野球観術

野球や組織論はいつだって愛情から始まる

秋口コンパ

 

最近、とあるブログの読者さん(♀)とのやり取り←

 

「いろんな経験してるんだから、野球だけじゃなくて、恋愛のブログも更新して下さいよ!」

 

「自分が恋愛下手クソなのに、書けないでしょ!?」

 

「失敗から学ぶ…そう!しくじり先生って言う番組もあるじゃないですか?」

 

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「あれは成功からの失敗だからね…(;^_^)それでどんなお悩みをお持ちなの?」

 

「最近、一人の人を好きになるよりも、いろんな人を好きになった方が、重くなくて良いと思うんですよぉ。」

 

「俺はぶきっちょだから1人しか好きになれないし、アドバイスはできないな(笑)」

 

「それの方がドライに恋愛できません?」

 

「仮にそのお悩みに、マニュアルがあったとしても、恋愛は感情でするものだからその通りにはできないでしょ?」

 

「やっぱりいろんな人を好きになって、いろんな人に愛される恋愛がしたいです!」

 

一人の人より、いろんな人ねぇ…

 

一つのチームと言うより、今はいろんなチームを意識しないと…

 

と、すぐ野球に頭が言ってしまい、ファイターズの置かれている状況に想いを馳せてしまう訳で(笑)

 

ファイターズはずっとホークスと言うライバルを意識して、シーズンを戦ってきた。

毎試合全力で戦っていても、やはりホークスとの直接対決は、特別なものだ。

意識するなと言っても、気持ち的に意識するだろうし、直接対決の試合数も数えながらシーズンの戦いを進めているのは間違ってはいないだろう…

 

もはや、ホークスとのゲーム差は7ゲーム近く離れてしまっている。

クライマックスシリーズを意識するとしても、首位から最下位まで9ゲーム以内に納まってしまう、まさに戦極めるパ・リーグ(コンパ)は近年類を見ない状況だ。

 

saiyuki6.hatenablog.jp

 過去にはこんな記事も・・・

 

 

首位は多少厳しくなったとは言え、ファイターズの場合は2位から6位まではどこに納まっても、なんらおかしくない。

 

さっきの人の話では無いが、ファイターズにとって、

ホークスを特別意識する必要がなくなったのは良かったのではないかと思う。

 

表現は違うかもわからないが、ホークスに対して“重くならない”ことが、逆に自然体で毎日の試合を戦えるような気がする。

 

ホークス戦の前に調子が悪くても、「チーム状態が悪い中、直接対決かぁ…」と思わず、試合に入れる。

 

有原を強引にホークス戦にぶつけることも無くローテーションを組めたり、それなりのメリットもある。

栗山監督は優勝を諦めた訳では無いと思うが、一つのチームを特別視する余裕が無いのも正直なところだろう。

 

チーム別の対戦成績はこちら

 

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チーム力の差と言ってしまえばそれまでだが、恋愛も野球も特別な意識と言うのは、結果を裏目に引っ張る要因なのだろう。

(先ほどの読者の方のご意見はこんなところなのかもしれない)

 

筆者的には風が秋の風になったと感じている。

9月の2週目にくらいに入ると、首位のチームが逃げ切り態勢に入るが、そんな様相は今のパ・リーグには無い。

 

どのチームにも意識を向けて行かなければならず、それこそ1戦必勝のトーナメントのような形になる。

特にホークスが、もう少し落ちてくると、クライマックス進出マジックも残り10試合くらいで点灯と言うこともあり得る。

クライマックスシリーズの前に短期決戦をやるような格好になると、やはり投手力がものを言う。

しかし、ファイターズで少し気になるのが、失策数だ。

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前半戦も後半戦もピッチャーは変わらず頑張っている。

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夏場は野手が打って、疲れている投手をカバーするのが望ましいが、秋も深まれば、しっかり守って勝つ野球を展開したい。

その中で、エラーだけでなく、無駄な走塁死などは避けたいところだ。

(特に8/21の1試合5失策などは言語道断…)

 

8月25日の対オリックスの試合で話題になった、近藤のセンターゴロ打点2も、大田泰示のミスだ。

勝負を分けるプレーでは無かったが、こう言うプレーは命取りになってしまう。

 

自分から転んでクライマックスシリーズ争いから脱落しないことを切に願う。

 

 

(コンパも飲み過ぎて恋愛戦線から脱落する人がいるもんなぁ…)

 

過去に固執し、今に抗い、未来を信じない

 

ファイターズは21日のライオンズとの一戦に敗れ、最下位と0.5ゲーム差になった。

優勝争いをしていた1ヵ月前は、いったいどこへ行ってしまったのだろうか…

 

