、秋吉の獲得は本来クローザーを想定したものであったのか?
金子弌大はなんのために獲得したのか?
監督と言う立場上、今ある戦力で戦って行かざるを得ない。
そのことも含めて、
栗山監督が悪者になって退任していくことだけはやめて欲しいと思っている。
栗山監督は一般的な考え方とは1歩も2歩も先に進んだ考え方をしている。
僕自身
「その意味が理解できへんのやったら、監督の批判なんかすんなや!」
と思ってしまうこともある。
野球個々の采配に関しては、賛否があっても良いと思う。
もちろんファンはそれが“仕事”でもあるから。
批判されることも含めて、現場のトップが果たす責任は非常に辛い。
もう一度言うが、せめてもう1年その責任を「果たして」欲しい。
それまでに僕も、しっかり「稚心を去る」約束を監督としたいと思う。
その願いを持って、今回の更新としたいと思う。
締めの1試合(ファームレポ)
ファイターズは
今日の対ロッテ戦をもってBクラスが確定…
残り試合はいわゆる消化試合と田中賢介・實松両選手を送り出すだけとなった。
そんな今日は、鎌ヶ谷スタジアムに今年最後のファーム観戦に行ってきました。
だいたい公式戦の締めは鎌ヶ谷となることが多く、今年も“締めの1試合”になりました。
さてさて今年最後のファームレポです!
2019年9月22日 @鎌ヶ谷スタジアム
試合時間:3時間22分
1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
巨 3 1 1 0 4 0 0 0 7 16 13 0
日 0 4 0 0 1 0 0 0 0 5 3 2
勝 藤岡
負 中村
<戦評>
巨人は1回表に無死満塁のチャンスを作ると、押出しと立岡のタイムリーなどで幸先よく3点を先制。2回裏に9番姫野がレフトへ満塁本塁打を放ち試合をひっくり返すも、ファイターズ先発の中村が失点を重ね5回9失点。
結果、巨人は16安打13得点で快勝。
ファイターズは姫野が2打席連続の本塁打を放つも散発3安打と、投打に精彩を欠く試合となった。
<今日のMVP>
5打数2安打で先制の足ががかりを作った巨人松原選手。
ファイターズ先発の中村の緩い変化球を逆方向へ強い打球を飛ばし、2本の二塁打で相手先発投手の攻略に貢献し、リードオフマンとしての役割を存分に果たした。
巨人の場合は1軍の壁がどうしても厚いが、来年は1軍で活躍して欲しい存在だ。
<今日の独り言>
中村勝(5回9安打9失点)
ストレートも良いボールと悪いボールのバラつきが激しかった。
変化球も高めに浮く傾向にあり、緩急を武器にする投手としては1球1球の精度を上げて行かないと、アウトを重ねることはできないので来年以降は頑張って欲しい。
生田目
制球に苦しみ7失点と良いところ無し。
彼は即戦力で獲得した選手だ。
ストレートの早さがクローズアップされたが、実際はスライダーの切れがプロのレベル。
社会人卒で与えられるチャンスはあまり多くはないことを考えると、来年は制球力と球威をプロのレベルに上げて行かないといけない。
森山
甘いボールを見逃し、セカンドストライクをファール。カウントが厳しくなって、見逃し三振と空振り三振を1つずつ喫すると言う最悪の内容。
沈黙した打線の中にあっても今日のワースト選手。
今年観てきた中では、ようやく芽を出し始めた選手。
ボールの見逃し方や打球の質が、日に日に良くなっている。今日は3打数0安打1四球だったが、成長を感じる選手だ。
1軍でポジションを掴むためにすべきことはあるが、応援したいと思う。
海老原
巨人先発藤岡のスローカーブに顎が上がってしまい、バランスを崩されてしまう。
やはりプロのレベルと言う壁にぶつかっている感は否めない。
長打を打てると言う魅力を生かすためにも、プロの水に早く慣れて欲しいところだ。
姫野
3打数2安打2本塁打5打点とチームの全打点を稼ぐ大活躍。
もちろん
彼以外にファイターズのMVPは居ない
と言う孤軍奮闘ぶりだった。
左打席では結果が出ない中、右打席でパンチ力を見せつけた。
むしろ、右打席に専念しても良いのではと、今年1年観てきて感じさせる2発だった。
藤岡
ファイターズ打線を6回3安打5失点
内容は良くても結果が伴わない典型的な投手。
新天地でも相変わらずな投球だ。
坂本工
シーズン序盤は1軍で活躍したこともあって、球威は光るものがあった。
3回を投げ0安打無失点と結果も残した。
1軍の短期決戦で投げることがあるかも…
中島
2本塁打4打点と大活躍。そもそも優勝の翌日にファームの試合で5番を打つべき選手ではないので、2本塁打もMVPに値しない。
立岡
3打数2安打3打点とさすが1軍レベルの選手と言う結果と内容。
こういう選手をファームで眠らせておくとか、さすが巨人。
湯浅
事前情報で、素晴らしい選手との情報が…
打席では結果が出なかったが、ショートの守備は一級品。
ゴロへのアプローチ、肩の強さは本当に光るものがあった。
小柄だが、体幹の強さを感じるし将来楽しみな選手だ。
<今日の鎌ネタ>
