野球観術

野球や組織論はいつだって愛情から始まる

吉田輝星の光の先

 

プロゴルファーとのゴルフでスコアを数える時に審判が使うインジケーター(ストライク・ボール・アウトカウントを数える道具)を使っていたが、池ポチャを連発して、次はボールポケットが必要と感じた筆者です。

 

 

 

ファイターズはロッテ・楽天とのカード、2勝4敗で自力優勝が消滅してしまい、厳しい現実を突きつけられた。

 

この結果で誰かを咎める気持ちも無いし、次の試合からもしっかり、応援・評論をしていきたいと思う。

 

そんな中、11日に先発した吉田輝星について僕なりに感じたことを軽く更新していく

 

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吉田については過去にこんな記事も投稿しているので覗いてもらえれば…

saiyuki6.hatenablog.jp

 

saiyuki6.hatenablog.jp

 

 

パ・リーグTVで全投球を振り返り、Twitter上のデータ提供者との数字を照らし合わせてみた。

 

5回0/3 打者24人 98球 被安打4 与四死球4 奪三振3 失点2 自責2

 

と言う結果で

ストレート61%、フォーク(スプリット)20%、スライダー15%、カットボール3%、カーブ1%

の投球内訳だった。

 

評論家と同じような切り口だが、やはり失点の要因は制球難で、ここの改善は1軍の舞台で投げるには不可避と言って良い。

スポーツ紙の評論では、主に新球のフォーク(スプリット)が効果的だったとの論調だったが、僕の見立ては少し違って、吉田のボールのコンビネーションが今後バッターを非常に苦しめるのではないかと感じた。

 

前提として、高校の時のストレートが戻ってくることが絶対なのだが、彼のストレートは時より少しカットボールのような軌道でミットに収まる。

これはリリースの問題なのか原因は不明だが、打者としては非常に厄介な球筋になる。

 

今回の登板では去年に比べフォーク(スプリット)もかなり進化していたが、

スライダーが非常に良かったと感じていてウイニングショットには使えないが、

フォーク(スプリット)とのコンビネーションで力を発揮する陰の主役になる

と感じた。

 

少し分かりにくいかもしれないが、図にまとめてみた。

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(吉田が主に投じた4球種と球筋と球速が似ているものを⇔で結んだ)

 

 

通常、速いストレートを武器にしている投手がコンビネーションとして使うフォーク(スプリット系)はボールの軌道が途中までストレートと同じなので、打者に対して効果があり空振りを奪える。

過去のファイターズで言えば増井がそれであり、リハビリ中の石川直也がそうだ。

これは吉田も同じと言える。

 

まだ(フォークが)未完成のボールなのか、叩きつけるような軌道になったり、チェンジアップのように浮き上がって少し沈む軌道になったりしていたが、リリースが安定してくれば、ストレートと同じ軌道で落ちるボールになるだろう。

 

これに対して、スライダーの球筋(ボールの軌道)はストレートとは外れる(異なる)が、打者に対する体感速度がフォーク(スプリット)と似ていて右打者から見ると外へ逃げる、左打者から見ると膝元へ入ってくる。

こうなると、打者の待ち方にもう一つ余分な要素が加わる。

さらに厄介なのが、カットボールとそれと似た軌道のストレートだ。

スライダーとカットは少しだけボールの軌道が似ていて、球速差が全然異なる。

投手の手から離れた瞬間(リリースポイント)では判断し辛い上に、タイミングも全然変わってくる。

 

似通った球筋と球速の4球種を組み合わせることで、打者に思うようなバッティングをさせない日が来る未来を垣間見ることができた。

 

繰り返しになるが、ストレートの球質の復活と制球力の向上は必須。

 

恐らくこれは、リリースポイントがバラバラだからと思うので、ここが安定すれば勝てる投手になれる。

 

1軍の舞台だからと言って、力まず投げられて、キャッチャーが上手くリードしてあげれば、今の段階でもそれなりの結果はついてくると思うが、スケールの大きな投手に育って欲しいので、そこは二の次で良いと思う。

これは思わぬ投手が出てきたぞ!

(吉田輝星のイメージが変わった)

 

そんなファイターズの中の明るい話題でございました。