 

saiyuki6.hatenablog.jp

 

 このブログを更新した時にこんな未来が想像できただろうか…

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そもそも“優勝争いをしていた”と言う表現をしている時点で、優勝を諦めていると受けて取られる。

現実を見れば、首位でパ・リーグペナントレースのゴールテープを切ることは厳しい。

 

「1戦1戦を全力で戦う!」

栗山監督や選手が揃えて口にする言葉だが、全員が果たしてそう考えることができるだろうか…

 

僕がこんな卑屈を言うのは、本当に気持ちの切り替えが出来ているだろうか?と言う問いだ…

もちろん選手が一生懸命やっているのは分かるが、それでも優勝争いの緊張感と同じ気持ちで試合を戦えるだろうか?

 

僕だって正直思うよ…

「連勝している時は良かったな…」

「打てない上に、守備でも足を引っ張って…」

「そんなチームが優勝すると思えないよ…」

 

標題の

過去に固執し、今に抗い、未来を信じない

状態だ。

 

うまく行かない時は何をやってもうまく行かない。

 

それこそ2016年の優勝後に栗山監督が書した『最高のチームの作り方』でも

「今年(2016年)は打つ手打つ手が悉くハマった」と言っている。

流れとはそう言うものだ… 

 

だから、過去に固執をしても良い、未来を信じなくても良い、

 

ただ、

今に抗うことだけはやめよう!

 

 

勝てない現実を直視すると言うことは、悪い流れを認めることと同じだ。

 

気持ちの切り替えが出来ているか?と言う問いはそこにある。

 

負けている時には負けているなりの理由がある。

その理由を物理的に潰すことは口で言うのか簡単だが、気持ちが付いていかない。

 

悪い流れは、いつかは止まるだろう!

 

今のファイターズには、どうもそれが必要な気がしてならない。

勝つことを目的に試合に臨む選手にとっては失礼な話かもしれないが、ソフトバンクがこの後、急に失速するかもしれない。

優勝は無理でも、クライマックスシリーズで何かが起きるかもしれない。

 

そんな時、

8月にもう少し我慢できていれば…

と思うことだけは避けたい。

 

僕たちファンもそうだが、「今は流れが悪いが、流れに抗わず、いつかは良い流れになる」と信じてみよう!

 

僕が甲子園に観に行った仙台育英VS鳴門の試合でこんなことがあった。

強風で外野にビニール袋が飛んでいた。

仙台育英のセンター水岡君はそれを拾いあげ、後ろのポケットにしまった。

仙台育英の3年生は佐々木・前監督から「ゴミを拾うことは運を拾うことだ。」と教わっていたと言う。

大切なのはそういう気持ちの持ち方なのだと思う。

プレー中にゴミが飛んで来たら、普通の選手なら拾うだろうし、それが幸運に繋がるかは別の話かもしれない。

水岡君は「チームが劣勢だからゴミを拾おう」と思った訳では無いだろうし、本当に自然なことで、佐々木・前監督の言葉を大切にしていたのだろう。

現に彼の第二打席は“打撃妨害”で出塁し、得点に繋がっている。

ゴミを拾い上げた次の回(6回表)は、先頭打者としてヒットを放ちその打球がライトの失策を誘い得点に繋がった。

 

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目の前に起きていることを良く解釈する。

決して抗わない!

 

そういう気持ちの切り替えがきっと良いプレーに繋がる!

 

僕はそう信じたい。

 

今の僕自身がそうだが、悪い流れに抗った時間はその分、大きく自分自身に跳ね返ってきている。その時間が長ければ長いほど、重く跳ね返ってくる。

 

それを味わっている今だから、ファイターズには決してそうなって欲しくない。

 

少しネガティブな内容になったが、

ファイターズへのエール、

自分自身へのエールとして

そして、自分の気持ちに抗わず更新をすることにしました。

甲子園レポ② 

前回に続く更新です。

 

 

saiyuki6.hatenablog.jp

 

 

甲子園の戦いは進んで行く中、個人的なことが中心になってしまうが、今回の遠征でいろんなことを感じたので、それを備忘録として書して行こうと思う。

 

③野球の楽しみ方

 

昨年、野球に関係する仕事をしたくて会社員を辞めてフリーターと言う選択をした。

しかし、うまく行かず“野球の仕事をすると言う夢”は簡単に潰えてしまった。

野球が嫌いになりそうになりながら、できることはやった。

自分の力の無さに悔しさしか残らなかった。

 

