ファイターズ2019年シーズンを振り返る(③センターラインと指揮官)
この度、台風19号によって関東甲信越・東北地方は甚大な被害を受けました。
被害に遭われた方には1日も早く平穏な日々が来ることを祈るとともに、亡くなられた方にご冥福をお祈り致します。
台風が接近・上陸した日は終日、河川が増水する映像を見て、「なんとか持ち堪えてくれ!」と祈り続けました。
祈りもむなしく、このような惨事になってしまったことは無念でなりません。
誰が悪い訳では無い自然災害は虚しさしか残りません。
この台風が教えてくれたこと、受けたらなければならないメッセージは、僕一個人であってもたくさんあります。
生きているものに与えられた時間と言うものは、意味があるものであると、胸に刻み、前に進んでいきたいと思います。
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ファイターズ2019年シーズンを振り返る の最終回!
今回はセンターラインと指揮官と言うテーマ
センターラインとは
野球と言うスポーツにおいて“センターライン”と言う言葉がある。
を指し、軸になるポジションと言われる。
中堅手と言う言葉はあまり馴染みがないと方も居ると思うが、センター(8)を日本語表記にしたものだ。
皆さんはこの5つのポジションを見てどんなイメージを描くだろうか?
ディフェンシブ(守備力重視)なポジションのイメージを抱かれることと思う。
野球の中継を観ていて、解説者が「センターラインがしっかりしているチームは強いですよね!」なんてコメントを聞く方も多いと思うが、やはり真ん中(センター・中心)と言うのは、イメージ的にも実際にも非常に重要だ。
話は逸れるが、AKB48と言うグループが、センターを決める“総選挙”と言うイベントをやって非常に盛り上がった。
自分の推している子(メンバー)を真ん中に立たせてあげたいと言う趣旨だが、センターラインがそのグループの顔になるわけだからそれはそれは重要なイベントになる。
自動車を運転される方でも意外と知られていないのが、横配列の信号機の赤信号と言うのは、対面に対して、視覚の中心に来るように設置されている。
やはり真ん中と言うのは、どの分野においても重要であると言うのが、お分かり頂けるだろう。
今年のファイターズはセンターライン(投手を除くポジション)で、固定されていたのは、センター(中堅手)の西川とセカンド(二塁手)の渡邉の2人だ。
西川はレギュラーとして今年も1シーズンを戦い抜いた。
痛いところを隠し、決して本調子でなくても、試合に出続けた。
渡邉は今年初めて、ほぼ1シーズンを1軍でしかも、スタメンで出続けた、いわゆるレギュラーを掴みかけた選手だ。
僕個人的には、ファイターズの野手で
表のMVPは渡邉
裏のMVPは西川
だと思っている。
渡邉は本当によく頑張った!
セカンドと言う負担の重いポジションを担い、主に6番、終盤にクリンナップを打ち、自己最高の数字を残した。
失策も多く、気持ち的には本当にしんどかったと思うが、
ファイターズで今年最も成長した選手であることは間違いない。
西川はレギュラーとしての責任感や意地のようなものを感じた。
傍から見ていると、どこを故障しているか分からない。でも、どこかに痛みを抱えているのは分かる。
そんな中でフル出場とはならなかったが、1番センターを守り抜いた。
故障を抱え、盗塁を封じられ、思うように打撃の調子も上がらない中、気持ちを切らさずハイレベルなプレーを続けたと言う異次元の選手へ仲間入りした1年だったと思う。
しかし、最も肝心な捕手と遊撃手はレギュラーが存在しなかった。
捕手は扇の要、遊撃手は内野手のリーダーと言ったりするが、ここが不安定だったことが、夏場の苦戦を強いられた要因の1つだったのではないかと思う。
強かったファイターズには強力なセンターラインが居た。
捕手は併用制が多く固定と言う概念は薄いが、大野・鶴岡・市川の3人制はファイターズ史上最強の捕手陣だった。
遊撃手と捕手はサインプレーの発信をする側であり、ベンチの指示を最も理解すべきポジションで試合感覚をもっとも必要とする。
シーズンを通して、試合に出続けることでしか養えないことも多く、その中で最も多くボールを触るポジション(ファーストの刺殺を除く)であり、野球の試合の確率論的な要素と流れ的な要素の両方の鍵を握っている。
その中で、渡邉は今年出始めた選手であり、遊撃手の固定は必須だったと言える。
もともと決して守備に定評があってレギュラーになった選手ではない。
結果的に、守備に大きな不安を二遊間で抱えることとなってしまった。
これは石井や平沼が悪いと言うことでは無い。
センターラインは固定するものとして考えて欲しかったと言う意味だ。
平沼をショートで使ったり、サードで使ったりするケースがあった。
この考え方はよく分かる!