今日は記録をオーロラビジョンに掲示する方へちょっとしたエールを(笑)
1回表、2番山下航のレフト前ヒットを海老原がファンブル。(山下は2塁へ進塁)
記録はHのランプも公式記録員から訂正が入ったのか、次の打者のカウントが進んでから、エラーが付いた。
しかし、ビジョンのランニングスコアの表記は守備機会の無い巨人にエラーが付いていた。
スコアを付ける人はあれが頼りなので、そこは・・・
BSOも1回間違っていて、鎌ヶ谷のハイクオリティのオーロラビジョンがあるのに、インジケーターが必要かなと思う瞬間も・・・
そして自分もスコアを付ける中で球数を間違えると言う失態・・・
野球のプレー以外で、ボーンヘッドが際立つ1日でした。
<感想>
今年ファイターズのファーム観戦は
7試合で3勝4敗
チームの勝率を考えれば、十分な数字(笑)
しかし、ファームは
結果よりも内容や選手の成長、選手の気持ち
を大事にしたいと思っている。
今日の試合に限っては姫野が気を吐かなかったら、あれだけのお客さんが来ている中で、ファンをがっかりさせるような内容だった。
でもそうやって、姫野のようにずっと打席で結果が出なくても、必死にやってきたことが、満塁本塁打とソロ本塁打の2打席連続と形となって表れる。
こう言うことが素晴らしいことと思うし、野球を観る者としてしっかり観て行かないといけない部分だなと感じる。
個人的にはこの1年、
万波の成長を最も感じたし、上記でも述べたが、高濱も芽を出し始めた。
投手では北浦が前半はずっとローテーションを守り、1軍の舞台でも勝利をあげた。
ファイターズと言うチームはもう来年に向けて動き出す状況になった。
来年以降も優勝を目指していく中で、鎌ヶ谷で頑張る選手たちの活躍はしっかり見届けたいと思う。
今日は、球場から鎌ヶ谷駅までを徒歩で帰ると言う初の試み(笑)
すごい道(解釈はお任せします(笑))を歩いたあと、急勾配を登るも、道を間違えていることに気付く(笑)
人生には登ってはいけない坂があって、間違いに気づいたら素直に引き返して、また正しい坂を登ることが大切だなと・・・
そんなことを考えながら、今シーズン最後の公式戦の球場を後にしました(笑)
お帰りは徒歩でした!
僕は泣いてはない
『最初に言っておくが、僕は泣いてはない。いろんなところで「監督が泣いた」と書かれていたようだが、泣いてはない。確かに涙ぐんではいた。』
栗山英樹 著 『最高のチームの作り方』より抜粋
これは2016年の日本一になった後に書かれたもので、日本一になった時のことを監督自身が振り返っている。
涙ぐむと、泣いてはない!の違いは何なのか!?(笑)
昨日はお一人様の休日で映画を観てきた。
天 気 の 子
いろんな人から“天気の子”良いよって言われていて観に行った訳だが、
僕は栗山監督と一緒で泣き虫だから、本来そんなに泣くような映画じゃないのかもしれないけど、号泣して、目が腫れあがってしまう始末…
間違っても、「僕は泣いてはない。」とは言えない(笑)
このブログは映画の批評をするものでは無いし、映画の内容は“ネタバレ”になるので差し控えるとして、ちょっと感じたことがあったので、少しだけ・・・
この映画を観たよ!と言うと、だいたい新海誠監督の話になる。
『君の名は』との比較や、新海監督の世界観みたいな話題になるが、僕は普段から映画やアニメを観る方では無いし、初めて観た新海監督の作品で世界観がどうとかなんて語る資格なんてないと思っている。
ただ、スクリーンを通して感じる世界観はあるし、僕が好きなストーリーであったことは間違いなく言える。それはあの涙の量が正直に物語っていたと思う。
さ て さ て 本 旨 へ
僕は泣いてはない!の
栗山監督が常々、「我々は野球を通じてファンに感動を与える使命がある」と言う言葉を使う。
落合博満氏も野球の監督と映画監督の仕事には通じるものがあると『采配』の中で記している。
落合監督は「勝つことが一番のファンサービス!」と言う世界観で、様々な批判を浴びながら常勝ドラゴンズを築いた。
栗山監督はそれこそ劇場型の采配で、いろんな感動を与えてきた。
これもたくさんの人が批判していることは分かっている。
過去には大谷翔平の1番ピッチャー起用や、選手の出身地の地方球場で、先発出場させたり、少し脚本家的な要素も含みながら采配を振るっている。
それは“無形の力”が選手個人の力を引き出すと言うことにもなるが、あえて言うならばバランス感覚に欠けてしまう部分は否めない。
これは映画を観ない僕が新海監督の世界観を他の映画監督と比較できないこととは違い、野球は20年近く見ているから、微力ながらそこに批評を加えることが出来る。
監督はあくまでも中間管理職だ。
栗山監督も『未徹在』の中で、監督は中間管理職だと述べているが、やはり現場のトップとして、バランス感覚を重視しなければいけないこともある。
今年は、オープナー(ショート・スターター、栗山流オープナー)で投手コーチとコンセンサスを取ることが非常に難しい部分はあったと思う。
しかしどこまで、
監督の意向が(を)
①コーチに伝わっていたか?