空いてしまった時間はブログを更新することで、野球への気持ちを取り戻していった。

「いいブログを書きたい!」

そんな思いとは裏腹に、

野球を一生懸命観ていて

「野球ってなんだろう?」

と言う逆に悶々とした感覚があった。

 

甲子園に遠征に行くとき、例年記録を取って帰ってくる。

日刊式スコアをベースにしていて、今回の同伴者に教えてもらって、かれこれ10年近く続けていた。

野球の仕事をするにあたって、一般的なスコアシートをつけるようになって、今年はどちらにしようか迷っていた。

出発当日まで決められず、用紙を両方印刷して、現地に入った。

同伴者に「どっちをつけるか迷ってるんだけど…」と問うと、

「野球が楽しめる方が良いですよ!」

と言う答えが返ってきた。

 

仕事でちゃんと野球を観れるようにならなきゃ…

それに失敗して「ブログの事も含めて、ちゃんと野球を観ていかないと…」

 

仕事から趣味に戻ったのに、どこか野球を観ることが苦しくなっていたなと言うことに気付かされた…

 

1日目の観戦は、異常なまでの混雑ぶりで、入場が試合開始に間に合わずも、外野席になんとか入ることが出来た。

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その時「観れるだけで幸せだよ!と口を突いて出た。

本当に心から幸せだった。

東京からわざわざ来たからと言うのもあるが、天候以外の理由で観れないと言う可能性があって、あの球場の雰囲気を肌で感じた時、

「野球を観るってやっぱり楽しいことなんだ!」って心の底から感じることが出来たのかもしれない。

 

このブログのタイトルは“野球観術”となっているが、

同伴者に改めて“野球の楽しみ方”についてお酒の席で話を振った。

 

「勝敗に一喜一憂するのは、最初に野球を観る入口として、そこから内容を楽しめるようになるのが良いと思います。ただ球場に行くことを目的にして、野球を観ないで、チームや選手の悪口を言っているのは違うと思います。」

 

やっぱりコイツの言うことはすごいなと思うとともに、ヤジも賛辞も一級品のコイツなりの野球へのリスペクトを感じたし、

ほろ酔いの中、大きな答えをもらえた気がする。

 

結局今年も、日刊式スコアで記録をつけたが、1年ぶりと言うこともあって間違うことが多かった。

ただ、同伴者からそんな言葉をもらっていたのもあって、

「今回は楽しければ良いや!でも、やっぱりある程度はしっかり付けたいな!」

と言う気持ちになれた。

ただ、外野席で3人で観戦をしていて、攻守の作戦や内容に関しての会話(解説)が非常にハイレベルで、僕なりに野球を勉強した誇りみたいなもの

「“野球観術”は、ちゃんと持ってるぞ!」

と自分なりの楽しみ方も確認することができた。

 

やっぱり野球は楽しいものだ!

 

 

 

④甲子園は人間の生き方そのもの

 

昨年は気温の上昇で、高校野球甲子園球場での開催の賛否、

 

今年は、大船渡高校の佐々木君の連投の問題、

 

個人的には高校野球の異常な加熱ぶり、

 

甲子園を取り巻く環境は、時代の流れとともに変化が求められている。

そんな甲子園の歴史は101回を数える。

話は大きく飛ぶが、

スポーツの起源は1900年前に遡る。

人間が狩猟生活から、社会生活を営むようになって、ローマの闘技場(コロッセウム)で、人間と獣、人間同士が殺し合うことを観戦するようになったのが起源と思われる。

 

そこからいろんな歴史を踏まえ、道具を使った戦い=球技 が生まれ野球もその一つだ。

 

今は女性アスリートもたくさん居るが、本来、男性は狩りをすることを生業としていて、その攻撃性をスポーツに向けることで、社会を収めていた。

それを観衆が観て楽しむ。

それがスポーツの起源だ。

歴史はアメリカンフットボールが始まりと言われるチアガール、すなわち女性から応援されることで男性が輝く。

道具(=楽器)を使ってそれを盛り上げる歴史もかなり長いと聞いたことがある。

 

そんな歴史や教養に、今抱える高校野球を取り巻く環境に対して進んでいく道のヒントがある気がする。

 

教養を身に付けることは、何かとお騒がせの堀江貴文氏や

日本ハムの栗山監督もこれから生きる上で絶対に必要と言っている。

 

あまりにも僕が栗山監督を崇拝しているので、先日、栗山監督のレプリカユニフォームをプレゼントしてもらう機会があった。

僕自身、普通に見たら楽な生活をしているが、この時代の変革期に自分が今置かれている状況を考えると、頭の中がぐちゃぐちゃになっていて、

嬉しくて飾っているユニフォームを眺めては、一人で悩んで、監督と同じで寝ることや食べることすら忘れてしまう日もある。

 