負担の少ないポジションでバッティングを生かすもので、起用法としてはあり得る話だ。
しかし、セカンドが一本立ち出来ていない中で、なせる業だったのか?
守備固めで中島卓が入りサードに石井が回る。
この意味もよく理解できる。
守備力は中島に勝る選手は居ないし、安心感が違う。
では、石井の守備力をどう考えているのか?
渡邊と組ませると言う意味では、緊迫した場面でも9回まで守らせるべきではないのか?
センターラインに対する意識を首脳陣がどう考えていたのか?
栗山監督はどんなメッセージを選手に発信しようとしたのか?
非常に見え辛い部分ではあった。
これが今日のテーマに繋がった理由だ。
前回の更新で2番を大田泰示ではなく、西川ではどうだったか?と言う話をした。
これは大田の長所と西川の特徴もそうだが、チームとしてつながりを持った攻撃が出来るのではないかと言う考えだ。
この話をしたら、栗山監督はきっと「選手が選手らしくプレーすることを考えている」と言うだろう。
仕事をしていて思うが、その人らしさは絶対に大切だし、必要不可欠な要素だと思う。
ただ、そのチームらしさを消してしまうようであれば、それはトップが考えなければいけないことだと思う。
ファイターズが優勝するときと言うのは、強力なセンターラインを中心とした守り勝つ野球が身を結んだ時だった。
恐らく、打高投低のトレンドが押し寄せている今のプロ野球に、守り勝つ野球が通用しない時代になるかもしれない。
逆に言えば、
打ち勝つためのセンターラインを作る必要が出てきた
と言うことだ。
それは、ライオンズで言う森友哉だったり、ジャイアンツの坂本だったりする。
個人の選手名を出したが、ファイターズにおいても
「攻撃を軸に回して行くよ!」
と言うチームの考え方があるのであれば、
そのメッセージがしっかり伝わっていなければいけない。
攻撃型のセンターラインであっても、守備をしている時に、ベンチの指示がしっかり伝わるようにしないといけない。
これは技術的なことかもしれないが、中間守備で併殺を取り損ねたり、前進守備でホームアウトに取れなかったり、今年のファイターズはそう言うケースが多かった。
「そこはしっかりやれるように準備してね!」
と言う監督のメッセージが選手に行き届いていたか?
(打ってラインナップに入っても、守備はそこのレベルまで練習をしてきてね!と言う意味で上記の言葉でもそれを感じ取って欲しい)
打って低位置(レギュラーポジション)を奪う選手にとってはハードルの高いことかもしれないが、センターラインを担うと言うことはそう言うことだ。
技術的な部分も含め、その意識付けができて、それぞれのケースで出るベンチからのサインに応えていくだけでなく、フィールドに周知していく役割を担える。
僕は今年のファイターズのセンターラインを見てそんなことを感じていた。
もちろんこれは全て結果論だ。
投手の度重なるケガや、夏場の打撃不振とは別のところで、繰り返しにはなるが、敗因があるとすれば、“センターラインと指揮官”と言うテーマだったのではないかと思っている。
勝敗の責任は全て監督にある。
こんな厳しい仕事はない。
なにせ、自分では何もできないのだから・・・
来年はそんな指揮官の想いをしっかり、野球と言う形、勝利と言う結果で顕せるように、センターラインの活躍にも注目をしていきたいと思う。
今年の結果はとにかく悔しい。
ファイターズ自体の振り返りはここで終わり!
もう来年に向けて気持ちを切り替えましょう!
(また別のテーマでは扱うは予定している。例えばドラフトとか打高到低とか)
来年に向けて、栗山監督、選手のみなさん頑張って下さい!
応援しています!!