②選手にコーチが伝えることが出来ていたか?
③選手が何を感じてプレーしていたか?
④ファンが結果を観てどう受け取ったか?
僕は今年、ここに疑問に感じている。
バランス感覚とは無難に行くこととも少し違う。
しかし、①~④のバランスを勝っていきながら保っていく必要があると思う。
最近、栗山監督への批判の記事が紙面を踊るようになり、身近にも手のひらを返したように栗山監督をディスる人が増えた。
マスコミはお仕事だし、個人の意見をどうするとか言う問題では無く、
尊敬する人が批判にさらされている時に何を思うか。
やっぱり、
栗山監督の野球観が今年は結果に結びつかなかったなと言う感想は禁じ得ない。
こう言う時と言うのは、
どこかで意思の疎通が間違っている
ことが多い。
その意思の疎通がどこで食い違ったのか?
それを修正する方法はあるのか?
監督とコーチは特にそこの食い違いを放置したまま、前に進まないで欲しいものだ。
映画も野球も、感動を与えられる一つの作品であることは共通している。
多くの人が携わり、大きな作品として仕上げていく。
結果がどうであれ、
映画監督の世界観が、
スクリーンを通して理解されるか
野球の監督で言えば、
フィールドで選手がその野球観を体現できるか
久しぶりに映画を観てそんなことを考えながらの更新でした。
次はこれを観たいなと予告編に洗脳されて帰ってきました(笑)
多部ちゃん大好きなんで…
怒りのマネージメント
仏教の世界では
人間における3つの毒があるとされているらしい。
貪・瞋・痴(とん・じん・ち)
人間のもつ根元的な3つの悪徳のこと。自分の好むものをむさぼり求める貪欲,自分の嫌いなものを憎み嫌悪する瞋恚,ものごとに的確な判断が下せずに,迷い惑う愚痴の3つで,人を毒するから三毒,三不善根などとも呼ばれる。
※文献引用
貪(人間の欲望)
瞋(怒り・憎しみ)
痴(愚かさ)
僕がこの考えに触れる機会があったのは最近のことだが、自分の心が暴走しないよう、セルフコントロールを会得したいと言う学びの中で出会った言葉だ。
実際問題、これを知ったからと言って仏のような心を手に入れられる訳では無いが、何か生きる上でヒントをもらいたいと思い、こう言った言葉を大切にしている。
今回はその中の、“瞋(怒り・憎しみ)”
僕が今もっとも取り組んでいるテーマでもあるが、そんな最中にファイターズでこんな事件が起きた。
9月4日のロッテ戦@ZOZOマリン
ファイターズ1点リードで迎えた8回、宮西がマウンドに上がるも、1アウトからサード横尾がなんでもないサードゴロをお手玉しエラー。
1死1・3塁で迎えたロッテマーティンの打球はショート平沼への正面のゴロ。
ゲッツーと思いきや、平沼のトスをセカンド渡邊が落球。同点に追いつかれてしまった。
僕は「なんのための中間守備だよ!」と独り言←
スリーアウトを取り終えた宮西はベンチで怒りを爆発させ、裏に下がって行った。
「そりゃ怒りたくもなるわなぁ…」と
僕は単純に宮西がただ単純に怒っているとしか受け取らなかった。
後日の記事↓
【日本ハム】渡辺、汚名返上アーチ…失策で宮西から「正座せえっ!」続けてかけられた言葉は
https://hochi.news/articles/20190907-OHT1T50228.html
責任感のある宮西らしい良い話だが、怒りを表すことの難しさを改めて考えさせられる一幕だった。
仏教の世界で、なぜ怒りの感情が“三毒”の一つとして扱われ、その扱いについて説かれているのかと言うと、その感情が自分を傷つけ、時には他人に危害を加える膨大なエネルギーであるからだと言う。
僕が今なぜ、そのテーマを大事にしているかと言うと、怒りと言うと語弊があるかもしれないが、自分自身が八つ当たりの対象になりやすいと言うこと、またそのことでイライラして、自分を傷つけることから解放されたいからだ。
世の中にはそんな構図はいくらでもあるし、ブラック企業だのパワハラの類って、結局はそこに行き着くものだと考えている部分もある。
(いつかはこのテーマも扱って行きたいと思っている)
逆に、その“怒り”の感情がプラスに働くことも多くあり、その感情の扱いについては難しさを感じていた時に、こんな事件が起きた。
そして、
ファイターズはこの宮西の怒りがチームを鼓舞する形になり3連勝と息を吹き返した。