「苦労をしている訳でも無いのに、何を悩んでいるんだ!」

とお叱りを受けそうだが、この性格が災いしていて前に進むことが出来ない。

 

このテーマの冒頭に触れたが、高校野球が変化を求められている。

高校野球はいろんな意味で、大人の利権に振り回される傾向にある。

それが今年、大船渡高校の佐々木君の問題で大きくオープンになる格好になった。

 

それでもフィールドでプレーする選手たちは、ものすごい努力をして甲子園の舞台に立っている。

だからこそ、その努力が実を結ぶプレーが出ると、スタンドから大きな拍手が沸き起こる。

甲子園に出場するまでには、綺麗な努力だけでなく、理不尽なこともたくさんあったと思う。

それでも、一つのストライク、一つのアウト、を取ること、一本のヒットを打つことなど、チームの勝利のために必死にプレーする。

 

大人は、そう言う姿に感銘を受けるし、日常のしがらみから解放される瞬間なのだと思う。

 

僕が常々思うのは、どんなことも

“応援する(される)”

と言うのが最も強いと思っている。

 

仕事、結婚(恋愛)、スポーツ、たいがいのことは人間関係が発生する中で、

 

「今の僕は、応援することも、されるようなことも出来てないな…」

と、試合を観戦する中で感じた。

 

もう一つ、過去にこんなブログを更新したが

 

saiyuki6.hatenablog.jp

 

saiyuki6.hatenablog.jp

 

子供っぽさが抜けない自分が嫌いで、

“何が子供で何が大人なのかな?”

ってずっと悩んでいた。

やっぱり何かを与え続けることが出来る人が“大人”なのかなと思うようになった。

日本人的な発想かもしれないが、高校野球プロ野球と違って潔さを大事にしているからこそ、感動を与える部分もある。

それを考えると、甲子園でプレーしていると球児を観ていて、

「僕は彼らよりも何かを与えなければいけない立場にあるのに、逆に感動を与えてもらっているな…」

試合中、感動するシーンがあって涙が出そうになるとき、自分の情けなさみたいなものも一緒に込み上げてきた。

 

僕の場合には、「足りないものを補うために、子供っぽさも一つの魅力だよ!」と親友に言われたこともあるが、そう言う部分も大切にしながら、

“何かを与えられる存在に戻ろう”

と心に決めて東京に帰ってきた。

 

 

今回の甲子園遠征は、今まで感じたことの無いようなものを感じて帰ってきた。

自分にとって野球とは…

 

人間が社会で生きる上で変化してきたこと、変化できないこと。

その中で、ポンコツな僕が生きていけるとしたら…

 

自分の中の答えは

 

野球は楽しいもの!

 

どんなことも応援する(される)

存在になる!

 

甲子園と言う場所が、

ダメダメになっていた僕にそんなことを思い出させてくれた。

 

明日からはベスト8のチームが登場する。

 

時間があれば、優勝校が決まったあとにでも、総括をしたいなと思っています。

 

そして、

今日からこの大切な思いを持って、生きて行きたいと思います。

 

 

 

甲子園レポ①

少し鮮度は落ちますが、

8月13日・14日に毎年恒例行事の甲子園遠征に行ってきました。

異常なまでの高校野球人気で、お盆休みに現地に観戦に行くのが本当に大変になりました。

 

10年前にはとても考えられなかったこの過熱ぶりは、本当に時代の流れだなと…

 

野球を仕事にすると言う夢は潰えてしまったが、今年ほど野球のことを勉強した年は無い。

野球のことを知れば知るほど、野球がどういうモノか分からなくなってきて、今回の遠征は、僕に野球の観方を教えてくれた人と観戦する中で、いろんなことを学ぶことが出来た。

 

そんなことを大きなテーマにしながら今回の遠征のレポを2回に分けて更新したいと思う。

今回のテーマはこちら

① 風 と “JOCK ROCK”に乗る

② 7試合のトッピクス

③ 野球の楽しみ方

④ 甲子園は人間の生き方そのもの

 

それでは前半の更新です。

 

① 風 と “JOCK ROCK”に乗る

 

今年の観戦は、2つの大会記録に立ち会うことが出来た。

一つ目は

大会8日目 第三試合

智弁和歌山(和歌山)7-1明徳義塾(高知)

 

智弁和歌山1点ビハインドの7回に2番細川君に3ランホームランが飛び出し逆転すると、2死から根来君と東妻君に連続ホームランが飛び出し、

“1イニング3本塁打の大会タイ記録。第90回大会の智弁和歌山高校自身が持つ記録に並ぶ形になった。

 

