押し切られない強さ
ファイターズとホークスとの8月2日からの首位攻防三連戦は
1勝2敗と言う結果となった。
みなさんはこの結果にどう言う感想を持たれたでしょうか?
「三連勝したかった!」
「三連敗しなくてよかった…」
「せめて勝ち越しておければ…」
僕は結果以上に、ソフトバンクに押し切られなかった(三連敗しなかった)ことが、残りの直接対決が8試合ある中で次に繋がる3試合ではなかったかと思っている。
8月2日 ソ2-0日
初戦はエースの千賀に相対した。
2安打完封を許す格好になったが、勝負の綾がどこにあるかは野球の神様のみぞ知るところだ。
この試合はどうしても、ファイターズ側としては杉浦の5回65球3安打無失点での交代と、石井一成・杉谷のバント失敗がクローズアップされてしまう。
僕が監督の立場であれば、結果はどうあれ石井にも杉谷にもバントは命じなかった。
石井の1打席目は、1巡目の選手の中で一番内容のある打席を送っていたし、その流れを汲んで「自分なら打たせるな!」と言う思うで見ていた。
杉谷の打席も連続フォアボールで無死1、2塁の場面だった。
もちろん、通常であれば100%送りバント!と解説者は言う場面だ。
「千賀から連打は期待できない」と言う発想から、この2つのバントのサインは出されたと思うが、逆の発想で強引に押し切ってしまうことで千賀を攻略していく手段もあったのではないか、それは来週の直接対決でも生きてくる。
ただ、強攻して失敗したら「なぜ、バントしなかったのか⁉」と言う結果論に行き着くのだが、バントの成功失敗では無く、千賀のような投手を倒すには?と言う観点から見れば、強攻も評価に値する采配になったのではと感じた。
8月3日 ソ6-3日
どうも金子弌大は大事なゲームで試合を作り切れない印象…
この試合はダイジェストと日刊式スコアでしか見ていないが、ミランダから反撃の糸口すらつかめずイニングが進んでしまった印象だ…
森唯斗から谷口のツーランで2点を返したことがせめてもの救いだった。
8月4日 ソ3-4日
今年、ファイターズがこだわってきたことが結果に繋がった試合だったと思う。
今年19試合目の逆転勝ち。
堀をオープナーで登板させ2番手のロドリゲスがしっかりとゲームを作り、西川・大田の1・2番コンビの長打で逆転した試合だった。
栗山監督が前日の3日の試合後にこのようなコメントを残している。
「いい形ができなくても、結果的に勝てるようにしないといけない。そこは自分の仕事」
4番から中田を外したり、4戦連続代打成功を記録していた谷口をスタメンで使うなど、オーダーを変えたが、選手たち自身が今年の一番いい形を作りだした。
このブログの後半で、“この形で点を取る”と言うのがなかなか見えて来ないと言う記述をした。
三連敗の可能性があった中で、攻撃面でも守備面でも、前半戦から組み上げてきた自分達の形を作り出すことができた。
ソフトバンクと言うライバルであり、大きな存在に、押し切られることなく自分達の野球を展開することができたのを見て、
今年のファイターズは強いな!
と
負け越しているにも関わらず、何かワクワクする感じがした。
このブログでは下位打線の繋がりについて書いたが、
4日の試合の5回の逆転も石井一成の意表を突くセーフティーバントから始まり、上位へ繋げた。
先ほどの、千賀やミランダのように一戦級の投手からは点を取ることはチーム打率がリーグ2位のファイターズと言えども難しい。
下位打線の出塁から、上位打線の長打は特に一戦級の投手に対するときには重要なファクターになる。
前半戦で組上げてきた、
西川・大田の1・2番、
“栗山流オープナー”
後半戦に不可欠としていた
下位打線の繋がり
あとは、4番の中田が爆発すれば
ファイターズは本当に優勝してしまうと思う。
“優勝できる”と言う表現より、
“優勝してしまう”
と言う感じになっていくと思っている。
先ほどの
「いい形ができなくても、結果的に勝てるようにしないといけない。そこは自分の仕事」 と言っても、
優勝してしまう流れになったら、栗山監督はきっとこう言うだろう。
「俺は、なにもしていない。選手が頑張った結果。」
と・・・
監督が作った“勝ち切る形”を選手たちが首位攻防戦の
劣勢とプレッシャーの中で体現した。
あとは、故障者のピースが戻り、4番と言う
“核なるピース(=中田翔)”
がハマれば、優勝と言う絵がはっきりと見えてくるだろう。