そんな“怒り”の感情とはどんな正体なのか、ファイターズにもたらして宮西の“怒り”のプラスの作用とは、
それを自分なりに考えてみた。
本来、“怒り”と言う感情は二次感情と言われ、もともと別の感情が“怒り”と言う感情に変化して人間の心を支配する。
主に、悲しみや不安、時には恥ずかしさ・寂しさ・不甲斐なさ、が“怒り”に変わっていく。
そのもととなる感情が無意識のうちに“怒り”の感情へと変化し、それが爆発することで自分を傷つけたり、他人を傷つけたりするものだと以前に師匠に教わったことがある。
どうしても“怒り”と言う感情をうまくコントロールするためには、この元になる感情を正しく把握し、それを冷静に、しかも、うまく表現することができることが理想だ。
4日の試合は
一流の投手の立場としては、“怒り”の持って行きようのないシーンだ。
一つのエラーならまだしも、中間守備で注文通り併殺コースに打たせて、仕事は完了のはずが、二つ目のエラーで併殺が取れず同点とされてしまった。
野手のエラーをカバーすると言う責任感も当然宮西クラスになれば持っているだろうし、逆に、「(二つの)エラーでの失点だから…」と切り替えられなければ、投球自体が苦しいものになってしまう。
宮西は記事の中で
「失策に対して“キレた”わけではない。覇気のないチーム、ミスをカバーできなかった自分のふがいなさが相まって感情が爆発しただけ。」
とコメントしている。
12年連続で50試合以上の登板をしている投手は、セルフコントロールの術をよく知っているなと、やはり驚かされるばかりだ。
しっかり自分の一次感情を理解し、それを覇気の無いチームへ向けたものだと冷静に振り返っていた。
一方でこの1件だって、悪い方に転じる可能性だってあったはずだ。
それが原因で、渡邊のイップスが再発したり、投手陣と野手との間に亀裂が入る可能性だってあった。
ただ、渡邊がこんなところで止まってしまう選手でないことを宮西は分かっていたのかもしれないし、シーズンの大半、セカンドと言う負担の重いポジションを守り抜いたことで、渡邊に与えられた次なる試練だと言うことを気付かせるものだったかもしれない。
野球も人生も結果論で語られるのは仕方ないこととして、宮西の“怒り”の感情の使い方は、ファイターズと言うチームに向けられた正しい使い方だったと思う。
仏教の世界では、“怒り”と言う感情を正しく扱えるようになるためには、人間力を鍛えることが不可欠だと説いている。
“決して欠かすことの出来ない”人間力無くして、“怒り”と言うプラスにもマイナスにも働く膨大なエネルギーをコントロールしえない、と言うことだ。
宮西は渡邊の失策のあとも、三振と三邪飛に打者を打ち取って追加点を許さなかった。
それを見れば、感情のコントロールがしっかり出来ていたと言って間違いないだろう。
チームメイトのコメントを聞けば、宮西の人間性や人間力が素晴らしいものであることはすごく伝わってくる。
栗山監督が「(負けたとしても)意味のある負けにしなければいけない。」と繰り返し言うが、まさにこの試合はそんな試合だったのかもしれない。
栗山監督自身が“怒り”を選手にぶつけない人だから閉塞感が出てしまうのは否めないが、それもまた栗山英樹と言う感情のコントロールの術を知っている人間なのだろう。
僕自身も、“怒り”の感情をコントロールできるようになるために、いろんなことを心掛けている。
“怒り”を押し殺すことも無く、真正面からぶつけることも無く、自分を傷つけることも無く、と言うのが理想だが、その心掛けが何年か後に身を結ぶこともあると信じている。
今は、心に波が立っているなと感じると
「それで(今と言う時間や物事が)成り立っているんだから良いんだ。」
と言う言葉を(心の中で)つぶやくようにしている。
まずは、心のしなやかさを作って、一次感情をしっかり“内観”できることを意識している。
1日や2日で出来るようになることでは無いし、何年もかかるかもしれないが、宮西や栗山監督に少しでも近づけるようになりたいものだ。
ファイターズはまだまだ、クライマックスシリーズを諦めた訳では無い。
田中賢介が若い頃に苦しんで、多くの舞台に立つことの出来なかった、かつてのホーム
@東京ドーム三連戦の後は、ソフトバンク三連戦と続いていく。
田中賢介はその悔しさを北海道に舞台を移してから、レギュラー定着と言う形で晴らした。