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この回に一挙7点を取り、智弁和歌山明徳義塾から初勝利となった。

 

二つ目は

同日の第四試合

敦賀気比(福井)19-3国学院久我山西東京

 

敦賀気比高校3番の杉田君が15年ぶり史上6人目となるサイクルヒットを達成。

101回の歴史で過去5人しか記録していない中で、そう言う瞬間に立ち会えたことは本当に野球の神様に感謝したいと思う。

 

1打席目:右安 2打席目:二塁打 3打席目:中安 

4打席目:右中三塁打 5打席目:左飛

で迎えた9回の6打席目

「ここでホームランが出ればサイクル(ヒット)だ!前の打席の時にこの話をしておけば良かったな(笑)」と言っていると

快音を残して右中間に大きな当たり!

ライトスタンドの中段よりやや上で観戦していて、

我を忘れ「来い!来い!来い!

と叫んでいると、風に乗ってグングン伸びてスタンドへ!

 

「すげ~~!!」

 

感動しながら、右中本②と記録に書き込んだ。

6打数5安打7打点と大活躍。どんな気持ちで第6打席を迎えたのか彼の心中を聞いてみたいものだ。

 

この日は、台風が接近していることもあってか、浜風(ライトからレフトへの風)とは逆の風が強く吹いていた。

センターからライト方向への打球はものすごく伸びてくるのがライトスタンドにいると良く分かった。

智弁和歌山“魔曲”と言われる“JOCK ROCK”と強い風に乗り、“1イニング3本塁打

杉田君の打球も風に乗って本当によく伸びた。

普段と違う“風のいたずら”も大記録への追い風となった。

 

 ② 7試合のトッピクス

 

普段のレポと違い2日間に7試合を見ているため、1試合を深掘ることはできないが、目についた選手やプレーを随所に。

 

プロ注目の星稜高校の奥川君!

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彼見たさに多くの徹夜組が出るほどの注目選手。

しかし、星稜の先発は2年生の萩原君。

対戦した立命館宇治高校が意地を見せて奥川君を引きずり出し、観衆は万雷の拍手。

これだけのお客さんを呼べる時点ですでにプロ向き(笑)

ストレートはこの日、最速154km/hと超高校級。

立命館宇治打線はその真っ直ぐを弾き返していたが、変化球、特にスライダーが良いところに来ると、やはり打てない。

昨年の吉田輝星と比較するとストレートの質は昨年の吉田の方がずっと上だが、総合力では奥川君の方が上と感じる。彼がこの後、勝ち進む中でどんな投球をするかが楽しみだ。

 

総合力と言う点で、目を引いたのは智弁和歌山高校の池田(陽)君だ。

13日の試合では、最速150km/hを記録。

ただ、速いストレートを見せながら、変化球中心で打ち取る投球をしていた。

高校生のレベルで、あのストレートを見せられると、変化球をマークするのは厳しいと言うような投球内容だった。またそれを良く分かって投球を組み立てることができるのがすごい。

実際にプロに行くかは分からないが、高校生のレベルとしては非常に高い選手と感じた。

 

習志野高校 飯塚君

選抜でも活躍した習志野高校のエースだ。

奥川君もそうだが、前評判があったとしても、実際のプレーを見ることでしか、何かを感じることが出来ないと思っている。

 

実は彼に関しては初めて見る選手だが、非常にまとまりのあるピッチャーだなと言う感想だ。

直でプロに行くようなイメージは湧かなかったが、大学や社会人に行って一回り大きくなれば、プロで活躍する日が来るかもしれないと感じて帰ってきた。

 

 

鶴岡東高校

鶴岡東(山形)9-5習志野(千葉)

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鶴岡東は2回戦をテレビで観ていた。

昨年の秋の神宮大会に出場した高松商業を倒して3回戦に勝ち上がってきたチームで、基本に忠実な高松商業に対して、個性的なチームと言う印象だった。

特に、背番号11の影山君の力投型から背番号1の技巧派池田君への左腕リレーが印象的で、打者も個性的な打撃フォームから鋭い打球を放ち、強打の習志野高校に打ち勝った。

 

関東一高

関東一(東東京)6-5熊本工(熊本)

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少し前に県大高崎(群馬)が“機動破壊”と称して、機動力を前面に押し出す野球で一世を風靡した。

あそこまで極端で無いにせよ、超攻撃的な走塁で古豪熊本工を撃破した。

僕は個人的にこう言う野球をするチームが好きなので、ファンになった。

盗塁も5つ企図に対して4つの成功。

注目は1番を打つ大久保君!

