野球観術

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ファイターズ2019年シーズンを振り返る(② 2番大田泰示とアナリスト野球)

前回からの続きです。

saiyuki6.hatenablog.jp

 

今回のテーマ、

2番大田泰示と言うのはずっと疑問符を持ちながら、見ていた内容だ。

 

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しばしば、ブログに登場するこの

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https://amzn.to/2njtUEH

『稚心を去る』

の中で、データについて6ページを割いて栗山監督の持論が述べられており、まさにその持論が強く今シーズンのスタメンに出ていた印象だ。

 

 

saiyuki6.hatenablog.jp

 の中で記述したが、

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これが序盤戦の理想の打順と考えていた。

 

結果として、大田泰示はライトと言うポジションが最も適正があると言うのは僕の見誤っていた部分だ。

 

しかし、

今でも1番大田と言うのが適正だったと言うのは変わっていない。

 

特に今年は、西川の盗塁が封じられ、攻撃の選択肢が一つ削がれる形になってしまった。

だからこそ、大田泰示の長打にかけて2人で1点を取る形を重視したのかもしれない。

近藤との兼ね合いで左→右→左なので、相手投手が嫌がると言う側面もあったと想像される。

 

 

標題の

アナリスト野球とはセイバーメトリクスに基づいて、野球を考え、戦っていくこと。

今年のファイターズはOPS(出塁率長打率)を基準に打順を組んでいたように思われる。

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以前のブログでも記述をしたが、

 

saiyuki6.hatenablog.jp

 

大田泰示の三振の数と併殺打の数は、今までの2番打者と比較すると非常に多い数字だ。

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今年、楽天のウィーラーと並んでリーグ最多の併殺打の数だった。

三振数はリーグ12位

 

 

有走者の場面で、三振と併殺打は最悪の結果だ。

 

OPSを基準に打順を組んでいても、そこの打順(2番)で攻撃が分断されてしまうのは、繋がりと言う側面から言うと良くない。

特に、後ろの近藤が最高出塁率を獲得している選手だけに、打線がそこで切れてしまうのは非常にもったいないと感じる。

 

今年の大田泰示は自己最高の数字でシーズンを終えた。

一時期離脱をしたが、シーズンを通して頑張ってくれたと言う印象だ。

しかし、好不調の波が大きく、リーグ最多の併殺打を記録した部分を考えると、

2番と言う打順が適切であったか?

と言うのが僕の正直な感想だ。

 

大田は今年120試合、2番スタメンで出場している。

同じ打順で多くスタメン出場しているのが、

西川の1番が129試合

大田の2番が120試合

中田の4番が115試合

栗山監督のこだわりが伺い知れる。

 

僕はこの西川と大田を入れ替えることを推奨していた。

シーズン前は中田が3番と言う予想や推奨をしていたが、実際には近藤が3番を114試合務めたことを考えると、

従来の2番像を壊すことと同じように、従来の1番像を壊しても良かったのではないかと思っていた。

 

理由は2つ

1つは先ほども書いたが、西川の盗塁が封じられていたと言うこと

2つは大田の三振と併殺の可能性と打線の繋がりと言う点において

 

西川は開幕から2試合は、2番でスタメン出場だった。

栗山監督は「遥輝が遥輝らしくなるのは1番!」として、1番に戻した。

(昔、西川が白井コーチに「僕のポジションはどこですか?」と質問したら、1番とはぐらかされたと言う話は有名)

 

盗塁数の減少は、他球団のマークが極限まで厳しくなったことと、大田をフリーで打たしているのが理由と思う。

 

大田を自由に打たせることは決して悪いことでは無いが、「遥輝らしさ」と言う点においては、2番に西川を置いてフリーで打たせ、走者として出塁したら、近藤が深いカウント(ボールカウント3-2や2-2)まで打たないことを考えれば、西川の打席内容や盗塁数がもっと向上したのではないかと今でも思っている。

 

1番打者は1回に必ず走者無しで回ってくる。

その時点で併殺打は無い。

1番打者はボールをなるべく見て、以降の打者に投手のボールを1球でも多く見せると言うのが定説だが、その常識を壊しても良かったのではないか?

 

流れを切るリスクより、流れを作れないリスクの方が、打線と言う概念からすると、低いと感じる。

 

今年のファイターズの上位打線はツーストライクバッティングを徹底していた印象は薄い。

(西川や近藤の打者としての特性が結果としてそうなっていたと言うのはあるが…)

 

そのことを考えれば、大田が簡単に三振したり、1球で凡打になるリスクはあっても、先頭打者本塁打で勢いをつける、長打が出たとして、西川の技術なら進塁打を打つことはそう難しくない。

大田自身も俊足で、盗塁に興味を持てば15盗塁くらいは出来ると思っている。

近藤の打力も考えて、1番~3番で1点を取ると言う考えでも良かったのではないか。

 

強かったファイターズは本当にツーストライクバッティングを徹底していた。

点が取れなくても、相手に球数を投げさせることが目的なんじゃないかと思うくらい、徹底していた。

 

これについては、次のテーマでも述べるが、栗山監督がアナリスト野球と2番最強説にこだわり過ぎたと言う印象だ。

 

これは結果論だが、

西川の打撃の状態が目指すところまで上がってこなかった、盗塁が難しいと感じた時点で、1番と2番を逆にしても良かったと言うのが僕の結論だ。

 

来年は小笠原道大をヘッドコーチ兼打撃コーチとして招へいしてテコ入れを行う。

かつて、当時の上田監督が

2番最強説で小笠原を2番に置いたと言う、まさに草分け的存在が帰ってきた。

そこでの心持ちや、技術的なことも含めて、来年の2番打者が誰になるのか注目している。

 

北海道移転後から、恐怖の9番打者として君臨した金子誠を2番に戻して欲しいと願い続けたが、それは叶わなかった。(当時は梨田監督)

 

僕のようにファンが見る部分と、現場が見る部分と言うのは異なる。

 

そして何より

トップのこだわりや施策が打順に顕れる。

 

みなさんは来年のファイターズの2番は誰が良いと思いますか?

 

そんな問いを投げて今回の更新としたいと思います。

 

次回に続く↓

 

 

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