そして今年、惜しまれて引退していく(泣)
また、今年のファイターズはソフトバンクに大きく負け越している。
その悔しさを、“怒り”の感情に支配されずクラマックシリーズへの足掛かりにできるか。
そんな目で、“怒りのマネージメント”をしながら
今週からのファイターズを見守って行きたいと思う。
苦しむことには意味がある
勝てない…
ファイターズが勝てない…
中継を見ることすらしんどくなる時期がここ何年かであっただろうか…
今日は、2016年に優勝した時に栗山監督が書した『最高のチームの作り方』
のサブタイトル
『苦しむことには意味がある』
をテーマに自分が経験したことを中心に更新をしていきたいと思う(※長文注意)
ブログも楽しく読んで頂けること目的に更新しているが、半分は自分のためのやっている部分もあって、アウトプットすることの意味みたいなこともテーマにしている。
(これは読んでみたいとずっと思っている)
なので今回は、野球だけの内容を期待されている方はすっ飛ばしてもらって構いません…
僕が社会人、いわゆる大人と言われる年代に入ってから、苦しめられた二つの言葉がある。
一つは6年程前だろうか、会社の上司とこんなやり取りがあった。
上司:「例えば、社長から〇〇会長はダメだよな、お前もそう思うだろ?と言われた。そして一方で、会長から○○社長はダメだよな、お前もそう思うだろ?と言われたとする。」
上司:「そこでお前(自分)はどういう立ち振る舞いをする?」
自分」「・・・」
上司:「今のお前(自分)には分からないだろうな!」
自分」「・・・」
上司:「まぁこの答えが出るようなら、お前(自分)はこんなダメじゃないんだろうけどな!」
これには本当に悩まされた…
何か自分にできないことがある度に、このやり取りがフラッシュバックして、「この答えを出せないから自分はダメなんだ…」と気分がどんどん落ち込んでいく…
この時のしんどさと言ったら散々なものだった。年齢も若かったしセルフコントロールの術も知らないが故に、自分で自分を苦しめた。
結局なにも答えが出せないまま1年近くが経過して、目の前の仕事がうまく行かないことと、目指す目標が決まったので、転職をすることになった。
環境が変わって、
実はこの苦しんだ時間が身を結んだ。
悔しさと辛さで、その上司に答えを求めずに苦しんだことが、
結果として自分で前に進める格好になった。
(その上司の答えと一致したかは知る由も無いが…)
ファイターズの大田泰示はまさにこんな感じでは無かったのかなと、今となっては想像できる。
そして、自分の中で導き出した結論は
「態度をハッキリさせること」
だった。
環境が変わって上司や周りの人に恵まれたこともあって、ブラック企業ながら快進撃を続け、中途ながら出世コースに乗ることができた。
仕事では自分の色をしっかり出して、恋愛でも「好き」と言う表現をできるようになった。
自分の中で「これだ!」と思って突き進んで結果も出ている時と言うのは、恋愛も含めプライベートもうまくいったりしていた。
そこから結果的ではあるが、いろんなものを手放すことになり、次のステージが待っていた…(この感覚は少しスピリチュアル的な話かもしれない)
最近フリーターとなり、仕事もプライベートも人間関係が流動的になった。
ここでまた二つ目の苦しみが…
「(自分って)子供っぽいよね!」
と言われるようになったことだ。
このブログからも自分の苦しみが伺える。
そもそも自分は、子供の頃から周りの人から
「考えが大人だよね!」
とか社会人に成りたての頃、先輩から
「そんな大人な考えは要らないんだよ!」
と言われてきただけに、
この苦しみは過去との戦いでもあった。
自分が歩んできた過去はすでに歴史になっていて、一つ目の苦しみから前に進んできた歴史もある意味では否定されるような感覚さえ覚えた。
と言うのも、自分の意思を出すことが苦手だった僕が殻を破って、
「態度をハッキリ(明確に)すること」のバックボーンとして子供っぽさも必要であったからだ。
この苦しみは現在進行形だが、人間関係が流動的なため、違った考え方に触れる機会も多い。
それも、自分と同じような経験をした人の言葉はあまりにも大きい。
言葉に苦しめられ、言葉に救われる
これは僕の人生の中でも、心の奥底から出た数少ない名言になるのではないかと思っている。