地方大会でも7つの盗塁を記録。この日も1回裏に内野安打を記録すると、二盗・三盗を決めた。

野球はやっぱり、

走者が本塁に返ってくることで得点になるスポーツ!

一つでも先の塁を狙う姿勢は本当にすごいものがあり、しっかり投手が守りきれれば、優勝の芽があるかもしれない。

 

 

今年の観戦した7試合は1試合あたりの平均得点が12.4点と打つ試合が多かった。

こう言う試合は見ていて面白いし迫力がある。

次の更新でも記述するが、攻守に作戦を立てる場面も多いため、玄人好みの7試合だったと言える。

 

今日の更新はここまで!

次はこの2日間で感じた野球の観方や想い。

甲子園と言う場が教えてくれたことを記述したいと思う。

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今年は購入した望遠カメラが威力を発揮しました。 

 

 

1回表からタイブレークの気持ちを!

 

高校野球が始まり、家で中継を見ていると、実況のアナウンサーや解説者が発する言葉とシンクロすることがたくさんあって、笑ってしまう毎日です。

まぁテレビに向かって1人でしゃべる毎日の寂しい筆者ですが、朝から晩まで野球漬けの幸せな日々を送っています(笑)。

 

今日は、明日から始まるホークスとの首位攻防戦に臨むファイターズについて!

6日からのオリックス三連戦で三連敗を喫し、首位のソフトバンクと3.5ゲーム差まで広がった。

3位の楽天とも1ゲーム差に迫られ、ロッテ、西武も0.5ゲーム差ずつで、パ・リーグの混戦に拍車がかかってきた。

 

ファイターズの後半戦は素晴らしいスタートだった。

ホークスに三連勝でスタートし10試合で9勝1敗と大きく勝ち越した。

しかしこの後、あることが始まっていることに気が付いた・・・

 

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7月27日(土)

メットライフドームの対西武戦(この試合は筆者も球場で観戦したが)からあることが始まっている。

 

そ う !

ここからファイターズは全ての試合で先制点を許しているのだ。

(※図は先行チームが1回表に先制して裏に追いついた場合も先制とカウント)

 

後半の10試合は全て先制を許し、2試合は逆転で勝利しているものの、8試合は先制されて(同点に追いついているケースもあるが)劣勢のまま負けてしまっている…

2勝8敗と大きく負け越し…

 

野球の理想的な試合展開は投手が最小失点に抑え、

攻撃は

先制中押し→ダメ押し

と言われるが、先制点の重要性がこんなに顕著に出ると言うのは正直びっくりだ。

 

この結果がショートスターター(栗山流オープナー)による弊害なのか、打線が機能していないのか、そこはなんとも言い難いが、前半の10試合で連勝している時は早い回に先制点を挙げることができていた。

 

このデータだけを見ると、先発完投だろうが、オープナーだろうが、1回の攻撃から9回裏で1点負けているような攻撃をして、是が非でも先制点を取って主導権を握ってしまうことが、この悪い流れを断ち切る処方箋のような気がする。

 

とは言うものの、もう一つびっくりする数字を発見…

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栗山監督がもっとも勝ちやすい形がスターターだと言っているが、このOPSの数字を見ると1回から本当に点が取れる打順なのだ。

 

監督としては打つ手を打って先制点を取りに行っている。

 

こうなると投手が0点に抑えて・・・と言うことになるが、これだけ“栗山流オープナー”で中継ぎを酷使していて、これ以上点を取られるなと言うのも酷な話だ。

どうしても有原と、もう2人くらいは7回くらいまで投げられる先発投手が必要になる。

マルティネスの復帰は待たれるが、そんな投手は沸いて出てくるようなものでは無い。

 

栗山監督が、甲子園の時期になると、「高校野球と同じで負けたら終わりと言う気持ちで毎試合戦う」とコメントするが、今のファイターズには

1回から“タイブレーク”の気持ち

で戦って欲しい。

特に明日からはソフトバンクとの首位攻防戦で、ゲーム差を考えれば、1つでも負けてしまえばほぼデッドラインのゲーム差になってしまう

 

先制したら勝ち!

先制されたら負け!

 

そんな気持ちで攻めだるまになってホークスにぶつかっていって欲しい。

 

少し前向きな話をすると、2016年に優勝した時、8月10日時点で首位ホークスと4ゲーム差あり、8月18日に初めて首位を捉え、9月21日に首位に立ってからは完全に振り切っている。

 

選手たちも疲労が蓄積していて、本当にしんどいと思う…

だから必死に応援して、2016年のように来週にはソフトバンクを1回は捉えたい。

 

ケガをしている中田翔

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くらいの気迫で打席に立って欲しい。

 

今年はみんなで優勝を狙えるんだ!

開幕投手を優勝旅行に連れて行くんだ!

 

そして最後に

 

先制しよう!

高校野球の魅力

今日から、

夏の全国高校野球選手権大会(=夏の甲子園)が開幕!!

 

僕が高校野球を見るようになったきっかけは、1998年第80回大会の、松坂大輔(=中日ドラゴンズ)擁する横浜高校と、現在楽天の監督をしている平石洋介がいたPL学園高校との延長17回の熱戦だった。

 

そして、11年前に大学の後輩に連れられ、甲子園球場に行ってからは、毎年、球場に足を運んでいる。

 

あの球場の雰囲気は言葉では言い表せないものがある。

最近は高校野球人気も上昇し、朝早くから並ばないと、球場に入れないようになってしまったが、今年も気合を入れて行く予定にしている。

 

このブログを読んで頂いている方は、プロ野球ファンの方が多いと思う。

プロと言う舞台でやっている野球は非常にスピード感があり、作戦も緻密だ。

 

甲子園に出場するような高校は、レベルが非常に高いが、プロ野球に比べると、シンプルだし、負けたら終わりという緊張感も見る人に多くの感動を与える。

 

併殺打を一つ取ることだけでも、拍手に値すると言う感覚はプロ野球では味わえない感覚だ。

必死にやっているからこそ、出てしまうミスや、所謂甲子園の“マモノ”も出現する。

 

プロで見ている当たり前は、高校野球では当たり前ではない。

そんな目で、彼らのプレーを見ていると、本当に目頭が熱くなるシーンがたくさんある。

 

今年は、春の選抜に出場した高校や、強豪校が相次いで地方予選で敗れた。

公立高校の出場も今年は目立ち、よりシンプルな野球が見られるのではないかと思っている。

 

僕が言うシンプルと言うのは、守備で言えば1つのストライクやアウトを取ることの難しさ、攻撃では長打が出ない中でどうやって1点をとるかと言う、チームが取り組んできた特徴みたいなものを指す。

 

たとえば、1死2・3塁の場面で内野が前進守備を取る。

プロ野球以上に、スクイズの可能性が高く、バッテリーもストライクを取ることが難しい中で、簡単にストライクゾーンにボールを投げることも憚られる。

そんな場面で、前進守備の内野にゴロが転がったとして、ホームでアウトを取れたとすれば、本当にファインプレーなのだ。

 

プロであれば「前進守備なのだから当たり前だろう!?」

と思うかもしれないが、

バッテリーとしてしっかり勝負出来ているということ、ミスをすれば1点もしくは2点入ってしまう内野手の緊張感…

高校生がたくさんの練習を積んできて全国の舞台でそれを発揮することの難しさみたいなものは、ずっと高校野球を見ていると、ものすごく感じる。

 

また、僕が野球は、

確立のスポーツであり、流れのスポーツである

と言うのをテーマにしているが、

甲子園は流れの側面が非常に大きいと思う。

 

その流れも、現地の甲子園に行くと、全身で浴びることができる。

 

少し野球と言う側面とは違うが、アルプススタンドの吹奏楽やチアガールの応援も甲子園球場の雰囲気に華を添える。

 

プレーもそうだが、この応援が流れを作ってくれる。

 

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この(ブログで紹介をしている)試合は本当に鳥肌の立つような展開だった。

 

 公立高校や負けているチームを後押しする応援が球場全体を支配する。

 

毎年毎年、この傾向は強くなってきている。

報道の中には、“スタンドの悪乗り”と言う言葉が踊ったりするが、劣勢のチームを応援したり、ドラマを期待する気持ちってどんな人の心にもあると思っていて、これを規制するような流れに僕は反対だ。

 

そう言った、スタンドの思いみたいなものが甲子園の歴史を作ってきたわけだし、世の中の考えが多様化している中で、それを表現することに寛容になったと言う“時代の流れ”と思うからだ。

 

だからこそ(応援されていないチーム)は、1つのストライク、1つのアウトを取ることをもっともっと大切にして欲しいという思いだ。

“野球は不平等を教えるスポーツ”と言う栗山監督の言葉にもあるように、そんな理不尽な空気を感じることも野球が教えてくれる何かなのだと思う。

 

そう言ったことも含めて、

“愛情を持った目”

で16日間の熱戦を見届けたいと思う。

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押し切られない強さ

 

ファイターズとホークスとの8月2日からの首位攻防三連戦は

1勝2敗と言う結果となった。

みなさんはこの結果にどう言う感想を持たれたでしょうか?