※前提としてこの2つの言葉を僕に発した人に恨みがあったり、その人に傷つけられたと言う考えは全く無い。
先日、新しく始めた職場の人(先輩)とのやり取りだ。
自分:「なんで10人の人がいたら10人言うことが違うんですか?どうして良いか分からないですよ…」
先輩:「まぁそれで成り立ってるんだから良いんだろうけどね(;^_^)」
最近、この苦しみにヒントを与えてくれる人が居たりして少しずつ、前に進んでいたが、このやり取りに電気が走った。
(そうか!なんで俺はなぜこんな勘違いをしていたんだ!!)←
いろんなものが一直線に繋がった感じがした。
普通なら
「仕方ないよ!入ったばかりだし!」
とか
「統一できれば良いんだけどね!」
とか、気休め程度の言葉しか返ってこないが、この言葉には重みがあった。
むしろ、自分に足りないのは、この考え方だと突きつけられた気がした。
だからと言って、その苦しみからその場で解放される訳では無いが、
進む方向が決まった瞬間だった。
僕らが習う歴史は年号を暗記するような勉強方法だが、例えば明治維新
徳川幕府と各地の藩による政治体制の崩壊から、天皇を中心とする中央集権国家を明治新政府が建設するに至る政治・社会変革の過程。その始まりと終わりには諸説ある。1867年の大政奉還や翌年の王政復古の大号令、1868年から翌年にかけての戊辰(ぼしん)戦争、1871年の廃藩置県などを経て、国内の政治的統一が完成した。
(※文献)
もちろん自分の歴史年表にも節目みたいなものがある。
明治維新も廃藩置県があって全てが解決し、明治時代のスタートが難なく切られた訳ではないのと同じで、年号や制度施行はあくまでもきっかけで、これからも自分の中の葛藤しながら前に進んでいく。
今まではその方向性すらもなかったから余計に苦しんだ。
暗中模索とはよく言ったものだが、明かりが少し灯った。
もう少し苦しめば、きっと一つ目の苦しみのように、結論のようなものが出てくるだろう。
そしてきっと、そこからグッと前に進むとまた何年後かに、三つ目・四つ目の苦しみが出てくるのだと思う。
内側に向けられたエネルギーが外に向けられた時の自分は本当に強いのを知っているから
もう少し苦しもう!そうすればその意味がきっと後から分かるはずだから!!
ファイターズに話を戻そう!
ファイターズが現在、苦しんでいる要因にこの人の存在が頭に浮かぶ!
ここ何年かの
強いファイターズを作ったのは間違いなく白井さんだ。
それはヒルマン監督が就任するずっと前から日本ハムファイターズの再建を託された、プロジェクトXかつプロフェッショナルだ。(NHKさんすいません…)
強いファイターズにしか馴染みの無い方は、ぜひこの1冊の本を読んで頂きたいなと。
今のファイターズが勝てないチームになってしまったのは、白井さんが居なくなってしまったことが大きいなと、この本を読みなおすと本当に感じる。
日本ハムファイターズは札幌に本拠地を移転し2004年から北海道日本ハムファイターズとなり、
日本一2回
リーグ優勝3回
クライマックスシリーズ優勝4回
Aクラス11回
と常勝チームへと変わった。
2004年にヤクルトから稲葉を獲得し、この年のドラフトでダルビッシュを獲得してから、スカウティングと育成をテーマに、大きなFA市場に参入せず、その年の一番の選手を獲得することを第一に、育てながら勝つと言う難しいことにチャレンジし、強いチームを作り上げ、今もその完成形を見ない。
さらに今年は、
オープナー制(ショート・スターター/栗山流オープナー)
アナリスト野球(極端な守備シフト/OPSを軸にした打順構成)
を導入してシーズンを戦っている。
読売やソフトバンクのように大きな原資でチームを強くするのでは無く、限られた中で様々なことに取り組んできた成功体験は、最初の壁にぶつかり始めているのだろう。
それは今年の異常な数の故障者や、大型連敗に顕れてしまっている気がしてならない。
(結局戻って来れなかったか…)
(もちろんこの人のアクシデントも…)
もちろんこの内容については、シーズンが終わったらたっぷり振り返ろうと考えているが、今ファイターズが苦しんでいる最中で、苦しむことの意味みたいなものを少しでも伝えられたらなと思う。
結局苦しんでいるのは自分(たち)の問題なんだ!