 

「三連勝したかった!」

「三連敗しなくてよかった…」

「せめて勝ち越しておければ…」

 

僕は結果以上に、ソフトバンクに押し切られなかった(三連敗しなかった)ことが、残りの直接対決が8試合ある中で次に繋がる3試合ではなかったかと思っている。

8月2日 ソ2-0日

初戦はエースの千賀に相対した。

2安打完封を許す格好になったが、勝負の綾がどこにあるかは野球の神様のみぞ知るところだ。

この試合はどうしても、ファイターズ側としては杉浦の5回65球3安打無失点での交代と、石井一成・杉谷のバント失敗がクローズアップされてしまう。

 

僕が監督の立場であれば、結果はどうあれ石井にも杉谷にもバントは命じなかった。

石井の1打席目は、1巡目の選手の中で一番内容のある打席を送っていたし、その流れを汲んで「自分なら打たせるな!」と言う思うで見ていた。

 

杉谷の打席も連続フォアボールで無死1、2塁の場面だった。

もちろん、通常であれば100%送りバント!と解説者は言う場面だ。

 

「千賀から連打は期待できない」と言う発想から、この2つのバントのサインは出されたと思うが、逆の発想で強引に押し切ってしまうことで千賀を攻略していく手段もあったのではないか、それは来週の直接対決でも生きてくる。

ただ、強攻して失敗したら「なぜ、バントしなかったのか⁉」と言う結果論に行き着くのだが、バントの成功失敗では無く、千賀のような投手を倒すには?と言う観点から見れば、強攻も評価に値する采配になったのではと感じた。

 

8月3日 ソ6-3日

どうも金子弌大は大事なゲームで試合を作り切れない印象…

この試合はダイジェストと日刊式スコアでしか見ていないが、ミランダから反撃の糸口すらつかめずイニングが進んでしまった印象だ…

森唯斗から谷口のツーランで2点を返したことがせめてもの救いだった。

 

8月4日 ソ3-4日

今年、ファイターズがこだわってきたことが結果に繋がった試合だったと思う。

今年19試合目の逆転勝ち。

堀をオープナーで登板させ2番手のロドリゲスがしっかりとゲームを作り、西川・大田の1・2番コンビの長打で逆転した試合だった。

 

栗山監督が前日の3日の試合後にこのようなコメントを残している。

「いい形ができなくても、結果的に勝てるようにしないといけない。そこは自分の仕事」

 

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4番から中田を外したり、4戦連続代打成功を記録していた谷口をスタメンで使うなど、オーダーを変えたが、選手たち自身が今年の一番いい形を作りだした。

 

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このブログの後半で、“この形で点を取る”と言うのがなかなか見えて来ないと言う記述をした。

三連敗の可能性があった中で、攻撃面でも守備面でも、前半戦から組み上げてきた自分達の形を作り出すことができた。

ソフトバンクと言うライバルであり、大きな存在に、押し切られることなく自分達の野球を展開することができたのを見て、

今年のファイターズは強いな!

負け越しているにも関わらず、何かワクワクする感じがした。

 

 

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このブログでは下位打線の繋がりについて書いたが、 

4日の試合の5回の逆転も石井一成の意表を突くセーフティーバントから始まり、上位へ繋げた。

 

先ほどの、千賀やミランダのように一戦級の投手からは点を取ることはチーム打率がリーグ2位のファイターズと言えども難しい。

 

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下位打線の出塁から、上位打線の長打は特に一戦級の投手に対するときには重要なファクターになる。

 

前半戦で組上げてきた、

西川・大田の1・2番、

“栗山流オープナー”

後半戦に不可欠としていた

下位打線の繋がり

あとは、4番の中田が爆発すれば

ファイターズは本当に優勝してしまうと思う。

“優勝できる”と言う表現より、

“優勝してしまう”

と言う感じになっていくと思っている。

 

 

先ほどの

「いい形ができなくても、結果的に勝てるようにしないといけない。そこは自分の仕事」 と言っても、

優勝してしまう流れになったら、栗山監督はきっとこう言うだろう。

「俺は、なにもしていない。選手が頑張った結果。」

と・・・

 

監督が作った“勝ち切る形”を選手たちが首位攻防戦の

劣勢とプレッシャーの中で体現した。

 

あとは、故障者のピースが戻り、4番と言う

“核なるピース(=中田翔)”

がハマれば、優勝と言う絵がはっきりと見えてくるだろう。

 

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