23年近くファイターズを応援してきて、2019年シーズンがどんな結末になるか分からないが、こう言う状況になったら最後はどんな結果になっても笑いたい。
そりゃ、クライマックスシリーズに出場できず、おまけに最下位なんて結果になったら、窓ガラスを1枚くらい割ってしまうくらい悔しい。
(※決してモノに当たってはいけません!)
でも
「チームがそれで成り立っている!」
と考えることができれば、
これまで以上にファイターズと言うチームを好きでいれるだろうし、もっと応援したいと思える。
そして、こんな僕と野球を一緒に観たい!野球の話をしたい!
と言う人が1人でも増えてくれることが、一つの方向性になった。
(先ほど紹介した“アウトプット大全”の著者の樺沢紫苑さんがこれからの時代は目標より方向性が大事と説いていて共感している。)
だから、いろんな知識や体験をもっともっと増やして行きたい。
今は苦しみが先に来ているが、僕もファイターズも、
「苦しむことに意味があった!」
と言えるように前に進んでいきたいと思う。
本当に長くなってしまったが、最後まで読んで頂いた方には感謝の意を表して今回の更新にしたいと思う。
吉 田 乃 星 未 輝 (ファームレポ)
秋雨前線が日本上空に停滞しているにも関わらず、ここぞとばかりにファームの試合を観に行く日は好天と言う、晴れ男ぶりを発揮する筆者です。
甲子園観戦では、台風を追いやり、いつもは単独で観に行くファーム観戦も今回は仲間と観に行くこととなり、秋雨前線を跳ね除けると言う・・・
野球の神様本当にありがとうございます!!
と言うことでファームレポです!
2019年8月31日 @戸田球場
試合時間:3時間50分
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 R H E
日 0 0 0 1 1 1 0 0 3 0 0 6 13 1
ヤ 1 0 1 1 0 0 2 0 1 0 1× 7 10 0
勝 屋宜
負 立田
<戦評>
ヤクルトは2番塩見の2打席連続を含む、3本のソロホームランで日本ハム先発吉田輝から6回までに3点を奪うも、日本ハム打線は万波のホームランなどで同点とする。
7回裏、疲れの見え始めた吉田輝から、塩見の今日4打点目となる2点適時二塁打で勝ち越す。
しかし、9回表から登板したヤクルト五十嵐がこのリードを守り切れず、3点を奪われ日本ハムが勝ち越しに成功するも、日本ハム田中豊が味方のエラーから失点し、延長戦に突入。
ヤクルトは10回、11回と日本ハム打線を三者凡退に退けると、11回裏に9番宮本のサヨナラソロホームランで両チーム6本のホームランが飛び交う空中戦に終止符を打った。
<今日のMVP>
2打席連続本塁打を含む4打数3安打4打点4出塁のヤクルト塩見選手!
前回の鎌ヶ谷のファームレポでもMVPに輝き、1軍では結果が出ずに苦しむもファームでは無双状態。
前回同様、全方向に長打を打ち分け、11塁打と文句のつけようのない結果。
こう言う選手が1軍で結果を出し報われる日を願うばかりだ。
<今日の独り言>←今日は野球をよく知っている仲間と観戦していたので、全然独り言じゃなかったですが…(笑)
吉田輝(6回2/3 107球 8安打5失点5自責)
生で彼を観るのは、昨年の甲子園の2回戦以来。(かなのーフィーバーが起きる少し前)
ボールの質、身体の状態を含め、去年の今頃の方がずっと上と言う感想。
昨年に比べ、下半身の粘りが無く、リリースポイントが頭の位置から離れすぎている印象。
良い時は身体が沈み込んで、叩きつけるような腕の振りから、ホップするようなストレートを投げていた。
これは、相手がプロの打者である以前に、思うように身体が使えず苦しんでいる様子だ。
環境の変化や性格的にお山の大将で居られないなどの気持ち的な部分も大きいだろう。
変化球でかわす投球が目立ち、ストレートも走っていなかったが、7回のピンチで塩見にストレートで立ち向かっていく姿は非常に良かったし、
その結果として打たれたことは全然悪いことでは無いと思う。
マスコミや、にわかファンは、いろいろ言うだろうが、潜在能力を評価しての高卒選手だ。
今すぐに輝きを放てなくても、焦ることは無い。
と言うことで、“吉田の星未だ輝かず”と言うタイトルにさせてもらった。
堀
酷使される中、休養を兼ねたファーム調整なのにイニング跨ぎをさせられると言う…
しかし、そんな中でも最高の投球を披露し、打者4人に対して3奪三振と無双状態。
ボールの伸び・キレともに相手打者を寄せ付けなかった。
難波のエラーからの失点で自責はつかないが、外野へ鋭い打球を連続で打ち返される。
1軍のマウンドは程遠い…
6打数4安打2打点で9回に同点のタイムリーを放つ大活躍!
8回表に1死2・3塁の三塁走者として迎え、淺間が放ったライナー性の飛球でセンターがダイビングキャッチでアウトにするプレーでホームに生還できず、ボーンヘッドと言わないまでも走塁ミスがあった。本人は塁上で反省していたし、その後の9回の打席でそれを見事に挽回するあわやホームランと言う2点適時二塁打を左中間に放った。
こう言うプレーこそ、評価をしてあげたい。チームが勝つためにミスを取り返すことができる選手はどこかで報われると信じている。
そんな高濱がファイターズの今日のMVP!
万波
個人的には今年、もっとも成長を感じている選手。
今日も、ヤクルトの原樹理と言う一戦級の投手の初球を振りぬきバックスクリーンへのホームランと、五十嵐からは一時、勝ち越しとなるタイムリー。
まだまだ、やるべきことは多いとは思うが、こう言うレベルの投手から殊勲打を放ったことを一つ一つの自信として積み重ねていって欲しい。
淺間
ケガから復帰し、8回の代打から登場。状態は万全では無いとは思うが、彼の1軍復帰がカンフル剤になることを祈る。
谷口
レベルは1軍の選手、打撃・走塁はファームのメンバーの中では群を抜いている。
ただ、守備で捕れないと判断した打球を全力で追わなかったり、アウトになる可能性があるのに全力で返球しない姿勢は、若手の手本としてよろしくない。
田川
前回の登板を見た感じでは、制球難が目立ち期待薄だったが、先発して5回5安打2失点7奪三振と好投。
伸びのあるストレートとフォークの高低を使った配球で、試合を作った。
もう少しまとまりが出てきて、継続出来れば1軍への切符も…
風張
不運なヒットもあったが、重量感のある真っすぐで打者を押し込んでいた。
1軍で連投に耐えうるタフネス右腕にはこれからも頑張ってもらいたい。
五十嵐
9回から登場し、0回2/3を5安打3失点…
実績のある投手としてはあまりにも残念な結果。
チームがそれで負けないところが、彼の強運とは思うし、これが彼の実力とは思えないが、
今日のワースト選手と言わざるを得ない…
寺島
1回と1/3を投げ無安打無失点。
乱調の五十嵐の後を受け、勢いのあるボールで、完全に日本ハムに傾きかけていた流れを引きもどした。
影の勝利投手と言っても良い選手だった。
潜在能力は誰もが認めるところ、1軍の先発ローテ争いに割って入りたい。
吉田
前回も粘りのある打撃で目を惹いたが、今日も2安打の活躍。
追い込まれても簡単にアウトにならず、守備も守備範囲をしっかり裁いていた。
1軍の遊撃手争いに入ってもおかしくないと思わせる選手だ。
<今日のヤジ>
今日は特に楽しいヤジが無かったので、別の角度から…
今日の球審の野田さんは、不可解な判定は一切無かったが、ボールのコールが小さかったり、カウントのコールが無かったりと、
試合をコントロールする球審だけに、ちょっと残念な雰囲気となった。
なので、こちらで少しコールの後押しをしておきました←
野田球審←ネットがやはり邪魔…
ヤジとは関係無いが、日本ハムに野村が試合前の守備練習で後方のフライを追いかける際に転倒…
最初はふざけているのかと思いきや、リアルな負傷…
病院に行ったかは不明だが、いらぬところでケガをするとか、本当に辞めて欲しい…
<感想>
野球をよく知っている人たちと観るファームはまた格別ですね(笑)
両軍通じて23安打、6本の本塁打が飛び出す打撃戦。
両チームとも守備も安定していて、空中戦の中にあっても締まったゲームだった。
独り言でも文字数を割いたが、吉田輝をゆっくり観れたことは収穫だった。
もともと体格に恵まれた選手でもなければ、バランス感覚に優れた投手でも無い。
投手としての才覚と、唯一無二のストレートが評価されプロの門を叩いた。
決して怪物気質の投手で無いことを考えれば、ここで大きな結果を出せないことはむしろ普通のことではないか…
1軍が最下位に転落したこんな日にも若い選手は着々と成長している姿を観ると、まだまだファイターズの将来は明るいなと感じる1日でした。
吉岡コーチと談笑する、僕が尊敬する橋上コーチ←万波を見て何かを話している様子でした